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本編

ふと思いついたので書きました。

2000字ほどですので深く考えずにどうぞ。

 この村には、おいしい水の出る井戸がある。




 はじまりは数年前、村で作った生産品を街に売りに行った村人が、最近召喚されて有名な勇者が発明した道具だと言って買って帰って来たの。


 ちなみに生産品で手に入れたお金はすべてこれになっていた。 すごく怒られてた。

 井戸も何も、ちかくに水源となる湖があるというのに買ったから怒られてたのだ。


 しかし、聞いたとおりにさっそく井戸を掘ってみると、時間はかかったが見事に井戸を掘ることができた。

 しかも結構な量の水が出るうえに、透明で綺麗なので、近くにある濁った湖とは大違いなの!


 それからは、村の水はすべてその井戸からくみ上げる水となった。

 ちなみに水はすごくおいしい!




 そうして井戸を使い始めてしばらくたつと、いつもくる行商人がやってきた。

 行商人は、近くに湖があるのに買ったのですかと少しバカにしていたけど、水を飲むと驚いて、「こんなにおいしい水は飲んだことがない」といい、水を入れ物に詰めて持って帰っていった。

 綺麗なだけの水なんてどうするのだろう。 このときはそう思っていた。




 数日後、どこからともなく行商人や旅人がやってきては水を持って帰る。

 いったい何ごとなの。




 一月ほどそれが続いたと思ったら、国の騎士団がやってきて、「この水は王家に提供される!」といいだし、井戸を管理しはじめた。

 一応この村の水源だし、ある程度はこちらにも回してもらえるけど、自由に使える量は減ってしまった。

 まあ、湖の水を使えばいいのだが、久々に飲んでみるとまずくて仕方ないの。

 井戸の水は飲む用にすることにしたの。

 隣の爺ちゃんは畑に撒いていた。 呑気なの。

 でも隣の爺ちゃんがいないと生きて行けないので少しは手伝うの。




 さらに数か月後、調査していた魔術師によって、飲むだけでも魔力を少し回復するし、薬品製作に使えばいい効果を出すってことが分かり、さらに回してもらえる水が減ってしまった。

 もう一つ井戸を掘って使えるようにしたいが、それも管理されそうなのでやめておくことにした。

 隣の爺ちゃんは相変わらず畑仕事に使っているようなの。




 まずい! まずいまずい!

 隣の爺さんが井戸の水で作った野菜がすごくおいしいってことが分かり、さらに水が減らされてしまったの。

 そのうえ水は畑に使えっていうの。

 しかも野菜は貴族の食事用になるのでこちらには回してもらえないという。

 じゃあ畑用の分は別に回してほしいの! 湖の水まずいの!




 村の一部のおじさんが新たに井戸を掘ったけど、やっぱり騎士団に管理を持っていかれちゃった。

 おいしい水飲みたいなぁ。 と、隣の爺ちゃんの畑仕事を手伝いながら思う。

 あと、最近湖の近くによく変な人がいる。

 食べ物が欲しいっていうので、少し分けてあげると、頭を良く撫でてくれる。

 お礼に何が欲しいっていうので、おいしい水が飲みたいって言ったらくれた。

 この兄ちゃんすごい! 村の水よりおいしいかもなの!

 そう言って兄ちゃんを褒めておいたの。

 それからよくお話してるけど、褒めれば水貰えるの! うまぁ!




 この間、湖に見たことない生き物がいたという話があり、井戸を守るために勇者がやってきた。

 なんかキラキラして眩しいの。

 なんでも、加護があるから水の中でも平気だって言ってる。




 でも、キラキラなのに汚い湖に入っていく姿はみじめなの。




 水中にダンジョン?の入り口があるってことで、明日調べるらしいの。

 湖の水にぬれた勇者は汚かったの・・・




 その日の夜。

 兄ちゃんが家までやってきて、ここから旅立つっていうの。

 それはまずいの! 水が飲めなくなるの!って言ったら、

「俺の価値は水だけかい・・・」って言うので頷いてやったの!

 床に手をついてショック受けてたの。 水の恨みはすごいの。




 しばらくたって起き上がった兄ちゃんは、おいしい水をあげるからついてくるかいって聞いてきたの。

「行くの」

「え?ホントに!?」

「水のためならついてくの」

「本当に水好きだね」

 もちのろんなの!


 そのあとは兄ちゃんが触った道具がどんどん消えて、家の中が空っぽになったと思ったら、家まで消えちゃったの。

 そして兄ちゃんの背中に乗せてもらって一緒に村をでたの!

 ・・・兄ちゃんの背中は湿っぽくてざらざらしてたの。 生臭かったn


「なぁ」

「どうしたの兄ちゃん」

「何してるんだ? というか生臭かったのか?!」

「私の体験談なの! コア・・が聞きたいっていうから。 すっごく生臭かったの」

「何してるんだコアのやつ・・・というか、生臭い生臭い言うなよ」

「しかたないの! 事実なの! 事実は受け入れるものなのってコアも言ってたの」

「・・・でも俺の背中で寝てたよなお前」

「だって夜は寝る時間なの」

「相変わらず動じないなお前。 ついてくるって言ったときも、俺の姿見た時も」

「兄ちゃんはカッコいいので」

「お? どこが?」


 どこと言われれば、黒い髪や瞳・・・・・もカッコいいし、羽のつい・・・・たトカゲ・・・・に変身した姿もカッコいいし、言動もカッコいいの。

 でも、あえていうなら


「おいしい水が出せるとこなの!」

「どこにカッコいい要素があるんだよ!」

『今日も平和ですね』


 今日も私達の家ダンジョンは楽しいの!

井戸の底の秘密とは、水龍のダンジョンだったのだ!


それだけなので蛇足のキャラ紹介が気になるは次の話で。

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