桃太郎のお供は猿より俺
二人「どーもー!」
ボケ「俺は気づいたね」
ツッコミ「ん?」
ボケ「立ち上がるしかねぇよな」
ツッコミ「なによ急に」
ボケ「やっぱり桃太郎さんのお供は、猿より俺よ」
ツッコミ「……お前?」
ボケ「俺よ。俺。猿なんかより俺の方がお供として優れてるっつー話よ」
ツッコミ「いやいや、桃太郎っていたら犬、猿、キジっていうワンセットなのよ。これで完成系だから」
ボケ「一匹いらねぇやついるな」
ツッコミ「お前だよ」(食い気味に)
ボケ「猿なんて桃太郎さんのパーティのお荷物なわけ。いつまでテメェはそこであぐらかいてんだっつう話よ」
ツッコミ「どこと張り合ってんだ。
いや、猿は結構スピーディーな動きできるからね? お前よりは身軽だと思うよ」
ボケ「確かに猿の動きは身軽だな。
でも俺は臆すことなく構えて、受け止める覚悟がある。何が来たとしても全てを受け止めてみせる。
猿にはあんの?俺に受け止められる覚悟」
ツッコミ「ないよきっと。猿サイドはお前に何の感情もないからさ。
他には……作中では出て来てないけど、猿は群れで行動するから。仲間は多いよ?」
ボケ「来いよ」
ツッコミ「来いよ……?」
ボケ「猿が何匹だろうが構わんよ。偵察するやつ、前線で戦うやつ、指揮するやつ、足りねぇ頭使って群れでかかってこいよ。
ただ、俺は1人だからな」
ツッコミ「いやその感覚で言ったら犬とかキジもいらねぇだろ」
ボケ「貴様は猿以下の腐れタンパクか?」
ツッコミ「言い過ぎだよ」
ボケ「犬さんが!その鼻で怪しい罠を見つけてくれて……キジさんが!高く飛んで遠くの敵も見つけてくれる。
お二方がそうしてくれるから、俺も前を向いて進めるんだよ。
エテコウにその感謝の気持ちがあるか? 感謝の気持ちが!俺を強くしてくれるんだよ」
ツッコミ「いや、強くなんなくて良いんだよ」
ボケ「まぁでも猿は性根が腐ってますからね」
ツッコミ「ん〜確かに昔話の中でも猿が悪者になってる話ってのはありますからね。
猿カニ合戦なんて、猿がカニに柿をぶつけたりしてイジメてね」
ボケ「あり得ねぇよな」
ツッコミ「まったくよ」
ボケ「俺なら腹の子ガニもろとも貫ける」
ツッコミ「そっちかい!猿よりも悪名高くなってんぞ!」
ボケ「ましてや復讐を受けるなんて猿の風上にもおけないやつだね」
ツッコミ「猿に対して猿を語るな!」
ボケ「懐かしいなぁ……」
ツッコミ「どうした?」
ボケ「思い出すんだよ、消えねぇ過去ってのをよ。
カニを騙しておむすびをもらって。柿を食っては、柿をぶつけて、また柿食って」
ツッコミ「お前猿だったの?」
ボケ「……ツメとミソが美味しかった」
ツッコミ「カニも食っちゃってんのかい!?」
ボケ「流石にやんちゃし過ぎてな、他の猿達からも見放されて、俺はいつも一人だった」
ツッコミ「猿なんだな?お前はもう猿なんだな?」
ボケ「そこで出会ったのが、鬼を退治しようと旅の途中だったあのお方よ」
ツッコミ「……桃太郎かな?」
ボケ、殴られたような感じ
ボケ「ぐはぁ!!! へへっ……やるじゃねえか桃太郎……」疲れた様子
ツッコミ「なんだなんだ」
ボケ「アンタみたいな奴が俺の周りに居たら……ハッ、それも運命ってやつか……」
ツッコミ「なにが始まってるんだコレ……」
ボケ「やれよ……早くとどめを刺せつってんだァ!!」
ツッコミ「怖い怖い怖い怖い」
ボケ「殺せぇ!!はやく殺しやがれ!!」
ツッコミ「お前目の焦点あってないぞ」
ボケ「……ったく口数が減らねぇうるせぇ猿だぜ」
ツッコミ「桃太郎! 遂に登場した!」
ボケ「こんなうるせぇ猿がお供にいたら
…………鬼退治が賑やかになってしょうがねぇや」
ツッコミ「……桃太郎さんッ!!!!」(感動したように)
ボケ「ハァハァ……こ、こんな……俺みたいな猿を誘ってくれるのか?」
ボケ「バーカ。猿を誘ってるんじゃねぇ
…………お前を誘ってんだ」
ボケ「お、俺……。俺を……?」
ボケ「ついてこい。見たことねぇ景色……見せやるよ」
ボケ「……ハイっ!!!」(泣きながら)
ボケ「……な? 猿よりも俺だろ」
ツッコミ「お前だわ」
二人「どうも、ありがとうございました」