【検証】殺されそうだけど足掻いてみた!
(この世界にも郵便あんのか…)
「い、いますぅ!今出ますぅ!」
セインが扉を開ける。そこに居たのは、郵便屋…とそいつにナイフを向けるスズラナだった。
(まあ…だろうな…)
「なっ!?」
「やっと出てくれましたねぇ。」
スズラナが驚きの声をあげるセインを睨みつけ、嫌味な笑みを浮かべる。
「ここに貴方と同い年ぐらいの男女二人組はいませんかぁ。」
(よ、よし!まだ気付かれてはいない!)
「し、知りませんよぉ?そんな人達ぃ?…」
セインは嘘が下手すぎた…
「この私に…そんな嘘が通用するとでもぉ?」
怒ったスズラナがナイフを横一直線にふる。
「ひぃっ!」
腰を抜かしたのか、スズラナの一撃を見事にかわす。
攻撃が決まらなかった事でさらに気分を害したスズラナがセインの首を掴み持ち上げる。
「ぐぁっはっ!」
ど、どうする…このままだとセインが殺される。かといって、このまま出ていっても殺される…クソっ!何かいい手は無いのか?
そんな事をひたすら考えていると、エナがスズラナに向かっていく。
「やめなさいっ!貴方の目的は私達でしょう!」
(俺もいる事言っちゃってるよこの子…)
取り敢えず便乗しておく。
「そ、そーだ!そーだ!」
こちらに気付いたスズラナはセインから手を放し、喜びの笑顔を見せてくる。
「やっと見つけましたぁ。」
その喜びは次第に狂気の笑みへと変わっていく。
「やっと…やっとこの手で殺してあげられます!」
(ヤバいやつだ…)
いや、分かっていたことだ。でも、やっぱり何処かで期待していた。無駄だったが…
「くっ!どうす…っ!?」
どうする?それをエナに聞こうとしたその一瞬でスズラナはエナの首を掴み、持ち上げていた。
「かっはっ!」
「エナっ!」
「また逃げられるのは困るので、貴方から潰させてもらいますよぉ!」
「くっ!やめろ!」
「……はあぁぁぁっ!」
突然、スズラナに氷の矢が刺さる。セインの一撃だった。
「大丈夫ですか!」
(へなへなで頼りないと思ってたのに、俺より全然頼もしいじゃねぇか!)
エナは助かったが、意識が朦朧としていて、とても逃げられる状態じゃなかった。
「やってくれますねぇ…でも、そうでなくては!」
スズラナは氷の矢を受けてもなお、不敵な笑みを浮かべていた。
(あいつ、痛みとか感じないのか…俺だったら、泣き叫んでるぞ…)
「貴方達とのじゃれ合いはとても楽しかったぁ。でも、これでおしまいです!」
「くっ!」
(ダメなのか?)
いや、諦めちゃだめだ。セインは無関係な俺達に関わって死にそうになっても助けてくれた。エナもお願いを断った俺に親切にしてくれたんだ。
(まだ、終わっちゃだめだ。)
エナとセインを掴み、願った…
────転移べ!────
サブタイトルめっちゃ悩んだ…
もっと文章を書く力をつけたい…!