3話〜変な人につるまれてみた?〜
ドアの中に入ると目の前に、少し青みがかった黒髪と私よりも一回り大きい身長の男性が立っていた。
この出来事に私は驚いてしまった。
「え、えっと、きょ、今日からここで仕事をすることになりました、伊藤刃矢です。これからよろしくお願いします」
私は言葉と同時に頭を下げた。
彼も、同じ部屋にいるであろう人も誰も返事を返さなかった。
けどその代わりに大きな手が私の頭を覆った。
というよりは掴まれた。
「お前...、ここに何をしに来たんだ?ただ仕事をしに来たのなら帰ってくれ。ここはお前の様な奴がくる所ではない」
返事をしたいが頭が痛すぎてそれどころではなかった。
“というか何この状況???”
「それくらいにしときなよ。そろそろ施設長もくるだろうし」
一緒に付き添ってくれた女性にそう言われた男性は舌打ちをして「ああ、悪かったな」と言って掴んでいた手を離し私の頭を撫でた。
口はとても強かったのにその手には、どこかでこの手に撫でられたようなそんな優しさがあった。
やっとの思いで頭を上げ、入った時にはしっかり見れなかった研究室をまじまじと見てみる。
「どう?想像してた研究室と全く違うんじゃない?」
私はその言葉に返事も返せない程驚いていた。
部屋の壁には剣や槍などの近接武器や盾が立て掛けてあり、奥のドアの小窓からは拳銃らしきものが見えたり見えなかったり...。
けど一番目立つのは壁に埋もれているっぽい大きな機械。
リング状になっている部分だけ出ている状態になっていた。
“コスプレ屋さん?けどここ大々的に募集の張り紙貼ってあったけど...”
と頭を抱えている時、あの人がやってきた。
「皆んなあっはよー。しっかり研究してる?」
もう察した人もいるかもしれないけど、この人が私をここへ連れてきた張本人。
山口孝太郎さんだ。
こんにちは深沼バルキです。
新キャラ一人追加です。でもこのキャラ結構長い間名前が出ないです。なので気長にお待ちください。
ここまで読んでくださりありがとうございます。