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鉛筆1

2012のクリスマスの頃に書いたものです。

 よう、俺のことは覚えているか? HBの鉛筆だ。

 今日は可哀想な仲間が増えたんだ。あいつは七色くらい出番が無いだろうな。え? 何が仲間になったかだって? 色ペンだよ。薄い黄色のな。

 黄色ペンは、クリスマスプレゼントとしてやって来た。俺は、教室で持ち主が友達からプレゼントを受け取った時、筆箱の外にいて、持ち主を見ていた。持ち主はとても嬉しそうにお礼を言うと、自分からも、とプレゼントを渡した。奴のプレゼントは大抵はお菓子の詰め合わせだ。前日に近所のスーパーに行って、お菓子をいくつも買ってきて、それを絵柄のついた袋に二つずつくらい入れる。まったく、たまには文房具でも贈れってんだ。

 持ち主は家に帰ると、プレゼントの中身を確認した。その時、俺は筆箱の中にいたから持ち主の様子は見ていない。でもプレゼントが筆箱に入れられた時、想像できた。奴はちょっとがっかりしただろうな。え? 何故かって? 黄色は見づらいからだよ。黒板に黄色のチョークで書けばよく見える。でも、ノートに黄色のペンで書いたら? しかも薄い色のペンで。持ち主は、先生が黄色で黒板に字を書いたなら、ノートには青で書く。黄色は使わない。

 黄色ペンは今、自分は使われないらしいとわかって、しょぼんとしている。そんな黄色ペンを七色が慰めている。

「こんなボクでも使われることがあるんだから、大丈夫だよ。筆箱に入れられたのがその証拠だよ」

「うん……」

 まあ、じきにこいつは元気になるだろう。そしてそのうちに持ち主を気に入るだろうよ。持ち主は何だかんだで持ち物を大切にするからな。



 今日は俺の愚痴っぽいものに付き合ってくれてありがとな。

 あ、そうだ忘れてた。

 メリークリスマス!

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