アカネノソラ
茜空の向こう側。
それは、どこまでも続く果てしない空。
私は、誰かを待っている。
でも誰か分からない。
でも、なんでかここにいなきゃいけない気がするの。
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「茜〜!起きなさい!!」
「うわぁ!?」
階下から聞こえるお母さんの声に飛び起きる。
また、夢見てた…。
誰かを待ってる夢。
不思議な夢…。
最近、よく見る不思議な夢を思い出しながら。
私は、学校に行く準備をすすめていた。
「おはよう、茜。」
「おはよ。」
制服に着替えて、朝ご飯。
いつもの変わらない日常。
「ごちそうさま!」
朝練があるから、と。
いつもと同じように早めに家を出る。
陸上部に在籍してる私は、朝が早い。
でも、朝は弱い。
ダメなんだけどなぁ…。
バスと電車を乗り継ぐけど、必ず寝てるし。
とりあえず、寝るのと走るのが大好き。
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「茜、おはよう〜!」
「おはよう、理沙。」
朝練を終えて、教室に行くと。
半分以上の生徒が既に来ていた。
それに、いつも以上に騒がしい気がする。
「茜、茜!」
「なに?」
「知ってる!?転校生!!」
「え、この季節に?」
四月でもないのに。
こんな時期に珍しいね。
「珍しいよね!
なんでも、元美術部の文学系イケメンらしい!!」
「へぇ…。」
正直興味なし。
私には、部活があるし。
イケメンだろうと、なんだろうと。
私より、足が遅いやつには興味出ない。