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6話

『セイ、神託を告げます』

 おっと、約一ヶ月ぶりの神託だ。

(何でしょうか、ティア様)

『北の帝国ラムレイザーまで行って、ワイバーン五匹とサーペント一匹を狩ってきて下さい。国の対処が遅すぎます。場所はコールと言う港町です』

(分かりました、直ぐに向かいます)

『いえ、二時間後くらいにまた襲撃がある筈なのでそれに合わせて向かって下さい』

(承知しました)

 三〇分前くらいにエメに運んでもらうか。

 懐中時計を見ると午前十一時半だった。

『ラムレイザーは人族が最も多いこのホーリバス大陸の最北端にある帝国です。最近、皇帝が代替わりしてから治政が満足に出来てません。嘆かわしい事です』

 ははあ。帝国も色々あるんだな。

『竜の住処であるベックファン大陸に最も近いのがラムレイザー帝国なのですが、精強で知られた騎士団も今では烏合の衆です』

(何とも言い難いですね、それは)

『そう言えば、その辺りを説明した事はありませんでしたね』


 ティア様曰くホーリバス大陸の東にあるグリンク大陸は獣人が多いらしい。二つの大陸は地続きなのだけれども、間に険しい山脈があってそちらからの交流は殆どないそうだ。

 だから交流はもっぱら港が中心らしい。港町に行くのは初めてなので楽しみだ

 ソルラン共和国も南端に港があったがドロウルの送り迎えしかしてない為、そのあたりはよく見ていなかった。

 更に、エルフ等の妖精族が住んでいるのはホーリバス大陸から北西にあるジュモール大陸との事だ。

 こちらはホーリバス大陸からは離れているらしい。ベックファン大陸からも結構遠いらしい。あとほぼ鎖国状態らしい。と。

 なんて話してたらそろそろいい時間になってきたのでベックファン大陸へとワープポータルで転移した。




 エメの背中に乗って、港町コールが見えるか見えないかの所で降ろしてもらった。

ワイバーンの警戒はしている筈だし、あまり近くを飛んで緊張させることもあるまい。

 そのまま歩いて港町コールにたどり着いた。

「ようこそコールの街へ。何か身分を証明できる物はお持ちですか?」

「これでお願いします」

 言いながらアイテムボックスから転移させた身分証代わりのギルドカードを差し出した。途端、姿勢を整えて頭を下げる。

「これは使徒様! この港町コールへお越しいただき感謝の極みでございます」

「そんなに畏まらずとも良いのでは?」

「そんな、恐れ多い! この街に来たと言うことはワイバーンやサーペントを退治しに来てくださったのでしょう? どうか、よろしくお願いします」

「「「お願いします」」」

 他の門衛さんたちまで深々と頭を下げる。

「お任せ下さい。必ず仕留めて見せます」

 こういう、ストレートな頼み方をされると断れない。日本人のさがだろうか。いや、元々そのつもりで来たんだけども。

 


 コールの港町は人種の坩堝るつぼだった。あちこちで見られる多種多様な獣耳。肌の浅黒い人種に妖精までいた。

 エルフやドワーフは見当たらなかったがこれでも充分に凄い。

 さて、そろそろ来るころか?

「サーペントが来たぞ!」

「ワイバーンもだ五匹全部いやがる!」

 サーペントの方が近いな。先に始末しよう。

「コア」

 鎧を軽くたたいてコアに出てきてもらう。

「射程内に入ったら撃ち落として下さい」

「きゅー!」

 任せろ! と言わんばかりだ。

「さて、それでは行きますかね」

「ダイブブレス、フロームーブ」

 魔法を唱えて海に飛び込む、と。

「ぐわぁぁ、冷てぇぇ~」

 春先の海は正しく極寒。そのことを忘れていた俺は素の口調になってしまった。

「ええい、さっさと終わらせるか!」

 流れる様に海を移動し、目的のサーペントまで肉薄していく。

 サーペントは気付かずとぐろを巻いている。好機とみて、海面に顔を出しているサーペントに向かって海面から飛び出し、横からそのぶっとい首を落としにかかる。

「大・断・円!」

 振り上げた斧を真っ直ぐ振り下ろし、初めに斧を振りかぶった高さまで斧を振るう。大きな円を描く斧の軌跡に追随して俺の魔力と気を練り上げだオーラの刃が綺麗に円を描く。

 斧の斬撃と共に繰り出されるオーラの刃がサーペントの首を落とす。

 一泊おいて、サーペントの身体が光の粒子になって崩れる。俺は慌てて再度海へ潜る。ドロップアイテムの為だ。幸い海中に沈む前に回収できた。牙が二本と肉が一包み。

 即座に港へと戻る。岸から上がった俺は炎の祝福で、服を乾かす程度の温度を全身から発する。ようやく温まった、体温も元に戻っている。

 コアのところまで戻ってきたら、丁度一匹目を落とした所だった。俺もやるか。

「レイブラスター」

 横薙ぎに発射して二匹まとめて仕留める。それを見たコアも横薙ぎにして最後の二匹を片づけた。

 ワイバーンが落ちた所を巡ってドロップアイテムを集める。

 町に戻ると大賑わいだった。戻ってきた俺に、やれ勇者だの、やれ英雄だのといろんな人がハグや握手を求めてくる。

「皆さん、私を遣わしたのは戦女神ユスティア様です。ユスティア様に感謝の意をお伝えください」

 そう言ってそそくさと町の入り口脇にポータルを設置して帰った。

 ◆

御手洗 清 (セイ)

年齢16 男 LV89 種族:人間

称号:忘れん坊 迷子 魔獣殺し 戦女神の寵児 戦女神の信徒 冒険神の信徒 三人目 雷龍 ドロウルの師匠

特殊:記憶喪失 適応補正 清めの手水 戦神の加護 冒険神の加護 炎の祝福

魔眼:麻痺LV7 看破LV9 選別LV6 暗視LV6(神)

神器;ユスティアックス、ユスティアーマー、公翼の盾、清女の腕輪

スキル

攻撃補正LV42 被ダメージ軽減LV18 回避補正LV35 欠損再生LV1 盾殴りLV33 戦場闊歩LV40 第六感LV21 操練魔闘法LV28(神)気功波LV10 高速思考LV6

魔法適正

・水属性(高)・光属性(高)・雷属性(中)・無属性(激高)・影属性(高)・土属性(神)・火属性(中)・神聖魔法(神)

使い魔:コアトル、エメラルド

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