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中学のころまでの僕はさ、重度のネット依存者だったんだ。ネットを駆使して他人を叩き潰してきた野蛮な『ネット戦士』だ。
ネットでいっぱい悪さをした結果、それが友達にバレて、全員から絶交されちゃった。リアル大炎上さ。
そうなってようやく自分がクズだと思い知ったから、僕は高校になって自分を変えた。僕の中学時代は恥ずべき過去だ。こんなのに比べりゃ、中二病なんてまだ可愛い方だよ。
そういえば先輩、僕の小説を褒めてくれたでしょ? ありがとう、でもごめん。あれもさ、実は偽物だったんだ。
『叛騎のシュヴァルツソーマ』は、架空の中二病アカウント・篁牙院リュウヤになりすました僕が書いた「釣り小説」だったんだ。痛々しい中二病小説がネットで嘲笑の的になるのを知ってて、わざと狙って書いた。だからあんなの「自分の作品」だって誇れない。
僕は神叢木刹刃に何の愛着もないし、理想でも空想でも願望でもない。あれは過去の僕がネットでしでかした、壮大な「イタズラ」のひとつでしかなかった。
そんな軽薄な空想を武器に、生きる死ぬのやり取りをするなんて、身のほど知らずだって今ごろになって気付いたんだ。
九凪君が戦う理由は正当で、僕にはそれがない。
僕は七月先輩から期待されて、それに甘えて、ただ浮かれていただけだったんだよ。
もしかして僕は、それでも認められたかったのかな。偽物のシュヴァルツソーマを、それでも純粋に楽しみにしてくれた読者だって過去にいたんだ。だから僕は書き続けられた。
偽物のイマージュでも、エンジンの妖精さんが承認してくれたら不思議と嬉しかった。
これが先輩にずっと言えなかった告白。……って、猫相手に告白も何もないんだけど。




