表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夕陽から飛び出して来い   作者: 木畑行雲
第三章 麗しき日々!?
15/65

第三章

 買い物が終わり馴染みの蕎麦屋瀧乃家へ入ると、晶以外の家族は、いつものにするらしかった。

 

 晶は、山狸うどんにするかカレーライスにするかで迷った。この店のつゆと天かすの相性を思い浮かべると、天下一なのだ。しかし、この店の和風の入ったカレーライス、まろやかなルウは宇宙一だ。どちらも、この店に来たら絶対食べたい品なのだ。

 

 晶はじっと考え、家族は水を飲んだりテレビに目をやった。テレビの中ではニュースが終わり、拍手と共に演奏が流れ始めた。

 水前寺清子が歌うと、蕎麦屋の客の多くがテレビに気を取られた。

 晶も思わずテレビを見上げていると、視線を感じ、前に目をやると華子と目が合った。


 微動だにせずこちらを見つめている。

「早くしなよ」と、能面みたいな顔の華子が言うと、小鬼も真似して「早くしなよ」と言う。

 晶は思わず吹き出し、華子と小鬼は笑った。


 カレーライスが運ばれると、晶は黄色いルウを見つめた。そして一口食べると、大きな鼻息を漏らした。

 その様子を見ていた小鬼は、さっそくカレーライスを一口食べてみた。そして、「うまい!」と歓喜して、次から次へと口へ運んだ。

 カレーライスは小鬼がすくう度、消えては元に戻った。晶はこれなら安心だと、小鬼と一緒にパクパク食べた。


「おいしいね」と、晶が言うと、小鬼も「おいしいね」と、言った。

 家族は自分に対して言っていると思って、それぞれが返事をし、晶は慌てて会話を続けた。

 小鬼は他の食べ物も気になるらしく、華子の山狸うどん(山菜とタヌキ、天春家の要望でメニュー化されたもの)と理太郎(父)の天ざる蕎麦も一口づつ頂いていた。どちらも気に入ったようで、目を輝かせている。しかし、なぜかうめ(祖母)のとろろそばには手をつけなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ