Rainy Blue
私の運命は、いつだって残酷で、いつだって理不尽で、いつだって。いつだって、そう、いつも、いつも……。
その日、いつもと変わらず雨が降っていた。
いつもと変わらず、傘をさす人々。
私の住むこの街は、雨の止まない街だった。
その名は、ウォーター・リリ。
雨の街として繁栄してきたここは、水路の氾濫防止対策も勿論万全で、洪水なんてものとの縁は皆無だった。
今日もいつも通り目がさめる。
私が見た光景は、晴れた空間だった。
街の雨が、初めて止んだ瞬間だった。
「おーい!雨が止んだぞ!」
「ついに!ついに止んだのね!」
おかしい。
ずっと焦がれてた空のはずなのに。
晴れた空を、夢に見ていたはずなのに。
私の心は、晴れないままだった。
話に聞いていた素敵なはずの光景は、私にとって心地の悪い場所だった。
そうだ。と思い出す。
この街の雨は、私が降らしていたのだと。
私が、ずっとこの街に雨を降らせていた。
なのに突然、その力が使えなくなってしまった。
私は雨を降らすことが、出来なくなっていた。