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『転生先は赤字惑星の貧乏貴族。でも幸運(LUCK)で古代AIと許嫁をゲットしたので、軍事オタクの知識で最強領地経営はじめます』  作者: とびぃ


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7-3 法廷闘争と経済封鎖

「……九十、パーセント……」

シュテルン領主館へと、命からがら、帰還した、アレスたち。

戦略司令室は、新総督レーヴェンの、その、あまりにも、理不尽な「命令」によって、再び、絶望の、淵に、叩き落とされていた。

ミミが、その、猫耳を、ぺたんと、垂らし、震えている。

「……ニャ、ニャんで……。あたしたち、借金、返した、ばっかり、なのに……。真面目に、やってきた、だけなのに……!」

レナも、さすがに、その、気だるそうな、余裕を、失っていた。

「……マジかよ。税率九十パーセントだぁ? ……アタシがいた、帝国軍あそこでも、そこまで、えげつない、取り立ては、聞いたことが、ねえぞ」

「……アレス様」

ガンツが、重々しく、進み出た。

「……これは、もはや、『税』では、ありませぬ。……『降伏勧告』です。……あの、鉄血総督めは、我らに、『死ね』と、言って、おるのです」

「……ガンツ。……戦えば、どうなる?」

アレスの、静かな、問いに、老将は、ゆっくりと、首を、横に、振った。

「……勝機は、万に一つも、ありませぬ。……相手は、帝国中央セントラルの、正規艦隊。……数も、質も、練度も、バルツァー子爵の、お遊び艦隊とは、比較に、なりませぬ」

「……そう、だよな」

アレスは、天を、仰いだ。

(……詰んだ。……完全に、詰んだ)

(……武力で、抵抗すれば、『反逆者』として、瞬殺される)

(……かといって、税率九十パーセントを、受け入れれば、領地は、再び、破綻。……いや、今度は、食料も、エネルギーも、全てを、奪われ、領民は、飢え死にする)

(……どっちに、転んでも、『死』だ)

「——いいえ! まだです!」

その、絶望的な、沈黙を、破ったのは、シエラだった。

彼女は、恐怖に、震えながらも、その、瞳に、強い、意志の、光を、宿していた。

「……アレス様! 帝国法は、まだ、生きています!」

「……シエラ?」

「……帝国法、第百十五条! 『帝国臣民は、不当な、課税に対し、総督府、および、中央評議会に、異議を、申し立てる、権利を、有する』!」

シエラは、法典の、データを、スクリーンに、映し出した。

「……レーヴェン総督の、あの、税率は、どう、考えても、『不当』です! ……法に、則り、法廷で、争えば、必ず……!」

「……シエラ」

アレスは、その、あまりにも、真っ直ぐな、彼女の、言葉を、遮った。

(……無理だ)

(……前世の、サラリーマンの、常識が、告げている)

(……『本社ホンシャの、決定』を、現場の、『正論ルールブック』で、覆せた、試しが、ない)

(……レーヴェン(やつ)は、その、『法』を、承知の上で、俺たちを、潰しに、来ているんだ)

だが、アレスは、その、絶望的な、現実を、口に、できなかった。

シエラの、その、「法と、正義を、信じる、心」を、ここで、自分が、折って、どうする。

「……分かった」

アレスは、頷いた。

「……やれる、ことは、全部、やる。……シエラ。君を、筆頭、全権大使として、任命する」

「……え?」

「……ヘスティアの、サポートを受け、帝国法に、基づいた、最強の、『減税要求ネゴシエーション・チーム』を、編成しろ。……俺は、領主として、その、法廷闘争を、全面的に、支持する」

「……は、はい! 必ずや、アレス様の、期待に、応えてみせます!」

シエラは、アレスの、その、変わらぬ、信頼の、眼差しに、勇気づけられ、再び、その、小さな、体に、闘志を、みなぎらせた。

彼女は、即座に、ヘスティアと共に、膨大な、帝国法データベースとの、格闘を、開始した。

アレスは、その、シエラの、背中を、見送りながら、司令室の、別室で、ドレイクに、秘密通信シークレット・コールを、繋いでいた。

『——おいおい、アレス閣下! 大変な、ことになってるじゃねえか!』

スクリーンの、向こう側で、宇宙商人ドレイクが、いつになく、焦った、顔を、していた。

『……あの、『鉄血総督レーヴェン』が、乗り込んできた、だと!? ……クソッ! こっちの、商売ビジネスも、アガリだ!』

「……ドレイク。状況は?」

『……最悪だ! ……あんたの、星系だけじゃねえ! ……俺たちの、あの、『秘密の、航路ウロボロス・ゲート』の、入り口……『幽霊のシー・オブ・ゴースト』の、ど真ん中に、いやがる!』

「……なに!?」

アレスの、顔色も、変わった。

『……帝国艦隊の、巡洋艦クルーザーが、三隻も、だ! ……あそこが、完全に、封鎖ブロックされちまった! ……もう、あんたの、星系に、資源マテリアルを、運ぶことも、あんたの、領地から、製品おたからを、運び出すことも、できねえ!』

「……っ!」

(……ヤバい。……シエラの、法廷闘争ネゴシエーションを、待っている、間に、こっちは、物理的に、兵糧攻め(ひょうろうぜめ)に、される……!)

(……あの、レーヴェン(総督)め……! 『交渉はなしあい』の、フリを、しながら、同時に、『経済封鎖じつりょくこうし』を、仕掛けて、きやがった!)

(……どこまでも、汚い、やり方だ……!)

そして、アレスの、その、最悪の、予測は、現実のものとなった。

シエラが、完璧な、法律理論で、武装した、「不当課税に、対する、異議申立書」を、レーヴェン総督府に、提出した、その、翌日。

総督府からの、回答は、法的な、反論では、なかった。

——帝国艦隊(数十隻)が、シュテルン星系、主星メイン・プラネットの、衛星軌道上を、完全に、包囲した。

『——シュテルン男爵、アレス・フォン・シュテルンに、最終通告する』

レーヴェン総督の、冷徹な、声が、シュテルン星系、全土に、響き渡った。

『……貴様は、帝国中央セントラルの、決定めいれいである、『安全保障税』の、支払いを、不当に、拒否した』

『……これは、帝国に、対する、明確な、『反逆』の、意志、と、みなす』

『——よって、これより、シュテルン星系を、完全な、『経済封鎖ブロックチェーン』下に、置く』

『……貴様の、星から、一隻の、船も、出すことも、入れることも、許可しない』

「……そん、な……」

シエラが、その、あまりの、理不尽な、暴力に、崩れ落ちた。

「……法廷は……? 私たちの、申し立ては……!?」

「……握り潰されたんだよ。シエラ」

アレスは、静かに、現実を、告げた。

「……これが、官僚主義ケンリョクの、正体だ」

ヘスティアが、冷静に、惑星の、ステータスを、更新する。

<<……外部からの、全リソース、途絶。……惑星備蓄エネルギー、および、食料の、枯渇こかつ予測デッドライン……>>

<<——残り、六十日>>

借金は、完済した。

だが、シュテルン星系は、再び、「死」の、カウントダウンに、晒される、ことと、なった。

今度の、敵は、海賊でも、弱小貴族でもない。

銀河帝国セントラルという、あまりにも、巨大すぎる、「組織」だった。

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