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騎士になった少年  作者: ルネ
第二章 学生編
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第十三話 魔法学一時間目

僕達が第一闘技場に着くとディアナ先生と一緒に知らない男の先生が待っていた


「一年二組の生徒さんですね?皆もう集まってますよ。早くこっちへいらっしゃい」


その男の先生に連れられて闘技場の中に入ると彼の言うとおり、殆どのクラスメートが待機していた

なんか僕いっつも後から来てるな……



「さて、皆さん揃った様なのでこれから魔法学を始めます」


案の定僕達が最後だったようで、僕達がクラスに合流すると先生が話を始めた


「まず僕の自己紹介からですね。私は魔法学を専門にしているエドワルドと言います。この時間は担任の先生ではなく僕が教えますので皆さん、よろしくお願いします」


エドワルド先生が挨拶を終えるとパチパチと拍手が起こり、先生はぺこりとお辞儀する

エドワルド先生はメガネをかけていてなんかインテリって感じがする


「さて、早速授業を始めていきましょう。この授業は基本的に実戦形式で行います。それではまずは皆さんの属性を調べましょうか」


そう言ってエドワルド先生は皆にガラス玉の様なものを配る。ちょうど野球ボールくらいのサイズだ


「皆さん、この玉を持って意識を集中させてみて下さい。玉が光ると思います。光らない人は私に言ってください」


なるほど、魔力を流し込むとかそんな感じかな?

エドワルド先生の指示で皆次々と玉を光らせていく。

見ている感じ、赤と青と茶色の3色があるみたいだ


「アル、光った?」


「お、おう……。光ったぜ?茶色くだけどな。くそ、嫌な予感しかしねぇ……」


「そう。ちなみに私は赤く光ったわよ」


「あっ!リンダてめぇ!それもしかして!」


「ふふっ、まだ分からないじゃなーい!先生まだ何も言ってないんだから」


「いや大体分かんだろ!ばーか!あほ!ひんに……うっ!」


気づくと騒いでいたアルが吹っ飛んでいた


「アンタぶっ飛ばされたいの?」


リンダ、それを言うのは少し遅いと思うよ?

なるほど、これがアルの言ってた暴力女ってことか


「いってぇ!くそぅ……いっつも思いっきりぶん殴りやがって。あ、アルはどうだった?」


殴られてる時は結構痛そうに見えたけど、なんかピンピンしてるなこいつ。殴られ慣れしてるのか?


「う、うん。今からやる」


僕も先生の言っていたとおり、ガラス玉に意識を集中させてみる

しかしガラス玉は全く反応を示さない



「あれ?光んないな。もう1回やってみよ。ふぬぬ~~!」


もう1度意識を集中させてみるが、やはり何も起こらない


「ぶっ壊れてんじゃねぇのそれ?先生に言ってこいよ」


「うん……。そうしてみる」


そのガラス玉を持って先生の元へ向かう


「先生、これ光んないです」


「あれ、本当ですか。じゃあ別の玉でもう1度試してみてください」


そう言って先生は新しい玉を渡してくる


「はーい。」


その場で再び意識を集中させる。三度目の正直!

だがしかし、やはり玉にはなんの変化もなかった


「うーん、何でしょう。ちょっと失礼しますね」


先生は僕の胸に手を当てる

すると先生の手がぼんやりと光り始める

しかし、先生は難しい顔をしたままだ

しばらくすると、先生は僕の胸から手を離すと僕を見て


「エルヴィス君……ですよね?えーっとですね……。残念ながら君の体内には魔力が全く無いみたいです」


と、そう僕に告げたのだった



「え?全くって全くですか?」


「はい。全くです。0です。こんな事例を見るのは初めてなので原因は分かりませんが……とにかく0です」


な、なんだってー!?

僕の夢はどこへいったの!?

僕ががっくりと肩を落としているとそれを見かねた先生がポン、と僕の肩を叩き


「まぁ、なんというかそんなに気を落とさないでください。君は騎士団長の息子さんだと聞きました。模擬戦の練習なら付き合えますから。剣の方を頑張りましょう?」


と、慰めの言葉をかけてくれた


「分かりました……」


魔法はとても、すごく、めちゃくちゃ使いたかったが先生が出来ないと言うのなら出来ないのだろう

僕はとぼとぼとアル達の元へと戻った



「お、エル!どうだった?」


戻るとアルがすぐに結果を聞いてくる


「……ダメだった」


「は?ダメってなんだよ?」


「だからダメだったんだってば。僕に魔力はこれっぽっちもないんだって」


「……なに言ってんだお前?人間ってのは皆多かれ少なかれ魔力を持ってるもんだぜ?」


「知ってるよ!もう!無いもんはないんだからしょうがないでしょ!」


「えー、でもよぉ……」


「アル、もうやめてあげなさいよ……。エルヴィス君のメンタルをどこまで傷つける気?」


そうだよ!僕のメンタルはもうボロボロだよ!


「えっ、あっ!すまん!こんなこと初めて聞いたからさ!」


「そんな初めてになりたくはなかったよ……」


はぁ、と僕は再びため息をつくのだった



「はい!それでは玉が茶色に光った人はディアナ先生の所、赤か青に光った人は僕のところへ集まってください!」


もう皆属性の判定を終えたようで、先生が新たな指示を出す


「先生、二つの属性を教えられるんですか?」


誰かがそう先生に質問する

基本的に一人が扱える属性は一つだけだ。基本的には。


「はい。僕はデュエッタですから」


デュエッタというのは二属性を扱うことの出来る人の事だ

5000万人に1人いるかいないかくらいの確率でしか存在しないらしい

おぉ~、と生徒から歓声が上がる


「別に僕がなにかした訳じゃなくてただ運が良かっただけですからね。誇れるようなものでもありませんよ。それよりもほら、早く分かれてください」


「は~い」


クラスの皆は次々と二人の周りに集まっていく


「あのー、先生。僕は……?」


「エルヴィス君は、そうですね……。今日はとりあえず見学でお願いします。次までに何か考えてきますね。あ、あそこの倉庫に木剣が入っているので素振りでもしていてもいいですよ」


「はい……」


皆が魔法の勉強してる間、僕はひとり寂しく素振りかぁ……。


僕が倉庫から木剣を取り出し、素振りを始めるのと同じ頃、皆の魔法の授業が始まった




***

「はーい皆さん露骨にがっかりした顔しないで下さいね~。地属性魔法だってちゃんと使えば強いんですからね!」


「はぁ……」


(アル)は肩を再び落としながらディアナ先生の話を聞く

強調するってことはやっぱり世間一般の評価もダサいとか地味だとかそういうのなんだろ?どうせそうなんだろ?


「ほら、アルベルト君も顔上げて!初級魔法から教えていきますからね!」


先生が励ましてくれるが全くやる気がわかない

はぁ……先生のボンキュッボンでも眺めて元気だすか

顔をあげて先生の方を見ると魔法を発動させようとしている所だった


「行きますよ~。よーく見ててくださいね?では!『土壁』!」


先生がその魔法の名前を叫ぶと地面が隆起し、先生の身がちょうど隠れるほどのサイズの土の壁が生み出される

「これが地属性の初級魔法の一つです。魔法は魔力と詠唱によって発動するので皆さんもやってみてください!」


先生は俺たちにそう指示する


(ダ、ダセェ……)


何?壁を作るだけ?エドワルド先生の方は火の玉とか水の玉とか出してんのに?

土の玉とかねぇの?いや確かにそれただの泥団子だけどさ!

他の奴らもディアナ先生の魔法を見て渋い顔をしている奴が多い


「どうしたんですか皆微妙な顔なんかしちゃって」


「なんつーか……。思ってた以上にダサくて」


「むっ!確かに初級魔法はちょっとアレかもしれないですけど上級以上の魔法が使えるようになればそれはもう派手なんですからね!」


先生がプンプンと怒り始めた。やっぱり自分の属性を馬鹿にされるってのはいい気がしねぇもんなのか?


「つってもよぉ。あっちはもう攻撃魔法練習してんのにこっちは壁作るだけって……」


「あーもー!地属性魔法の初級魔法は全部防御魔法なんですよ!わっかりましたよ、そんなに言うなら地属性魔法が地味じゃないとこ見せてあげますよ!もう絶対地味だのダサいだの言わせませんからね!エルヴィス君!ちょっと来なさい!」


……ん?なんでエルの奴が呼ばれるんだ?


「なんですか先生?」


素振りをしていたエルがとことことこっちに近づいてくる


「今からこの子達に魔法を見せるために模擬戦をします!相手をしなさい!」


「………はい?」


エルがポカンとした顔になった。

俺らも状況が読み込めていない

どうしてこうなった?

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