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君の瞳に映る景色は何色ですか  作者: 凪咲琥珀
出会いは何色ですか?
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出会いは何色ですか?(5)

森に入ってから2時間ほど経過した

探知魔法【周辺探知】を使い地形や熱源など周囲の状況を確認する

現時点で中枢あたりといったところだろうか?

目の前に川が見える


「あたりに脅威はなさそうだしいったんここで休憩を挟もうか」

「私はまだまだいけますよ!!」

「ほら一人目に見えて疲れてるやつもいるしこまめな休憩は大事だ」

「あっ……それもそうですね、休みましょう」


汗を垂らしながら遅れて後をついてくるライナ

基本馬車を動かして座っていることが多いからか森の中を数時間歩くのはつらいようだ

それにリリィも森を探索して興奮してるせいか疲れを感じていないようにも見えるがそういう時こそ休むほうがいい

万が一の時に体が動かなくなってしまうのはまずからだ


「水質も問題なさそうだしこの水をもらおうか」


ライナから水筒を受け取り水を補給する

そして用意していた食べ物とコップを取り出し昼食をとる


「あとどれくらいで辿り着くんでしょうか?」

「大体半分あたりまで来ているが気がかりなこともある」

「というとやっぱり魔物が極端に少ないことでしょうか?」


その通りだと頷く

森に入ってすぐに見かけたフォレストウルフ以外にこれまで魔物と遭遇していないのだ

この異常事態にどうしたものかと悩んでいるとライナが落ち着いたのか話し出す


「とりあえずあっしも精霊に頼んであたりを見てるッスけど魔物が少ないこと以外問題はなさそうッス」

「そうか、もう少し休んでからこのまま進むか」

「そうしましょう」


あたりを警戒しつつ1時間ほどやすみ探索を再開する

ミハイルは探索魔法【周辺探知】を等間隔で使い周囲を警戒する

ライナは精霊と協力し空や森自身から情報を得る

そうして進んでいるとライナの精霊からなにやら気になる情報が入った

どうも数時間前にここを複数の人間が通ったという

その者たちは武装をしており嫌な臭いを放ちながら奥へ進んでいったそうだ


「どう思うッス?」

「正直わからないがこの異様な静けさはそいつらのせいな気もする」

「どうしてですか?」

「嫌な臭いというのが恐らく魔物避けのお香だと思う。ただこれは結構素材が希少なこともあって値もはるから気軽に使えるものじゃない」

「なるほど、何か確固とした目的があってここに来たと……」

「ああ。それにそのお香を持っていたのが武装していた集団ということであれば傭兵や騎士のような手練れだろう。ここまで静かなのはお香の残り香で散開しているかそいつらに倒されたかか」


お香はマンドラゴラと魔物の核を調合しそこに幾つか薬草や金虫の死骸を混ぜることでできるそうだ

このうちマンドラゴラと金虫がとても希少だ

マンドラゴラは収穫の際に魔法などで対策をしないと死者がでることや良質な土に湿度や温度など管理がとても大変なことで値段が高騰しており育成場所も限られる

そのうえマンドラゴラは他の薬剤に使用もされるためお香だけに使えるものではないのだ

金虫はとある森に生息しており個体数事態は多いが一度刺激を与えると周囲の生態が崩れるほどの激臭を放つ

その為採取の際には特別な魔法か道具が必要とされるため市場に回る数が少ない

そうしたことから金を持った貴族や特別な調査の際以外はお香を使うことがめったにないと考えられる


そして魔物の死体は核の部分以外は討伐後に灰になる

原理はわからないがとにかく死体は残らないので確かめる術はない

痕跡も残らないので研究者たちの中でも難題となっている


「ライナそいつらがどっちに行ったかわかるか?」

「どうもここから北西あたりに向かったそうッス」

「奥地に行くことが目的ではないのか……」


今回の依頼は奥地に向かうこと

この異常の調査はもののついでではある


「でしたら追ってみますか?」

「奥地に辿り着くのが遅れるがいいのか?」

「はい、ここまで来たら気になりますし」

「そうか、助かる」


そして一行は北西を目指して進むことになった

どんどん進むにつれて霧が深くなる

【周辺探知】や精霊のおかげで迷うことなく進むことができる

そのまま順調に進んでいく

霧の先に凄惨な光景が待っていることも知らずに

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