その1
朝起きたら遠い世界にいました。
『どういうことだ?』
真理は目が覚めると、見知らぬ部屋のベットで目が覚めた。
天井のLEDシーリングの照明だろうか?
部屋は暖かみある昼光色の光だ。
辺りを見渡すが全く知らない部屋だ。
『俺の部屋じゃないな。夢か?』
『にゅー』『にゅー』
足元の布団から猫のタマとチョコの声がする。
『夢にしてはリアルだな。大概俺は、こいつらにカリカリの催促をされて耳元でにゃにゃーいわれて起こされるのが常だからな』
そんな思案をしているとどこかとともなく少女の声がこだまする
『ちょっとあんた起きた?今すぐそこの服を着てミーティングルームにきなさい』
『あとそこにある服とヘッドセットと腕型ウェアラブルをつけてきてね。』
『それでミーティングルームまで誘導するわ』
当然のような命令口調で指示がくるが、俺は反論する
ベットから上半身を起こして
『いきなり、そんな事をいわれて、はいそうですか分かりましたとかいかないよ!』
『理由を説明してくれよ!』
俺は怒気を込めた口調で返答した。
『ふーんそういうこと言うんだ。じゃあその部屋に閉じ込めて餓死させてもいいんだけど?』
『なん、だと?』
それは困る。しかたないここは一旦向こうの指示に従うのが良い無難だろう。
『てんめー、かしこまりました指示に従います』
『そうそう初めから素直にそうすればいいのよ』
満足した様子である。
猫どもに気つけながら
ベットから足をおろす。暖かい。
『床暖房か?暖かいな』
足元にある一般的なスリッパをはき
おれは部屋の隅にある服に近づて見る。
手に取ってみる。
『これ医療系が使う白い白衣に似ているな。』
肌触りも悪くない。
服を着て、右耳にヘッドセット、腕型ウェアラブル左腕につけて扉の外に出る。
これは
全体が白い内装で、病院の通路を彷彿させる。
また、客船の内装に似ているが、天井には通路の隅までいくつものパイプが見える。
普通の客船ならなるべくパイプなどは見えにくく、また、見た目重視のため天井の隅を通っているのだが、むしろこの船のパイプはあまり隠していない。むしろパイプのラインが分かりやすい。
見た目より機能性重視といったところか
『なんかこれ病院に似ているような、軍艦に似ているような気がする』
『昔勤めていた艦船に似ているな』
ぶつぶつつぶやいていると
スピーカー越しの声がする。
そこを右に回って、左に回ってと指示のとうり
通路を進んでいく。
壁は白いコンクリート風に見えるが触ってみるとというより、コンクリートというより鉄の感触だな。
『そこよそこの扉に入って!』
いわれるがままに入ると
そこはかなり大規模ミーティングルームのような部屋の真ん中に白衣を着た、長い髪の端整な顔立ちの銀髪の少女がいた。
すげー美人だ。
10人中10人は振り向く美貌だ。
『なにジロジロ見てんの?とりあえずそこの席に座んなさい。これから色々説明するわ』
『あ、ああ分かった』
おれは動揺をなるべくかくしながら椅子にすえわる。古今東西男は美人には弱い。悲しいサガである。
『さて、状況を順をおって説明しましょう。私の名前はクーラよ。これからよろしくね。』
『結構衝撃的な事だからなるべく同様しないようにゆっくり話していくけど、心の準備はいい?』
これまでのややキツイ命令口調から、心配するように声をかけられた。
『お、おう。なんにしてもこの状況を説明してくれないと始まらないから頼むよ』
とりあえず今の状況を少しづつでいいから理解しなくては物事が進まない。俺は話を続けてくるようにお願いした。
『まずは、そこのテーブルに置いてある鏡をとって顔を見てくれない?落ち着いてゆっくりよ』
心配そうな顔をしながら、声をかけてくれた。
まじか!
この流れだと、大体老人の顔になっているとか、顔に酷い傷や火傷などがあり、普通には直視出来ない顔になっているパターンかあるいは、ハゲになっているとか!
おれは恐る恐る鏡を取り、顔を見る
ん?これおれの顔だけど、なんか若いな俺は、40代だが、これは20代の顔だな。
自分の頭に?がでているのが分かる。
『ん?おかしいぞおれは40代なのになんで20代の顔なんだ?』疑問を口にすると
『そうね。そこは大丈夫よね。問題は次ね』
『待て、質問に答えてないぞ。どういうことだ?』
『そうね先に言っておくわ。トイレは扉を出てすぐ右側にあるわ。気持ち悪くなったらそこで嘔吐するといいわ』
とても悲しそうに話す。
俺は動揺を隠せなかった。どういうことだ?俺の身になにが起こっているんだ。
俺は疑問をクーラにぶつけてみた
クーラは悲しそうに、悲痛な表情で答える。
『よく思い出して貴方に何があったのかを』
そういうとクーラは、右手の平を首にあてる
…
……
………頭がクラクラする。
なんだこれなんだこれは
そう。そうだ俺は
俺は急激な嘔吐がこみあげてきた
口を押えながら、立ち上がり、トイレに向かう
トイレに駆け込むと、便器に向かい嘔吐する
だが胃に何も入ってなかったのか、唾のみしかでない。気持ち悪さは収まらない。それでも何かを吐き出さずにはいられない衝動が走る。
どれくらいたっただろう
やや落ち着いた俺は顔を洗い、洗面台の鏡を見る。
20代の自分。
『思い出した。俺は患者、いあ、あの殺人鬼に殺されたんだ』
『そして天上の人にお願いされてここにとばされたんだ』