引っかかれた男とあやしい視線の主
ワタクシ、やっと気づきました。今回はやりたい事が多く同時進行になる為、それが中々お話が捗らない1つの様です、すみません。
詰め込めるだけ詰め込む所存ですが、詰め込みすぎて溢れて、最終的にとっ散らかったらすみません。なるだけ回収までがんばります。
先程の男性に落ち着いてから色々と聞いてみたが、襲われた記憶については奥さんが亡くなったショックで何も覚えていないという事だ。
状況として、彼は部屋にいる間に襲われている。先に夜中たまたま目を覚ました奥さんが、庭にある井戸の水を汲みに出た先で襲われた。男性は現場は見ていなかった。しかし、その直後に犯人にドアから侵入され、結局襲われたとの事だった。そして、その日は満月の夜。
実を言うとこの男性、罠師を生業としており自宅には獣用の罠がいくつか転がっていたとか。机の上に置いていたいくつかが侵入者によって蹴り散らかされていたが、その中の一つが見当たらずおそらく犯人はうっかり一つの罠にかかってしまったのだろう、との事だった。
それが本当だとすれば、殺す前の撤退の理由は罠にかかって足か腕あたりを負傷したからだろう。それはつまり、現在、身体のどこかに特徴的な怪我をしている者が怪しい。村医者もとい長老に聞いてみるのが良いかもしれない。この村では怪我をすると長老を頼るのだ。ちなみに吸血鬼は回復が異様に早いが、人狼は回復は人間より僅かに早いくらいである。回復が遅い個体であれば、まだ間に合うかもしれない。
また、犯人である村人が人狼だった場合、おそらく人間に戻った朝に村の事件を耳にしたはずなので、足に罠の跡を見れば何が起きたかを察するだろう。すでに自覚を持っている可能性が高い。自らについた身に覚えのない怪我と罠を見れば、昼は村人に混ざり満月の夜には不定期に人を襲う自分の別の顔を認めざるをえないだろう。
「まずは長老を当たりましょう。」
「えぇ、それが良いわね」
アサメとカミラが話しながら、長老の家に向かって歩き出す。長老の家は村の1番奥にあり、桜の丘からなら比較的近い。一行は歩きつつ、村人について考える。
「ついでに、パルムさんのところにも寄ってこう。」
「そうだな、話はすでに店長と秘書がつけてくれている。いつ行っても大丈夫なようだ」
ヒースとヨイも今後の算段をつける。
(??)
その時キースは、またもこの村に来た時の視線を感じ、不思議に思っていた。ヒースもキースもフードを被っているし、ヨイとアサメも一見は人のようだから警戒される要素は無いはずだ。それとも他所者だから、何者かに見張られているのだろうか。あまり気持ちは良くない。視線の主を辿ろうと五感を研ぎ澄ませる。
すると、近くの植木越しに人影があるのに気がついた。大人ではなく、まだ10歳そこらの子供のようだ。小さい。目線も予想より低く、なかなか気づけない位置にいた。
(なんだ?)
こちらが歩くペースに合わせて向こうも移動している。しかし、どうやら1人である。
ジーっとこちらの動きを見ているようだが、キースが気付いたことにはまだ気付いていなかった。
(後ろ目草)
キースが背中側も見えるよう、密かに魔法を使い自分の足元のツタと自分の片目を同調させた。すると、紺色のマッシュ髪の少年が紺色の目で一心に見つめていたのは、なんとカミラだった。
(?!!)
思わずビクつくキースだったが、フード付きケープのお陰でヒース達にはバレなかった。
カミラはちょうどアサメと話しており、小首をかしげる楓を肩に乗せつつ微笑んでいた。全く気づかずに微笑むカミラが急に呑気に思えて一層焦燥感にかられるキースだったが、(落ち着け俺!まだわからん!!)と必死に自分に言い聞かせていた。果たしてこの少年がいつからついてきているのか、そしてその目的は謎である。
そうこうしているうちに、目的地についてしまった。パルムさん宅だ。
「先にパルムさんね!こんにちはー!」
「ハーイ!少し待ってねー!!」
カミラがドアをコンコンとノックすると、すぐに返事があった。あまり間を置かず、ドアが開く。
謎が謎を呼んでおりますが、新たなラブミステリーまで生まれて、まだまだ話は続きます!早く、落ち着かせてくれ〜。




