第十話 入学
「私はこの学校の校長をしているマリルと言います。皆さん、まずは入学おめでとうございます」
壇上に上がったおばさん、校長先生らしい
その後は校長のいわゆる偉い人の話を15分ほど聞かされた
ねむ……
うとうとしていると、司会の先生の「気をつけ!」という声でビクッと目が覚めた
校長の話が終わったようだ
「続いて生徒会長、5年5組のガネット君のお話です。それではガネット君よろしくお願いします」
司会の進行とともに校長から壇上から降り、代わりに一人の男子生徒が壇上に上がった
うわー、めっちゃイケメンだよ。さぞかしモテるんだろーな。近寄りたくねー
「ご紹介にあずかりました。生徒会長をやらせていただいているガネットと言います。皆さん、この学校ではたくさんのことが学べます。学問に励んでもよし、剣を極めるもよし、魔法を学ぶもよし、です。
自分のやりたい事をめいいっぱいやってこの学校での六年間を過ごしてください。僕達生徒会はそれを全力で応援します。
最後になりましたが、入学おめでとうございます。」
そう言うと、生徒会長はぺこりと頭を下げて壇を降りる
パチパチパチと講堂内に拍手が響き渡る。
僕も周りに合わせて拍手しておいた
その後も何人かの偉い人のお話があったが、適当に聞き流していると、そのまま入学式が終わった
やっぱりどの世界でもこういう式はつまらないもんだな
「はい、じゃあ2組のみんなは私について来てくださーい!」
式が終わるとさっきの緑の服の先生が立ち上がり、生徒の誘導を始める
僕達は言われた通りその先生の後ろをぞろぞろとついていく
連れてこられた先は3つある校舎のうちの一つだった。
ここが1、2年の校舎かな
うおー、めちゃくちゃ校舎のなか綺麗だな
さすが王都の学校。ふんだんにお金を使っていらっしゃる
僕達はそのままひとつの部屋に連れていかれる
部屋の入口には『1年2組』と書かれたプレートが貼ってあった
ここが僕がこの1年通う事になる教室らしい
「それじゃあ名前順に座ってくださーい、って言っても名前知らないですよね。えっと、じゃあ順番に呼んでくからその順番に座っていって下さい!」
だいぶあたふたしてるなこの人。新任の先生なんだろうか
僕は名前順で2番目だった
1番はアルベルトという男の子だ
席につくと目の前に座っていたそいつが話しかけてきた
「なぁ、お前エルヴィスってんだっけ?俺はアルベルト!アルでいいぜ。席近いんだし仲良くしようぜ!」
「じゃあお言葉に甘えて、よろしくアル」
「よーし、じゃあお前はエルな。そう呼んでいいか?」
「別にいいけどアルとエルって似てない?紛らわしそうじゃないかな」
「大丈夫たいじょーぶ。はい、お前、エル。決定!」
なかなか強引なやつだ。まぁいいけど
「で、早速だがエル、あれどう思うよ?」
「あれ?」
アルが指さした方を見ると生徒の名前を呼び続けている先生の姿があった
「どうって何だよ?」
「あのボンキュッボンをどう思うか聞いてんだよ。お前あれ見てなんも思わねぇのか?俺は来たぜ、あの体に惚れちまったぜ」
こいつただのマセガキじゃん!
「お前なぁ……。先生にそんな目向けるもんじゃないよ?そういうのを禁断の恋って言うの」
「じゃあエルはあの体になんも感じねぇのか?男だろ?」
「残念。僕はもっとスレンダーなのが好きだ」
僕は死ぬ前からずっと貧乳派だ。生まれ変わってもそれは揺るがないぞ!
「なっ!エルお前邪教徒だったのか!」
アルが絶望した表情で僕を見る
「だーれが邪教徒だよ誰が。僕から見れば邪教徒はアルだよ。あんな脂肪の塊のどこがいいの?」
「……お前、本当に男か?ちゃんとつくもんついてるか?」
「ついとるわっ!」
「はいそこーうるさいですよー!」
「へ?うわっ!すいません!」
いつの間にか全員着席し終わっていた。
「初日から交友関係を広げるのは良いことですが周りには気を配ってくださいね」
「すいませんでした」
「ごめんなさい」
僕達は素直に謝罪する
「はい。それでは改めてホームルームを始めましょうか」
僕は椅子に座り直して前を向く
アルも同じように姿勢を正した。メリハリがつけられるヤツみたいだ。変態のくせに
「それではまずは私が自己紹介しますね。私の名前はディアナ。この1年2組の担任になりました。まだ教師になったばっかりで色々皆に迷惑かけちゃうかもしれないけどよろしくお願いします!」
パチパチと拍手が起き、ディアナ先生はぺこりと頭を下げて先生の自己紹介が終わった。
「はい、それじゃあ次は皆さんの番です。アルベルト君から順番にどうぞ」
「はーい!俺はアルベルトだ!よろしく!終わり!」
簡潔だなおい
「じゃあ次の人ー」
僕の番だ。僕も簡潔に済ますか
「えーと、エルヴィス=スフォルテスです。よろしくお願いします」
そう言うと、教室内がざわつき始めた
何だよ?
「え、エル?スフォルテスってお前、もしかして、もしかしてだけど騎士団長様の家の子なのか?」
「ん?そうだけど?」
「「「「えええええぇぇぇぇぇ~~~!?」」」」
教室内に子供たちの驚きの声が響き渡った
ディアナ先生が「静かにしてください~!」となんとか場を落ち着かせ、自己紹介が再開された。
そして最後まで自己紹介が終わるとわっとクラスのみんなが僕の周りに集まってきた
「騎士団長様って家ではどんな感じなの?」
「やっぱり団長様ってかっこいい?そうだよね?」
「騎士団長の息子ってことはやっぱお前も強いの?」
質問攻めにあった。
質問をしてくる奴らの中にはアルもいた
お前もかよ!
これ全部相手にするのは面倒にも程がある
「うーん、とりあえず父さんは家ではガサツなダメ親父だ!それじゃ!」
そう言い残すと僕は集まってきている子供達の隙間をかいくぐり、逃げ出した
このくらい、スフォルテス流を習得している僕にとっては壁にもならないね!
急いで廊下に出て、逃げ出した
先生の「あっ、ちょっ!まだホームルーム終わってないのに……」と聞こえてきた気がしたが、気のせいだろう
「教室飛び出して来たはいいけど行くとこないな……。」
来たばかりの僕の頭の中に校舎内の地図が入っているわけもなく、ひたすらに校舎内をぶらぶらとさまよい歩く。
今教室に戻っても恐らくさっきの二の舞だろう。
今頃あの先生がちゃんと怒るか普通に接しろと言い聞かせるかしていることを願おう
それにしてもほんとにどうしよう。
前庭みたいな所があるし、昼寝でもしてようかな。
僕は校舎を出て前庭に広がる草むらに寝転ぶ
暖かい陽射しと爽やかなそよ風に眠気が湧き上がってくる
その眠気に逆らうことなく僕は昼寝をした
「君、いい加減起きたら?」
そのような声がかけられ、体を揺さぶられる
「ん……?なに?」
僕は寝ぼけ眼を擦りながら起き上がる
すると目の前にいたのは生徒会長さんだった。
早速ですが毎週土曜日と言っていた更新を不定期更新に変更しようと思います()
ただし1週間に1回は必ず投稿するようにするつもりなのでエタることはないと思います
これからもよろしくお願いしますm(_ _)m




