表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/10

七色2

2013年7月に書いたものです。

 久しぶり! 初めての人はいないと思うけど、一応自己紹介するね。ボク、七色鉛筆。持ち主は高校生だよ。あの子が小三の時から使われてるよ。……お願い、使われてないからまだ筆箱にいるんだろう、なんて言わないで……。

 ねえ、ボクが三月にした予想を覚えてる人いる? 鉛筆の一番短いのが六月か七月には卒業する、って予想なんだけど。あれ、当たったよ。ついさっき一番短いのがいなくなったよ。今まで真ん中だったのが新しく一番短いのになってめちゃくちゃ喜んでるよ……。あ、新しい鉛筆が筆箱に入ってきたよ。今まで一番長かった鉛筆が後輩ができて喜んでるよ。

 いいなあ、先輩後輩の関係。ボクはずっと一本なんだ……。赤色とか青色ボールペンも筆箱の中だと一本なことが多いけど、一緒に筆箱に入れられてないだけで先輩後輩がいるんだよね。持ち主にとって初めての七色鉛筆がボクだから先輩の存在は望まないけど、後輩は欲しいんだよね。……わかってるよ、もう無理なんだってことくらい。高校生の持ち主が七色鉛筆なんて買わないのはわかってる。ボクがまだお店の売り場にいた頃、ボクの仲間たちを手にとって買ってくのは、ほとんどが小学生でごくまれに中学生、って感じで、高校生は懐かしそうに見るだけだったから。あーあ、持ち主が小学生のうちにもっとボクを使ってくれて、もっとボクが短くなってたらなあ。もしかしたらあの子は二本目を――ボクの後輩を買ってたかもしれないのに。

 ……ふう、ちょっと気分が良くなったよ。ありがとう、ボクの愚痴を聞いてくれて。ね、また聞いてくれるかな。ボクも聞くからさ。

 それじゃ、バイバイ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ