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『博士猿盗まれました』

注)会話文のみで書いてます。推理要素もありますが基本くだらないものと思ってください。

「ちょっとマーチン君」

「あ、ドルトン博士。どうしたんですか」

「冷蔵庫にあったわしの朝食知らない?」

「ドックフードですか」

「似てるけどあれドックフードじゃないからね」

「知りませんね。私を疑ってるんですか」

「疑ってないと言えば嘘になるよね。わし食べた記憶ないしと思ってね」

「痴呆症にお悩みのようで」

「あ、言い方間違えたのかな。わし絶対に食べてないから。あれ自体に足が生えて逃げるわけもないし。残る可能性としては」

「飛んだんですかね」

「ありえないよね。マーチン君、一応だけどさっきの比喩表現だから」

「冗談ですよ」

「まあいいや。ところで君散歩にでも行かないか」

「急にまたなぜです?」

「気晴らしだよ気晴らし」

「気が進みませんね。暑いですし」

「暑い中歩くのは嫌かね」

「それもありますけど暑苦しい博士と、って意味もあります」

「君ちょいちょい爆弾放り込んでくるよね」

「じゃあ行きましょうか」

「それ言われてわし気晴らしになると思ってるの?」

「行きましょう」




「見てください博士。動物園の割引券が2枚落ちてます」

「落ちてるね」

「せっかくなんで行ってみますか」

「そうだね行ってみようかね。何かの研究材料になるかもしれないからね」

「なりませんよ?」

「知ってるよ。いや君こういうときは無理やりこじつけるもんなんだよ」

「勉強になります」



「博士来てください。猿の所に人だかりができてますよ」

「人気なんだろうね」

「どうやら1匹盗まれたらしいです猿が」

「え、猿盗んでどうするの」

「知りませんよ。猿に聞いてください。あ、間違えました。盗んだ本人に聞いてください」

「君、猿猿うるさいよ」

「とにかく調べてみましょう」




「猿がいないことに気づいたのは今朝とのこと。聞くところによると怪しいのが数人いるみたいです」

「部外者の可能性は?」

「セキュリティーの関係上考えられませんね」

「ふむ。それで?」

「容疑者は、佐久さん、それから真鍋さんに篠田さん以上3名。すべて猿担当のスタッフとのことです」

「詳しく頼むよ」

「はい。園長の永作さんによりますと昨夜佐久さんは猿を柵から今の柵に移す作業をしており、その時佐久さんは」

「マーチン君」

「時間を割くのが面倒だと言って」

「マーチン君! 『さく』が多すぎて話が入ってこないんだよ。もっとサクサク聞けるように工夫を……」

「言い直しますね。園長のNさんによりますと昨夜SさんはSを柵から別の柵に」

「話聞いてた?」

「聞いてます」

「じゃあ続けて」



「なるほど。まとめると佐久さんは閉園後の夜11時から深夜2時まで猿を移動させて、その後帰宅した」

「はい」

「で佐久さんは時間短縮のため真鍋さんに手伝いを乞うたと。でその時篠田さんは」

「家に居たみたいですね」

「おかしいよね。容疑者になんで篠田さんあがってるの」

「一応猿担当ですし。あ、檻の合鍵も所持しているそうですよ」

「ということはどの時間帯でも檻を開けることは可能、か。」

「無理ですね」

「あっさり否定してくるね。合鍵持ってること強調してきたの君だよ? 何か根拠あるんだろうね」

「はい。篠田さんは昨日の晩から一歩も外出していないそうです。奥さんからの裏付けもありますので」

「それを早く言いたまえ。残すは佐久さんと真鍋さんか」

「真鍋さんにも犯行不可能ですよ」

「君、情報小出しにするのやめてくれない? そもそも容疑者に挙げないでくれるかな」

「真鍋さん猿アレルギーだそうです」

「え、猿担当の癖に?」

「猿担当の癖に」

「じゃあ怪しいの佐久さんだけだよね」

「そうなりましたね」




「駄目でしたね。佐久さんにもやっていない証拠があったとは」

「うん。となると残す可能性としては」

「飛んだんですかね」

「君飛ばすの好きだね」






「結局園長白状しましたね。博士お手柄でした」

「マーチン君もそろそろ白状したらどうかね」

「何がです?」

「わしの朝食の件だよ」

「ドルトン博士。すみませんでした」

「君にしては素直だね。良いんだよ、別に怒ってなんかいやしないさ。おいしかったかな? でも次は食べる前にわしに確認してからにするんだよ」

「人間が食べれないものかと思って捨てちゃいました」

「捨てちゃった! あれドックフードじゃないからね?」

「次は確認してから捨てますね」

「承認しないけどね。まあいいや。それではマーチン君お疲れ様」

「はい。ご苦労さまでした」



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