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君は壊れて僕は欠けて  作者: ルーガ
8/18

相違点

ドッペルゲンガーもとい前崎深愛との邂逅から数分後、俺は割り当てられた自室にいた。

部屋の内装はこちらも洋風だが、自由に変えていいと田原さんが言っていたのでそのうち変えることにした。部屋にあるのはベッド、鏡、洗面台、一人用テーブル、イス、本棚、シャワールーム、とその他の生活用品(シャンプー、歯ブラシ、洋服など)だった。水道が通っているあたりなかなか生活水準が高いようだ。

食事は寮の隣の食堂で、衣服の洗濯は専門の人がやってくれるそうだ。まあ、至れり尽くせりなようだ。




先ほどの邂逅の後、深愛さん(一応初対面なので)にあと何を聞こうかと質問リストを頭の中でまとめていたところ、田原さんに、わからないことも多いかもしれないがとりあえずは部屋に行かないか、と言われ、簡単な説明を受けたあと現在に至るわけだが、

「いろいろありすぎだろ」

思わす独り言が出るくらいには驚いていた。もうこんな時は昼寝でもして一回落ち着こうかと思ったらもう日が暮れかかってカラス(らしきもの)が鳴いていた。ちなみに時間や日付は元の世界と変わらないらしい。

あまり寝ると夜眠れなくなるのだが、精神的に疲れていたので結局寝ることにした。が、

「すみません、田原ですがちょっといいですか?」

「はい、今行きます」

田原さんが来た、何か連絡し忘れたのだろうか。がちゃ、とドアをあける

「どうしたんですか、何かあっふぁうえすか?」

眠くてあくびが出てしまった。

「いえ、前崎さん………失礼、深愛さんのことで話があるのですが、どうしました?眠そうですが」

「今から昼寝しようとしてたんですよ」

「…………異世界来て初日でなにやってるんですか」

「しょうがないでしょう、あんなの見ちゃったらふて寝ぐらいしたくなりますよ」

「そこはもっと頭抱えるとか発狂するとか震えるとかして下さいよ」

「他にやることも無いんですからそれぐらいしかできないんですよ」

「もっと『親が心配してるかも』とか考えないんですか?」

「そういえば帰れないんでしたね」

「………………………………はぁ」

手応えがなくて落胆気味の田原さん、どんだけひとが不安になってる所がすきなんですか。

「で、要件は?」

「あなたと深愛さんが何処まで同じなのか調べておきたいと思いまして、聞いてもいいですか?」

「ええ、構いませんよ、でも深愛さんはどうなんです?」

「あのあと放心状態なので食堂に連れて行ってあります。そこで聞くつもりですし」

「そうですか」

「では、行きましょうか」



食堂は、百数十人を入れるということで広かった、その隅に、深愛さんはいた。

深愛さんはこちらを見てピクッとしたあと、田原さんに反抗的な目を向けた。

「どうです、落ち着きました?」

「落ち着くわけないでしょ!」

やはりかなり怒っているようだった、まあ、これが正しい反応ではあるけど。

田原さんが先ほどと同じ説明を深愛さんにした所「……いいわよ」と返事が返って来た。





「まず始めに確認ですが、あなた達は、苗字、年齢、両親の名前が同じなんですよね。

「はい」 「………はい」

田原さんが聞きながらメモを撮る、先に返事をしたのが俺であとが深愛さんだ。

「では、ご両親の性格はどうですか?」

ふむ、性格ね。

「母親は愛に生きる人で、父親はそんな母親を愛す変人でした」

「…………………………………………」

「不本意ですが同じです」

おっと、田原さんがフリーズした。

「……………まあ、同じなんですね、次です、何処にすんでました?」

「埼玉県さいたま市…………………です」

「同じです」

「次、好きな色は」

「黒です」 「………青」

「………………とりあえずこれを最後にしますか、自分の性格を簡単に述べて下さい」

自分の性格か………

「周りに無頓着ですがわがままではないです」

「人と関係を持たない我が道をいくタイプです」

性格は…………どうやら違うようだ。ユニーク性が失われなくて良かった。

「これで終了です、お疲れ様でした。このあと晩ご飯なのでそのままここにいて下さい」

そういって田原さんは立ち去った。

あとに残された俺と深愛さん。


正直…………かなり気まずいんですが

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