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逆に誰かタイトルつけてくれ...  作者: Mr.ロリぺド
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第一話

小さな時から知らない事を沢山知っていた。見た事も聞いたこともないのにだ。でも検討はついていた。輪廻転生というものをしたのだろう。一度死んだらまた新たな生命に生まれ変わるというものだ。


でもおかしい。知識で知っている転生というのは、何もかも忘れて真っ白に生まれるものだ。けど何故だろう?俺には記憶が不完全な状態で残っている。


ただ"ニホン"という単語がどうにも引っかかる。まぁ、今考えても分からないものは忘れよう。知っているなら知っている。それで良いじゃないか!


ここでやっと自己紹介だ。俺アイゼン・アルタールは五つある世界の一つ、ファリス王国の辺境男爵の次男として産まれた。勝手なイメージだが、貴族とか面倒臭いから何となく嫌だ。まだ次男だけマシかもしれないが。産まれてからもう10年になる。つまりぴっちぴちの10才児である。


「にぃに!あそんで!」

「よし、何して遊ぶんだ?」

「...んー、おままごと!」


...はぁ、マジで女神。あ、神はもういないから絶滅種じゃん。俺が一生護らなくては!

いや違う、そうじゃない。違わないけども。

この子は俺を兄と呼ぶが、決して俺の妹な訳では無い。残念な事に。


この子はアシュリー・ボワ・ブルイユ。雪の様に白い銀髪に赤い眼。ブルイユ侯爵家の末娘。うん、侯爵家。格上が何でって思うよね?俺もよくしらん。まぁ、彼女とは一度会って以来物凄くなつかれている。あとついでに俺の兄上の許嫁でもある...


「じゃあ、にぃにはアシュリーの旦那様ね!」

「いいけど。アシュリーの本当の旦那様は、エリク兄上なのにいいのか?」

「いいの!だってエリクはアシュリーと遊んでくれないし、にぃにの方が好きだもん!」

「うーん、エリク兄上は学園にいるし、帰省しても忙しいからなぁ、仕方ないよ。」


エリク兄上は真面目で努力家なんだけどね。いかんせん融通が効かない。確かにアシュリーみたいな小さい子には、つまらないかもしれない。


「おう、アイゼン。ここにいたか。侯爵が帰るから挨拶しろ」

「父上」

「やあ、アイゼン君。娘の相手をさせてすまないね。そろそろお邪魔させてもらうよ。」


黒髪の強面の男は俺の父、スルト・アルタール。そして横に立っている銀髪の美丈夫が、ブルイユ侯爵家当主アインツ・ド・ブルイユ、アシュリーの父だ。


「いえいえ。アシュリーと遊んでいるのは楽しいですから。いつでも歓迎しますよ?」

「そうかね?ならよかったが、ほらアシュリー帰るよ」

「えー、まだにぃにと遊んでたのにー」

「明後日には魔術適正検査があるんだ、もう帰るよ。ほら、皆さんに挨拶なさい」

「...うーん。男爵様、にぃにまたねっ」

「うん。また今度ね」


少しだけ残念そうな顔をしたアシュリーは、侯爵と一緒に帰っていった。


「そっか、アシュリーは明後日には魔術適正がわかるんですね。」

「ああ。ブルイユ家はうちと同じ原始魔術の家系だ。それにアシュリーちゃんなら尚更魔術の才能があるだろうな...」

「...?どういうことですか?」

「いや、気にするな」


この国では、5才になると貴族平民を問わず皆が魔術適正を知る事が出来る。魔術には基本的に四つの属性がある。

それぞれ火、水、風、地。いわゆる四大元素というものだ。

稀に特殊な属性の適正を持って産まれてくるものもいるらしい。

貴族であれば二つか三つの適正が有るのが普通だ。全く適正がない人間なんて、平民でもほとんどいないらしい。


ちなみに俺には、火と風の適正を持っている。ザ・普通だ。

まぁ、魔法が役に立つのは戦闘の時だけ。大戦の終わりからずっと平和が続くこの世界じゃ、魔物を相手するときぐらいだ。


魔獣というのは、大戦で神々が消えた事によって、各世界のあらゆる場所で現れた化物のことだ。数はそこまで多くはないが、強い個体ばかりで、1500年の間未だ殲滅できずにいる。


「よしアイゼン、行くぞ。稽古の時間だ。お前も五年後には学園に通うんだ。それまでに我が家の戦技、魔術の全てを叩き込む。」

「はい、父上」


別に鍛えたところで、使う機会などないとも思うが、やっておいて損はないだろう。そう思いながら俺は、父と一緒に訓練場に向かった。

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