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初めての友人
「いやぁ、すみません。もう二百回近くやってるもので雰囲気が軽いんですよ。結構非人道的なはずなんですけどねぇ。どう思います?」
「といわれましても特に何も感じてないんで、まぁ、その通りじゃないですか?」
そういうとリーダー(仮)はこっちをジロジロと眺め、やがて舌打ちをした。え?
「………反応がつまらないですね。もっと叫んだらどうです?」
「こーゆー時にパニクらないぐらいしか長所がないものですから。」
「冷めてるね」「お前って人間なの?」
悲しいこと言われ続けてきた中学生の面目躍如だい。
「何かスプラッター全開の思い出でもあるんですか?」
「いえ全く。善良な市民やらせていただいてます。」
「…………もういいです。本題に入りましょう。」
「そういえば僕連れてこられたんでしたね。」
ギャグのせいでわすれてたよ
リーダー(仮)が異物を見るような目でぼくを眺めまわしたあと、口を開いた。
「まずは自己紹介から始めましょう。私の名前は田原朔彦です。あなたは?」
「僕は前崎宗人です。」
これが異世界で初めての友人との会話だった。
人生で初では断じてない。