七色1
2013年3月に書いたものです。
やあ、久しぶり。あ、はじめましての人もいるのかな? ボク、七色鉛筆。
三月だね。日本人にとっては卒業の季節だよね。ボクの持ち主が通ってる高校でも卒業式があったよ。ボクの仲間も卒業したよ。青色ボールペンが役目を終えて筆箱からいなくなったんだ。うらやましいよ。お? 新しいのが入ってきたよ。前のより細身だね。
ボクたち文房具にとっては一年中卒業の季節だから、ボクは一年中何かに対して、うらやましいなって思ってるんだ。きっと六月か七月には鉛筆の一番短いのが卒業するだろうね。ボク、いつになったら卒業できるのかな。持ち主に筆箱に入れられっぱなしでほとんど使われないからなかなか卒業できないんだよね。筆箱や仲間たちや持ち主のことは好きだから一緒にいるのも悪くないんだけど……やっぱり、ちゃんと使われて卒業したいよ。たとえ卒業後に行くところがごみ箱であっても。
今日はボクの愚痴を聞いてくれてありがとう。クリスマスに鉛筆が「愚痴ったらいくらか気分が良くなった」って言ってたからボクも愚痴ってみようかなって思ったんだ。もしかしたらまた愚痴ることがあるかもしれないからその時はまた聞いてくれると嬉しいな。
じゃあ、またね!