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01 東の魔王

勇者である《私》はついに長い旅の目的地である

《東の魔王》の居城へとたどり着くことができた。


《漆黒の鎧を纏った剣士》

《白い衣を身を包む乙女》

《緋色の眼を持つ老賢者》


三人とも頼れる最高の仲間だ!

剣の腕も魔法の錬度も未熟な私では

彼らが居なかったら此処までたどり着くことも出来なかっただろう。


居城の中へと足を踏み入れる・・・


そこに待っていたのは・・・


「そんなっ!なんでいきなり魔王本人がいるのっ!!」

「だが丁度良い!殆ど消耗していない今なら!」

「この場でアナタを倒してみせます!」

「娘と孫の仇・・・今こそ取らせてもらうぞ!」


素早く戦闘態勢に入り、陣形を組む私達

大丈夫!私達なら、きっと魔王にだって勝てる!!


「さて、貴様らは暇を潰すことが出来る相手なのか見せて貰うとしよう」

《東の魔王》のその言葉と共に仲間達の足元に禍々しい召還陣が現れる。


「いかん!皆離れるんだ!この陣は発動すれば人を喰らうぞ!」

その老賢者叫びと同時に召還陣から溢れ出る

《ぬるぬるとした皮膚を持つ膿み爛れる塊》

埋め尽くされた《ソレ》の牙の生えた数多の口が

クスクスと哂いながら私の仲間たちを飲み噛み砕いてゆく


仲間達の断末魔の絶叫が響く中

私はあまりにもおぞましい《ソレ》の姿と

一瞬にして3人の仲間を奪われた事の恐怖で

その場にへたり込んでしまった。


「つまらん、暇つぶしにもならぬのならば・・・

魂さえも遺さずに、消え去るがよい!」


頭上から落ちてくるその言葉に

私は自分の存在が消えていくのを・・・


ぼんやりと・・・


ただぼんやりと・・・


聞いて・・・

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