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第1話・薬剤師を許せない患者さんの話 (その1)

隔月ごとに来局されるAさんが怒ってこられました。理由は粉薬の包装紙にセロテープが貼ってあったから。以前から神経質でゴムバンドは不可、薬袋はきっちり平行線に折り込むべきで決して斜めに折り込んではいけないなどのAさんなりのマイルールがありました。


その時に調剤したのはわたしでした。つなぎのセロテープの長さには指定がなく、わたしの場合はしっかりとくっつけさせたいのでつなぎ目全部にセロテープを使いました。


分包紙の交換の際にどうしても切れてしまうことはあるので、日付記載の人にはわかりやすいように、日付が続きになるようにセロテープを使うのです。気にする人には、交付時にはちゃんと説明します。

ちなみに分包紙の交換ですがトイレットペーパー式になっていまして、勤務先は横置きで印字用の黒フィルターなど周辺を掃除してからやります。時間がかかるときもありますが、慣れてくると手早くできるようになります。


わざわざ実物を持参してこられたAさんにも、怒りを鎮め、今後気分よく服薬していただくのも仕事です。こちらは改めて上記の手順の結果こうなったと説明したうえで謝罪しました。激高はされず、それでおさまったので大丈夫でした。患者さんに対してはいかなる場合でも、「前にも言いましたけど」 や、「もう一度説明します」 は、厳禁です。でも万事においてその調子でAさんは生きづらいだろうなあと思うのです。人間は大雑把な方が気楽に生きられると思うのですがどうでしょう。


薬剤師同志こういったクレームめいたことがあれば、必ず二度とこういうことが起きぬよう情報を共有します。Aさんの服薬指導記録にも記載され、Aさんに関しては万一セロテープでつなぐ場合は、薬袋にも、使いましたよという説明文を入れることにしました。それで今後はセロテープの件で怒られることはないかと思います。


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人前で怒りを爆発させる人がいます。その怒りの理由は正当であっても、周囲に冷静に説明できない場合は幼い性格とみられます。他にも数人そういう細やかな気遣いやマイルールを申し出る人がいて、できるだけ希望にそうようにしています。そのせいか、怒って、今後はお前のとこには行かない、別の薬局に行くわ、バカヤロウと言った人でも数か月後に戻ってこられたりします。

わたしは怒られるのも仕事のうちなので、平気です。戻ってこられたら内心で「やっぱりうちの薬局が一番ええやろ?」 と心の中でつぶやいて笑顔で迎え入れます。そんなものです。どなたでもいらっしゃいませ、です。




※次回は、わたしがやらかしたトラブルを書きます。

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