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それ逝け勇者様

死に戻り勇者、異世界に転職してみた 〜初出勤で3回死んだ件について〜

作者: 黒の巣
掲載日:2025/11/03

魔王を倒して世界を救った勇者は、次なる挑戦を求めていた。


「魔王も引きこもっちゃって、魔王城も出禁になったから、暇だな……」


そんな折、異世界転職サイト『ジョブ・オブ・レジェンド』に目が留まる。


「勇者はお役御免になっちゃったし、いっそのこと転職してみるかぁー?」


思い立ったらキチガイ!

あれ?なんか違うような?

ま、いっか


ぽちぽちっと


【自己アピール欄】

死に戻りスキル、

無限インベントリ、

あと棒で殴るのが得意です!


魔王討伐経験あり

根性だけは誰にも負けません!


「これでよし!」


早速企業からのオファーが!!


【募集要項】

企業名:デス・カンパニー

職種:雑用兼戦闘要員(仮)

勤務地:冥界第7区画・地獄支社

勤務条件

・定時は朝5時〜深夜3時

・休憩は“死んだ時のみ”

・上司は魔族、同僚はゾンビ、社長はドラゴン

必須スキル

死に戻り、無限インベントリ、棒で殴るのが得意な方歓迎!


「俺、全部当てはまってる……!」


履歴書を送った翌日、即採用通知が届いた。



初出勤。朝5時。


勇者は冥界の地獄支社に降り立った。


「おはようございます!今日からお世話になります、勇者です!」


「おう新人、じゃあまずはドラゴン課長のコーヒー汲んでこい。温度はマグマ寸前な」


「え、マグマ……?」


案の定、火傷で死亡。


──支社内の教会(休憩室)で復活。


「おお、勇者よ。死んでしまうとは情けない(録音)」


「録音かよ!」



次の指示は「倉庫の在庫整理」。


だが倉庫には、なぜかスライムが大量発生していた。


「おい新人、スライムに触れると即死だからな。気をつけろよ」


「それ先に言ってよおおおお!」


勇者、再び死亡。


──教会で復活。


「おお、勇者よ。死んでしまうとは情けない(Bluetoothスピーカー)」


「なんで音質だけ良くなってんだよ!」



三度目の死は、会議室で起きた。


「新人、会議資料を持ってこい。急げ」


「はい!」


資料室に向かう途中、通路に設置された“罠型自動ドア”に挟まれて死亡。


──教会で復活。


「おお、勇者よ。死んでしまうとは情けない(リミックスVer)」


「バージョン増えてるうううう!」



昼休み。勇者は休憩室で神父(仮)に話しかけた。


「ねえ、俺って何回死んでも復活できるの?」


「はい。契約上、勤務時間内は無制限です」


「じゃあ、死ぬたびに体力も回復するし、眠気も吹っ飛ぶ?」


「ええ。むしろ業務効率が上がると評判です」


「……この会社、倫理観どこに置いてきた?」


「地獄支社ですから」


納得しかけた自分が怖い。



午後の業務は「社内清掃」。


「新人、地下牢の掃除頼む。昨日、ゾンビが爆発したからな」


「ゾンビって爆発するんですか?」


「する。あと、たまに歌う」


「歌うゾンビ……?」


地下牢に向かうと、そこには確かにゾンビがいた。


そして歌っていた。


「うぉ〜〜〜ん♪ うぉ〜〜〜ん♪」


「なんか切ない……」


感傷に浸っていたら、ゾンビが爆発。


勇者、三度目の死亡。


──教会で復活。


「おお、勇者よ。死んでしまうとは情けない(EDMバージョン)」


「ノリノリかよ!」



夕方。業務終了の鐘が鳴る。


「今日の業務はここまでだ。新人、よく頑張ったな」


「はい、3回死にました!」


「うむ、平均より少ない。優秀だ」


「平均って何……?」


「5.2回だ」


「小数点……?」



帰り道、勇者はふと思った。


「この会社、死に戻り前提で設計されてる……」


・罠だらけの通路

・爆発する同僚

・マグマ級の飲み物

・Bluetooth神父


「これ、普通の人間だったら即退職だよな……」


だが勇者は違った。


「死に戻りできるなら、むしろ快適じゃね?」


・体力回復

・眠気ゼロ

・ストレスリセット


「うひぃー!死に戻り社畜きもてぃー!」



翌日。


勇者は社内の罠を逆利用し始めた。


・罠ドアで瞬間移動

・爆発ゾンビで強制退勤

・マグマコーヒーで目覚まし代わり


「死に戻りを使えば、社内の理不尽も攻略できる!」


そして気づいた。


「この会社、俺が乗っ取れるのでは?」


勇者は神様の像を社内のあちこちに設置。


・会議室

・社長室

・トイレの個室


「これでどこで死んでも即復活だぜ!」


社長室に突撃して棒で殴る。


会議中に爆発して復活。


トイレ中の上司に突撃して棒で殴る。


「うひぃー!たぎってキタァー!」


社長、涙目。


「お願いだから帰ってくれ……!もう悪いことしないから……!」


「いや、ここ快適だからこのまま住むわ」


「誰か助けてえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ…」



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