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騎士になった少年  作者: ルネ
第二章 学生編
23/23

第二二話 初戦

レガルドが初戦を突破した。

まぁ順当だろう。発言は色々とバカっぽかったが。


『次の試合の選手は準備を始めてください』


とアナウンスが流れる


「よし、次は僕らの番だ。とりあえずは予選突破目指して頑張ろー!」

「……おー」


僕らは決意を固めて1階の待機場所に向かった



「1年2組の代表のペアですね?」


受付に行くとそう聞かれたので肯定して待機場所に入る

外からの歓声が聞こえてくる。観客席にいた時以上にすごい熱気が伝わってくるように感じる。


「緊張してない?」

「……大丈夫。エルヴィスは?」

「僕も大丈夫だよ」

「……なら大丈夫。勝てる」

「たくさん練習してきたからね。成果をアルとリンダにも見せつけてやろう」

「……うん」



そうしていると、部屋のドアが叩かれる


「準備ができました。入場口で待機してください」


と係員の人の指示が入る


「分かりました!」


僕は事前に買っておいた木剣ではない本物の剣を荷物から取り出し、入場口へと向かった



『それでは第二回戦、二組対七組の試合です!まずは選手の入場です!』


しばらくしてそのようなアナウンスが流れてくると僕たちは入場口を抜け、戦いの舞台に足を踏み入れる

歓声がすごい。熱気がすごい。ついでに国王からの視線が痛い

なんで国王こっちの試合見てるんだよ高学年の方見ろよ

壇上に上り、お互いの選手が先生に簡易結界を張ってもらう

準備は全て整った。

そしてその時が訪れる


『それでは試合、開始!』


僕たちの初戦が今、幕を開けた



相手は剣士が一人と魔法使いが一人。こちらと同じバランスの良いペアみたいだ


「エルヴィス君。行きますよ!」


優男っぽい剣士が僕に向かってくる


「……だめ。『アイスウォール』」

「アンタの相手は私だよ!『ファイアーボール』!」


複数の炎弾が氷の壁を貫き、優男の通る道を作る


「ラティア。そっちは任せたよ。こっちが終わったら援護に向かうから」

「……りょーかい」


僕はラティアと分かれて優男の相手をすることにした


「嬉しいですよエルヴィス君。君と剣を交える事ができるなんて光栄です」

「僕はそんな大層なもんじゃないんだけど……まぁいいや。行くよ!」


僕は思いっきり踏み込んで一気に距離を詰める


「はっ!」


相手は突っ込んでいく僕の腹に向かって横薙ぎの一閃を放ってくる

しかしその剣戟は遅い。遅すぎる。そんなもので僕が捉えられるはずもない

身体を捻ってそれを躱し、カウンターに一撃食らわせてやろうと剣を握る手に力を込めたその時

ドクン!と心臓が跳ねた


「ぐうっ!?」


突然のめまいと吐き気に足がもつれ、僕は地面に頭から倒れ込む

なに?どうして体が動かないんだ?どうして僕は倒れそうになっているんだ?分からない。何もわからない。

僕はただ呆然とその状況を受け入れるしかなかった


「もらいましたエルヴィス君!」


その隙を逃すまいと直ぐ様相手の二撃目の剣戟が僕に向かって襲いかかる

まずいまずいまずい。とにかく体勢を立て直せ。あれを弾き返すくらい簡単だろ

しかしどんなに身体を動かそうとしても、まるで金縛りにでもあったかのように身体が動かない

そのまま僕の結界が剣によって壊されそうになる。

だがそうなることはなかった


「……『ブリザード』」


ラティアがそう呟くのが聞こえてきた

無数の氷弾が出現したかと思うとそれらは次々と発射され、二人の相手を纏めて射止めた

彼女の魔法によって相手二人の結界が破れ、勝負が決する

『二組対七組の試合!二組の勝ち!』とアナウンスが流れた





「……エルヴィス。大丈夫?」


ラティアが僕に近づいてくる


「うん。もうだいぶ収まってきた。ごめんラティア」

「……いい。仲間はピンチに助けるから仲間」

「……そっか。じゃあラティアがピンチになった時は僕がラティアを助けるよ」

「……よろしく」

「試合中に倒れちゃう程情けない男だけどね」



転んだ時に服に着いた土を払い落としながら立ち上がる

そして心配そうなラティアの目線を受けながら一緒に舞台を降りた

あーあ、情けないったらありゃしないなぁ。あんだけ大口叩いておいて本番になったらこれか

やっぱり緊張してたのかなぁ僕



二回戦までは時間があるので控え室から出て再び観客席で試合を見ることにした

何より疲れたから座りたい。まぁ疲れたのは主に精神的にだけどとにかく座りたい

観客席に行くため、ラティアと階段を登っていると、上からアルとリンダが降りてきた


「あ!エル!お前大丈夫だったのかよ!」

「調子悪いの?風邪?」

「うーん、多分違うと思う。大丈夫だよちょっと目眩がしただけだから。そのせいでラティアには迷惑かけちゃったけどね」

「……問題ない」

「ならいいけどよ……。気をつけろよ?」

「分かってるって。もうあんなヘマしないよ」


ほんと、なんだったんだろう。貧血?


「それにしてもラティア、すごかったじゃないの!一気に二人共倒しちゃうんだもの。あれ中級魔法でしょ?」

「……必殺技。エヴァリーナさんに教えてもらった」

「う……そんな必殺技を初戦で使わせちゃうなんて……ほんとごめんなさい」


ラティアにはとにかくめちゃくちゃ申し訳無さを感じているので謝る

しかしラティアは僕の謝罪を聞くと、む~っっとふくれっ面になった

あれ?


「どうしたのラティアそんな顔して」

「……エルヴィス」

「はい」

「……いつまでペコペコしてる気?」

「へ?だって僕はあろうことか試合中に倒れちゃってラティアに迷惑かけちゃって、だから……」

「……謝ってもらうよりも感謝されたほうが嬉しい」


ラティアは僕の目を真っ直ぐ見てそう言った


「……そっか。それもそうだね。ありがとうラティア。助かった」

「……それでいい。どういたしまして」


当たり前のことだ。僕だってラティアやアルやリンダに謝られてばっかりだったらあまりいい気持ちはしないだろう。なんていうか、距離を感じてしまう

僕はそのような行為をラティアにし続けていた。試合でのヘマよりこっちの方が謝らなければいけないことなのかもしれない。

さすがにこの状況では謝らないけど。今謝ったら空気読めないにも程があるってものだ。


「お、仲直りか。よしよし、その調子でさっさと優勝しちまえ」

「当然!まぁ見てなよアル。次こそ恥ずかしいとこ見せないから」

「おう、上からしーっかり見といてやる。ほらもう前の試合終わったみたいだぞ。行って来いよ」


会場から溢れんばかりの歓声が聞こえてくる。どうやら僕らの前の試合が終わったみたいだ。

次が準決勝。その次が決勝だ

レガルド達と当たるのは恐らく決勝だろう。まずはそこまで勝ち上がろう


「それじゃあ準決勝もよろしく。ラティア」


僕はラティアの手を取り、再び会場へと向かった



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