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空想魔術師は、管理者と記述者、二つの役割に分かれるのは僕にも理解できていた。
先輩から何度か教えられたけど、空想魔術にはまだいくつかルールがある。
例えば記述者の空想は管理者の許可がないと魔法にならず、ただの中二病的妄想で終わってしまう。
そもそも管理者が〈僕達の降り立つ未来〉を唱えなければ、いくらエソライズムエンジンの所持者でも術そのものが発動しない。それに管理者の独断で、発動中の魔法の強制終了だって可能だ。
とにかく空想魔術というのは、記述者と管理者の協力関係がないと成り立たない、ちょっと変わった魔術体系だ。チームで行動しないとそもそも魔術師として成立しないから、先輩が不在だと僕は神叢木刹刃に「変身」すらできない。要するに弱点だらけの魔術だ。
で、どうしてこんなまどろっこしいシステムを考案したかっていうと、
「……そんなの簡単なことよ。空想魔術はあまりに強力すぎるから、術の悪用を防ぐための安全装置を備える必要があったの。でないと空想魔術は記述者の裁量次第で、この地球に黙示録の審判をもたらす魔王すら誕生させかねないもの」
それはこわい。
そんな感じで、空想魔術の実験はお昼ご飯を一緒に食べてからにしようとか、次はいつ会おうとか、トントン拍子で話が進んで。
とにかく僕たちは、ようやく前に進み始めたのである。




