<15.5. 【キャラクター紹介】>
「第三章16話」開始時点での登場キャラクター紹介です。ここまでのネタバレを含みますのでご注意ください。
また、「太陽の町編」での登場人物も一部紹介しています(こちらはネタバレなしです)
【主人公一行】
「ぼく(主人公)」
日本出身。「勇ましい声」に導かれ、目覚めると異世界にいた。魔王の息子サーネルの肉体に入っており、その力を用いて魔王打倒を目指す。
四年前、殺人鬼に襲われた際に庇われる形で姉を失い、自分を「姉を殺すために生まれたみたいだ」と憎む。そんな自身を許すため、世界を救う旅に出た。
魔族殺しの際、罪悪感で幻を見るまでになったが、最も身近な魔族であったメニィを倒すことで乗り越えている。
「プリーナ・ワマーニュ」
マリターニュの領主ロワーフの娘。さらさらとした金の髪と凛とした碧い瞳が印象的な、主人公曰く「冒険小説にでも出てきそうな少女」。よく髪を結び二束のお下げにしている。
人間魔族問わず「痛みに苦しむ姿」に性的な興奮を示すが、本人はそれを良しとしない。それでも自分を愛せるようになるため、愛する人々を守るべく魔族と戦う。
命を狙われた主人公を守るため、マリターニュを裏切る形で主人公と行動を共にするようになった。
「ティティ」
筋肉もりもり健脚の怪鳥。基本飛ばずに走る。しゃくれた顎のような巨大なくちばしを持ち、「ぐえー」と鳴く。プリーナが町で買った。
【太陽の町関係者】
「ヘレナ・フローレス(キャシィ)」
はっとするほど鮮やかな赤い髪の少女。瞳も真っ赤で、全体的に赤いイメージ。サーネルと深いつながりを持つ。「キャシィ」とも呼ばれる。
太陽の町における救世主である。
「ミィチ」
マントを羽織った背の低い少年。鼻の低く灰色の瞳も円ら。うさぎを思わせる顔をしている。見た目のわりに落ち着き払った性格で、「オレは弱いんだ」と自称するが謎の迫力がある。
「ウナ」<未登場>
孤児院を守る老女。とある人物に顔が似ているらしいが……?
「クリスターニュ」<未登場>
女性。詳細不明。複数の事件を引き起こす。太陽の町では顔が知れ渡っている様子。
「詩人」<未登場>
ヘレナに想いを寄せる青年。振られているが完全には諦めていない。
【魔族を打倒する旅人】
「マイス・ラムプルージュ」
黒髪黒目の大男。若過ぎず老い過ぎてもいない、戦士としての全盛期。主人公からはこの世界の「勇者」と目される。圧倒的な馬鹿力で四メートル級の大剣を使いこなし、魔術でなければ倒せないはずの魔族を斬り殺す。
戦い方は直線的で魔族に与する者には容赦なく襲い掛かる脳筋だが、貴族相手には礼儀をわきまえるなど、騎士としてある程度の常識は持ち合わせている。
魔王との戦いに敗れ魔術で肉体をぶよぶよにされたが、頑丈なので多分死んでいない。
「ツワード・フィシャー」
やたら芝居がかった口調で話す少年のような声を持つ青年。黒いローブを着込み主人公の仲間になりたいと近づいてきた集団のリーダー。その目的は故郷を奪ったサーネルにできうる限りの苦痛を与えて嬲り殺すというものだった。
「ノエリス」
黒いローブの集団の一人。明るく朗らかな性格の女性――だったが、今では瞳も冷え切り、残酷な作戦にも手を貸せる非情さを持ち合わせるように。演技でなら以前のように明るく振る舞うこともできる。
【ワマーニュ家関係者】
「ロワーフ・ワマーニュ」
マリターニュの領主でありプリーナの父親でもある。力強く凛とした碧い瞳は、娘のそれとよく似ている。その立場ゆえか、かつて町を襲ったサーネルの味方となったプリーナを「マリターニュの民ではない」と断じた。
「エラリア」
赤毛の少女。そばかすと糸目が印象的で、一見計算高そうな顔つきだがその実おっちょこちょいで気も弱い。元の主人であるプリーナに心からの忠誠を誓い、今でも深く愛している。
「アミーシャ・ワマーニュ」(死亡)
プリーナの母親。七年前サーネルに殺された。
【マリターニュ関係者】
「ソーン」
マリターニュの中でも特に守りが固いとされる町の老騎士。体に獣の腕を縫い付けられている。魔族に弄ばれていたところをマリターニュによって救われ、ロワーフ・ワマーニュに忠誠を誓った。
「青年の兵士」
主人公が異世界に来たばかりの頃、主人公を捕まえ処刑しようとした三人の兵士のうちの一人。主人公曰く、見た目は高校生くらい。一緒の二人に比べてシリアス感が足りなかった。
バードのおかげでプリーナと共に生き残り、ワマーニュ家別邸の前で主人公と再会した(ただし正体には気づかなかった)。
「バード」(死亡)
青年の兵士と同じく、三人の兵士のうちの一人。三人の中ではリーダー的立ち位置。強面の男で、肉体を強化する魔術を扱う。プリーナと青年の兵士を逃がした後、メニィと一騎打ちをして敗れた。
「痩身の兵士」(死亡)
青年の兵士と同じく、三人の兵士のうちの一人。魔族に対し深い憎悪を抱えている。メニィの呼んだ雷に打たれて即死した。
「メイとコンラート」(死亡)
七年前、マリターニュの町にサーネルがやって来た際門番を務めていた二人。職務中にほっぺたをつねり合うなど仲はよさそう。
サーネルの手で殺されたが、コンラートはしばらくの間意識を保ち、息絶える瞬間まで「魔王の息子を殺してくれ」と訴え続けた。
【その他の人間】
「半裸の大男」
とある町でミィチを襲っていた騎士。剣が使わず拳で戦う。肉体強化の魔術を使うがそれはカモフラージュで、殴った敵を追跡できる魔術を扱う。拳から出る銀の光はどこまで離れても対象の方向を示し続けるが、気を失うと魔術も解ける。
直情的な性格が魔術を悟られないための演技かは微妙なところ。以前主人公たちを追い回してきたが、返り討ちに遭い気絶した。
「大魔術師」(死亡)
マイスに超重量の大剣を託した人物。剣そのものに魔術を使わせ、大きすぎる剣をいつでも呼び出せるようにした。相当な実力者であったと見られるが、魔王ブラムスに殺された。
【魔王関係者】
「サーネル・デンテラージュ」(死亡?)
魔王ブラムスの息子。白く芯のある髪と理知的で切れ長の眼、ぴんと張った長い耳が特徴。主人公とは正反対の尊大な性格らしい。数々の町を襲い多くの命を奪った。
人の命を何とも思わない魔族らしい一面を持つが、何故かミィチやヘレナからは慕われている。
魔王の名を受けたガラードから命を狙われ、大きな傷を受けて消息を絶つ。その後主人公に体を使われる形で現れた。今のところ自我を見せる様子はない。
「ブラムス・デンテラージュ」
先代魔王を打ち果たし、圧倒的な力で世界の多くを支配した悪逆非道の大魔王。何よりも武勇を重んじ、数々の戦士や魔術師を葬ってきた。残虐な支配は部下たちに任せ、自身は戦争によって国を落とすことに執着する。普段は部下たちも知らない場所にいるらしい。
「バンリネル」
唯一、普段から魔王と直接会えるらしい。その正体は限られた魔族しか知らない。魔王の部下であるのかすら不明。
【強力な魔族】
「ガラード」
魔王に実力を認められた魔族。見た目は包帯ぐるぐる巻きのやせ細った老人だが、腕力脚力ともに凄まじい。穴の空いた鉄の筒――近代のバルカン砲にも似た武器を携えている。豪快な性格で、ブラムスにも気安い。
「コンズ」
ガラードに次ぐ実力者とされる。黒目がちすぎる瞳とさらさらの銀髪をした魔族。見た目はほぼ人間の少女で、純白のケープから覗く肢体は細くしなやか。強気な女性といった感じの性格。
「ハイマン」
魔王城を取り囲む森。木々を揺らすことで会話が可能。木を放ったり枝を動かしたりして攻撃もできる。かなり呑気な性格。
「メニィ」(死亡)
サーネルを慕う女の魔族。サーネルの世話係である。胸元の開いた大胆なドレスを着ていて、豊満な体とぴんと張った長い耳、くらくらするような甘い香りが特徴。おっとりとしたしゃべり方でサーネルを元気づける。主人公の手で殺された。
「ユニム」(死亡)
天使のごとき羽を生やした青年の魔族。見た目はほとんど人間で、喋り方はとても丁寧。怒るとうるさい。心の機微を察知する観察眼で主人公の正体に感付くも、主人公の手で頭を砕かれ死亡。
「ベルディ」(死亡)
三メートル級の巨体を誇る骸骨姿の魔族。ホラーな見た目のわりに熱血な性格。重力を操る魔術が強力な魔族屈指の実力者だったが、マイスに一撃で倒される。
【その他の魔族】
「ボン」(死亡)
サーネルを兄貴と呼んで慕う。団子ごとき大きな胴体に、さらに団子のような手足がくっ付いている。純粋な性格ながら、徹底的な空腹管理と強制労働で人々を苦しめ続けていた。残虐な仕打ちを主人公に見せつけトラウマを与える。
最期は主人公の手で頭を砕かれ死亡。
「ララとリリ」(死亡)
サーネルを慕う無邪気な子ども。見た目は人間の子どものようだが、人の命を当然のように弄び、他の魔族と同様罪悪感の欠片も持たない。
ユニムの死を目撃した後、自分たちも主人公に殺された。
「クヌール」(死亡)
犬の獣人。サーネルにも臆さず強気な態度を取る。シエルという猫の獣人を愛しており、その命が狙われた時は魔族とは思えないほどの怒りを見せる。
シエルを殺されたことで絶望し、自ら命を絶った。
「シエル」(死亡)
猫の獣人。人々に獣の皮などを縫い付けていた。目的は不明。
主人公に敗れ死亡。
「仮面の悪魔たち」(死亡)
主人公が初めて殺した魔族。白と黒の二対で行動する。沸騰した水のごとき体に蝙蝠のような羽、笑みを浮かべた仮面が特徴。白は常に落ち着き払い、黒はうるさい。
魔王の息子を殺すことで高い地位を手に入れるつもりだった。
【地球の人々】
「殺人鬼」
殺人犯の青年。殺した相手を山に埋めているところを主人公たちに目撃される。主人公の姉を殺すも、主人公の存在に気づくことなくその後逮捕される。現在は彼の死刑に向けた裁判が進んでいる。
「お姉ちゃん」(死亡)
四年前、主人公を庇う形で殺された。
明るく正義感の強い性格。いじめられやすい主人公を何度も助けた。同時にいじめっ子と一騎打ちさせるなど、荒療治にも躊躇がない。
高い位置で結ばれたポニーテールは、主人公にとっては彼女の象徴だった。