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ある小説家の日常  作者: 静かな野人
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第ニ話 回想・現在の私

 その後私は、とりあえず自分で執筆した作品で様々な賞に応募をしてみることにした。小説家に成るためにはその方法が一番手っ取り早いと考えたからである。

 しかしその考えはとても甘かった。イヤ、甘過ぎたのである。そもそも、元々の自信が意味不明な上に、物事を極めて狭い範囲の中でしか見てこなかった私の執筆した小説は、後に自分で読み返してみても、その余りの出来のひどさに自分自身が恥ずかしくなってしまう程の出来であった。私はその時になって初めて、どんな世界にも上には上がいるのだということを痛感させられたのである。

 それでも私は諦めず、アルバイト等で日銭を稼ぎつつ小説を執筆しては応募するという生活を続けた。それも全ては自分の執筆した小説で様々な賞を獲得し、有名になってやるという野望のためであり、上には上がいるのだと痛感させられてもなお、それなりの小説は書けていると信じていたからある。少なくとも当時の私の中では…

 その後もありとあらゆる賞に応募をしたが、これといって何の成果も得られず、何年もの月日が流れ今に至る。今の私といえば、バイトもせずに、相変わらず様々な賞に応募するための小説を書き続けている。しかし最近は良いアイディアも思い付かず、自己満足の小説にもならないただの落書きをして楽しんでいるという始末である・・・


 たった今目を覚ましたばかりの私は、とりあえず何か食べる物がなかったかと冷蔵庫を探して見るが、見事に何もない。今この部屋には食べる物どころか飲む物さえなかったと気付いた私は、仕方がないので何週間ぶりかの外出をする事にした。今にも鳴りそうな空腹の腹を抑えながら、近くに転がっていた洋服に身を包み、私は外の世界へと繰り出した。



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