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鉛筆2

 よう! 久しぶりだな! 元気だったか? 俺だ、鉛筆だ。

 さて、すでに気付いてるやつもいると思うが、俺は去年に比べると今はとても機嫌がいい。今日は愚痴を聞いてもらおうってわけじゃないんだ。自慢話を聞いてほしいと言った方がいいだろう。何で機嫌がいいかって? ちょっと考えてみてくれ。俺が鉛筆で、持ち主が高校生でさらに受験生だということを。え? わからない? ああそうか、受験にはいろいろあるもんな。奴は――俺の持ち主は、大学入試センター試験を受けるつもりなんだ。もうわかっただろ? そう、センターと言えばつまり、マーク式。マーク式といえば推奨される物は鉛筆! つまり俺! 俺は、奴の人生をかけた戦いの手伝いができるんだ。それだけじゃない。何度も模試があることとか、入試に向けて奴が勉強を頑張っていることを考えると、俺たち鉛筆が使われる機会が増えたんだ。そのことに俺は今年の五月になってから気付いた。気付いた時、俺は“ただの鉛筆”から“受験生の鉛筆”になった。きっと奴が、自分が受験生だという自覚をもったから気付けたんだと思う。

 間違いなく先輩は大学には行かないな。俺は微妙だ。でも、これだけはわかる。来年、持ち主が喜んでる時、俺はすごく短くなってる。

 今日は聞いてくれてありがとな。機会があったらまたよろしくな。

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