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3話

読んでくれてる人いるんだろうか、この駄文・・・・・・

 転移先は50階層入口、階段の前まで転移した俺は周りを見渡した。

 以前来た時には大広間が広がっていた50階層は今は石造りの通路に変わっていた。ドラゴニュートとの一戦以来だが、ここまで様変わりすると面食らってしまう。

 前回の戦いを思い出す・・・・・・ 

俺の体は大量の魔力を取り込み気へと変換している。フィジカルが強いのも生命エネルギーが多いのも迷い人の特徴だ。

 この世界の普通の人間は時間をかけて魔力を取り込み、生体エネルギーである気へと変換している。

 俺は逆に短時間でも大量の魔力を取り込み気の量も莫大だ。だが、その莫大な量の気も、魔力も、未だに完全には使いこなしていない。

 人の体内のエネルギー量は魔力≦気の図式が望ましい。魔力はそのままだと人の体に取り込むにはは負荷が多い。その負荷に耐えるには等量以上の気が必要になってくる。

 その点、俺は迷い人としての恩恵により負荷にも耐性がある。らしい。

 ティア様曰く世界と世界の間を越えたことで、身体が変質しているらしい。

 そんな中、過去、迷い人の先輩は迷宮の攻略を断念したという52階層までしか進めなかったと言うのだ。アドバンテージは幾らでもあったはずなのに、だ。

 言ってみれば気は身体強化、魔力は格ゲーで言うスーパーアーマーみたいなもんなのに。

 文字通り『気』を引き締めていかなければならない。

 50階層を暫く歩いているとやがて最初の敵に出くわした。それは三匹のゴブリン。若干と言うかかなり拍子抜けだ。

 然しその思い上りは一瞬で霧散した。目の前のゴブリン達が接敵の瞬間に行ったこと、それは魔練気の発動だった。

 三匹とも剣と盾を装備し、油断なくこちらを見ている。前に二匹、後ろに一匹。三角を描くような陣形で、仕掛ける機会を窺っているのが分かる。

 それぞれ、前の二匹が練気功。後ろの一匹が魔練功を使っている。

 対してこちらは操練魔闘法。いわば練気功と魔練功を同時に行っている状態だ。ひけは取らない。それにしても前二匹の練気功のレベルが高い。それぞれLV9とLV10だ。歴戦の勇士の様な雰囲気を醸し出してる。

 先手はこちらがいただこう。大量の練り上げた魔力によるゴリ押しだ。

「アイスマシンガン!」

 幾つもの氷の弾丸がゴブリン達に襲い掛かる。

「ぎぎぃっ」

 後方のゴブリンが叫びをあげると前衛のゴブリン達の前に一瞬で氷の盾が出来上がった。しかし、ゴリ押しは伊達じゃない。込められた魔力量の差にあっけなく砕け散る氷の盾。

 アイスマシンガンはゴブリンの前衛のうち一匹を仕留め、もう一匹は盾を粉砕した。

 「インパルス!」

 衝撃波で後衛の一匹の行動を封じる。同時に襲い掛かってくる前衛の生き残り。練気功で強化した動きは素早い。更に魔練功で強化した剣を叩き付けてくる。

 剣の一撃を盾で防ぎつつ押し込み、バランスの崩れた所で女神斧を一閃。首を刎ねた。

「ホワイトライトニング!」

 倒れたあと起き上がろうとしている後衛のゴブリンに止めを刺した。

 それにしても驚いた。レベル50代のゴブリンが、しかも魔練功まで使うのだ。ドッロップアイテムはでかい魔石だった。これ一つで金貨10枚超えるんじゃないだろうか?

 見返りは大きいが、魔練気に熟練しているとは油断ならない。今の所は気と魔力の量にまかせた力押しで何とかなっているが、今後は俺も修行の必要があるかもしれない。

 ともかく、一度宿に戻って落ち着こう。こうなってくると油断何て出来ない。気構えが大事だ。

 ◆

「ふいー」

 気分転換もかねて風呂に入った。ここの風呂は早朝こそ清掃中で入れないが、それ以外の時間帯であれば何時でも入れる。

 それにしても、50階層のゴブリンには驚いたな。元々魔物のゴブリンだ、身体に対する魔力の負荷も軽いのだろう。少し戦っただけで、全力で魔力を練り上げているのが分かった。

 反面、気の練り上げは量も質もさほどでは無かった。それでも、Bランクの冒険者相当の技術はあった。魔力の練り上げは質も量もAランクの冒険者と比べても遜色無い、高レベルのものだった。

 気の下地と上乗せの魔力。魔物であるゴブリンは下地よりも上乗せした魔力の方が多くとも、身体に対する負荷は無いように見受けられた。それも気と魔力をごちゃまぜにして、だ。

 操練魔闘法は、体内に気、体外に魔力と分けて練り上げる。合一ごういつさせて練り上げるのは奥義的な扱いだ。

 迷い人の俺ならいざ知らず、常人がやると体への負担が大きい。そう何度も使えない程度には体に負荷が掛かる。

 一先ず、50階層で暫く留まっていよう。四、五日50階層で試して、大丈夫そうなら1階層下に降りる。これを繰り返して、戦闘が厳しくなったらそこで止まる。

 この方針で行こう。昨日、新たに加護を強化してもらっているから、もしかしたら難無く行けるかもしれないし。

 惜しむらくはどれだけ強くともゴブリンはゴブリン。ギルドの常時依頼でも報酬が最低値の一匹につき銅貨3枚という安さ。

 まあそれも、あのドでかい魔石の買い取り額でリスクとの釣り合いはとれるだろう。まだギルドには持って行って無いが、相当な値がつくだろう。

 なにせ、ラグビーボールくらいの大きさだったからな。本当に金貨10枚以上の値がついてもおかしくない。

 魔石は魔力の結晶体らしいが、純度なんかもあって大きくて高純度の魔石は少ないらしい。鉱山みたいに採掘できる魔石だと、純度の低いものばかりだそうだ。

 風呂に入りながらティア様に教えてもらった事だが、あの魔石は高純度で大きいから金貨15枚は下らないだろうとの見立てだ。今日はもう外に出る気は無いが、明日の楽しみにとっておこう。

『セイ、あの魔石は売りに行かないのですか?』

(明日の楽しみにとっておきます。今日はもう動きません)

『では、今日は操練魔闘法の合一法の訓練をしましょうか』

(はい、よろしくご指導ください)

 寝る迄のスケジュールが埋まった。有り難い事に、神様直々の訓練だ。真剣に取り組もう。自室で出来る本格トレーニングに精を出そう。汗をかいたらまた風呂に入ればいい。

新しく授かった炎の祝福についても訊きたかったし、丁度いい。

 ◆

御手洗 清 (セイ)

年齢16 男 LV55

称号:忘れん坊 迷子 魔獣殺し 戦女神の寵児 戦女神の信徒 冒険神の信徒

特殊:記憶喪失 適応補正 清めの手水 戦神の加護 冒険神の加護 炎の祝福

魔眼:麻痺LV4 看破LV5 選別LV3 暗視LV4(神)

スキル

攻撃補正LV23 被ダメージ軽減LV13 回避補正LV19 欠損再生LV1 盾殴りLV14 戦場闊歩LV20 第六感LV7 操練魔闘法LV14(神)

魔法適正

・水属性(高)・光属性(高)・雷属性(中)・無属性(激高)・影属性(高)

使い魔:コアトル

 ◆


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