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9 ローレンツ視点
「マリーナお嬢様をどうなさいますか?」
執事の問いに眉間を押さえながら答える。
「どうしようもない。やはり血筋は争えないのか。アレの性格は母親に似ている。早めに最高の教育を施してきたが、あの性格や考え方は直せなかった」
容姿もさることながら、考え方や行動、話の通じなさなど私の子では無いのだろうかと考えが過ることがある。
「セバス、マリーナを一番厳しい修道院へ見習いとして入れる。数年修道院へ入れて反省できていたら世俗復帰させるようにする。従兄弟のウェスターを呼んでくれ。早めにこちらに住む手続きを。あと、ノーツ侯爵家への謝罪の手紙を」
「かしこまりました」
私はため息をつき、また執務に戻った。