噂のパウロさん宅訪問
長い間が空いてしまいましたが、また頑張ります。
広げた風呂敷はどこまで綺麗にたためるのやら…。笑
「こんにちは。あら、パウロさんに御用かしら?ちょっとこちらで待ってらしてね」
明るい気さくな女の人が対応してくれる。応接間に案内されて、パウロを早速待つこととなった。
「すんなり通してもらえて良かったな」
「話は通していたからね」
ヨイとアサメが話している事に心底同意した。そんなに待たない間に呼ばれる。
「ご準備ができました。どうぞ、こちらに」
カミラ御一行はゾロゾロと奥の部屋へと進んだ。どうやらパウロ氏の書斎に案内された。
コンコン
「ご主人様、失礼いたします。御客人です」
「ありがとう、ヴィンス。いらっしゃい」
返事があり、入室すると中々に立派な書斎に通された。来客用のテーブルとソファがあり、そちらでパウロさんと対面となった。
「初めまして、失礼します。」
「本日はお時間をいただき、ありがとうございます。」
「そんなに硬くならず、気を楽にして」
パウロさんは朗らかな初老の男性だった。しかし、その物腰に似合わず、日焼けした肌や筋肉質な身体が印象的である。
「改めまして、本日はありがとうございます。カミラと申します。」
「従者のヒース、こちらはキースです」
「ヨイと申します。」
「アサメと申します」
人数が多いため、簡潔に名乗る。
「おやおや、素敵な客人がこんなに。パウロ・ギザンテと申します。商人をやっております。以後お見知り置きを。
この村にようこそおいでくださいました。我が家でも、どうぞお寛ぎください」
パウロさんは順番に握手して挨拶をしていく。ヒースとキースとも握手するが、
「おや、君達はもしかして…」
握って顔が合った瞬間に驚いた声を上げた。
「あ、あのボク達は人狼の双子です」
「あぁ、いや良いんだ。それはわかっていた。君達はパピラの村出身ではないかね?」
「?…はい、そうです。」
「そうかそうか。こんなに大きくなったのか」
パウロは懐かしそうに目を細めた。
「サラさんはお元気かね?」
「母ですか。僕たちもよくわかりません」
「数年前に村を離れたので」
2人の言葉を聞いて、パウロは少し顔が翳る。
それを見たカミラが話を切り出した。
「パウロさん、もしかして貴方はこの2人の父親ではないですか?」
「…何でそう思うんだい?」
「もう伝え聞いているかと思われますが、私は魔女です。この2人は人狼ですが、あなたもそうですよね?」
「確かに私は風変わりな人狼だ。まぁ、落ち着いて。来たばかりなのだから、とっておきの話は最後に取っておこうじゃないか。」
パウロはニコニコしつつ、お茶とお菓子を勧めるので、一同はひとまずそれに従った。
カミラがキースとヒースの様子を伺うが、2人ともポーカーフェイスだった。しかし、2人で顔を見合わせている。ヨイは面白そうだ、という顔を浮かべ何も言わないし、アサメはただ様子を見守る姿勢である。
「バビノア氏とは友人でね、ビジネスでも僕が仕入れたものを卸してもらったりもしてるんだ。彼の店は良いよね、夢に溢れている」
「はい、私たちも彼のお店で何点かお気に入りを見つけて購入しました。どれも素敵で迷っちゃいます」
パウロは紅茶を飲みながら、話を進める。
「カァァ、カァァ!」
すると楓が机の上に躍り出て、手にハンカチ2つを握りしめて、パウロにここぞとばかりに見せる。
「おや、まぁ。君も買ったんだね?見せてくれるのかい。おぉ、種類の違うのを2枚、買ったのだね」
「楓には2つ、プレゼントしました」
「クルル」
楓はパウロに全力で擦り寄っていく。
パウロもそれを受け入れて楓の頭を優しく撫でながら、顎に手を当て考え始めた。
「ふむ」
アサメは2杯目の紅茶を飲みながら、クッキーをつまみ、おもむろに話す。
「今回はバビノア氏が話を通してくれたが、快く予定調整してくださりありがたかった。感謝する」
「いや、良いんだよ。私もまさかここで素敵な縁が繋げるとは思っていなかったからね」
「こちらもくるのが急だったのに、ここまでもてなしていただきありがとう」
アサメもヨイもパウロも笑顔を互いに浮かべた。
「そうだ、皆さんには最近仕入れたばかりのブローチを分けよう。珍しい色合いの石のブローチで、民芸品なのだが魔除けらしい。お土産に渡そうと思っていた分が余っているので、それでよければ出会いの品とさせてくれ。ガレオ」
「少々お待ちください」
「いただいてしまって、良いんですか?では、お言葉に甘えます」
数分後には色とりどりのブローチが並んだケースを机の中央に置かれた。
やっと、村滞在3日目にしてパウロ宅訪問!ここまで長かった。まだまだ頑張ります。




