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Life is sweet

レビュー執筆日:2020/1/18

●分かりやすさと複雑さを上手く兼ね備えたミクスチャーサウンドが見事に炸裂さくれつ


【収録曲】


1.What's up?

2.チャイニーズ・ヒーロー

3.風

4.super stomper

5.STRIKE!!

6.1sec.

7.F.E.E.T

8.joker stomper

9.under the umber shine

10.compli-K-tion

11.Mr. bullshit

12.ナクシタモノ

13.back to the sunset


 数多くのライブを行ったり、自身でロックフェスを開催したりと、いわゆる「ロックキッズ」から多大な支持を得ているスリーピースバンド・10-FEET。彼らの特徴と言ったら、まずロックサウンドの中にラップ等の要素を織り交ぜるいわゆる「ミクスチャー」的な要素が強いという点が挙げられます。まあ、そういう要素を持つバンド自体はそうは珍しくありません。個人的には、そういうバンドは「そういった要素を無理に取り入れようとして曲全体がゴチャゴチャした雰囲気になってしまい、全体的に印象に残り辛くなってしまう」というケースが少なくないと思うのですが、彼らに関してはそういった点はほとんど見られません。言葉数多めのA・Bメロと声を長めに伸ばすサビの対比が印象的な『What's up?』や、メロディを変えずに途中からテンポが速くなる『STRIKE!! 』のように、展開ごとに上手くメリハリを付けた楽曲が多く、全体的にある程度の複雑さを持ちながらもしっかりと分かりやすく整理されている、というある種の「職人技」に近い芸当を見事に見せてくれます。


 また、ロックサウンドを軸にしながらも多彩な楽曲を聴かせてくれるのも興味深いところ。『joker stomper』はあえて「メリハリ」というものを無視して一気に駆け抜けるハードなナンバーになっていますし、『under the umber shine』はラテン音楽的なリズムが耳に残ります。『ナクシタモノ』はテンポを落としてメロディと歌詞をじっくりとつづっていますし、『back to the sunset』は高速の2ビートのリズムに乗せてドラマチックに展開するメロディを聴かせてくれます(個人的には、Hi-STANDARDの『brand new sunset』を彼らなりに速いテンポで解釈したように思えます)。また、曲によって日本語詞を中心にしたものがあったり、英語詞のみのものがあったり、はたまた英語詞と日本語詞を行ったり来たりするものがあったりという点も「多彩さ」というものをより強調させています。さらに、こういった多彩な楽曲を収録しておりながらも、アルバムとしての「流れ」も上手く表現されており、曲内のみならず曲同士の配置も上手く「整理」されているように感じられました。


 音楽フェスに多数出演していることもあって、「フェス向けの勢い任せのバンド」と思っている方もいるかもしれません。確かに、全体的に速いテンポの曲が多く、そういう意味では「勢い」があるとも言えますが、決してそういった点だけに寄りかかっているわけではなく、クレバーな面もしっかりと感じられる作品になっているのではないでしょうか。


評価:★★★★★

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