7話〜初の命令されてみた!〜
「施設長、早すぎます。考え直していただけないでしょうか?」
ルリが慌てて言い返す。
するとあの男性がルリに近づいて言った。
「お前、目上の人に対しての敬意を知らないのか!」
「知ってるわよ。けどここだけは譲れない!あんな危険な所に新人が行って帰ってこれるわけないのよ。第一回目だって残って帰ってこれたのは二十人の内の数人だけ。そんな中にこの子を行かせられるわけないでしょ!」
二人が何の事を言っているのかは分からなかったが、必死でルリが私の為にしている事だけは分かった。
そんな中、施設長が私に近づいてきた。
「んん。これは僕からの初めての命令だ。よく聞いてくれ。行ってきなさい。そして、必ず帰ってくること。分かったかい?」
その安らかな笑顔は言葉に表せないほど優しかった。
「はい、分かりました。施設長、必ず帰ってきますね」
「えっ!」
ルリがとてもびっくりした顔でこちらを見た。
でも私は男性を見た。
「そのかわり、私の事守って下さいね。先輩!」
私は男性に向けてそう言ってみる。
吉と出るか凶と出るか、大きな賭けだったけどこの人を見分けるきっかけになると思った。
「チッ、施設長の命令だからな。しょうがねぇ、やってやる」
彼は、「はぁ」と溜息をついてそう言った。
こんにちは深沼バルキです。
最近は気温が下がってきた為か打ってる親指がいつもより重い......
......まぁ一番の問題は睡眠不足ですね。
ここまで読んでくださりありがとうございます。