イベント『謁見』
すみません、お待たせしました。
また更新していけたらと思います。
カイグ語を覚えた後、俺も深愛さんも頭が重く、一旦部屋で休憩することになった。まあ田原さんとしては想定済みのはずだが。
部屋に戻ると、ふらふらとベッドへ向かいそのまま寝た。というか昏倒した。
起きると時間は12時前。お昼の時間である。レッツ食堂。
…………勇者教育が始まるのはいつだろうか、そろそろ動かないとカロリー摂取と消費が合わなくなる。体育がしたい。
ちなみにだが俺は勇者を引き受けるつもりである。百数十人もいて田原さんの言葉によれば全員チートである。それなりに安全だろう、少し興味もあるし。
さて、食堂に向かう途中、少し考えて寮の玄関で止まった。
すると深愛さんがちょうど階段から降りてくるところだった。
「そっちも昼ごはん?」
「そう、さっき起きたばかりなの」
………知識を除いた脳のスペックまで同じ疑いが出てきたな。
そんなことはさて置いて食堂までとことこ向かうと、田原さんがウサギを連れて歩いてきた。
「こんにちは、どうしたんですか、そのウサギは」
「おう、お前らも勇者とやらか、これからよろしくな」
この文章をしゃべったのは田原さんではない。ウサギである。繰り返す、ウサギである。
「えっ、ウサギがしゃべ「あ、どうも、前崎といいます、よろしくお願いします」…………」
ん?深愛さんが何か話そうとしたような。
気のせいか。
「流石宗人君と言っておきましょう」
田原さんも慣れてきたようでなにより。
「あ、そうだ」
「なんですか」
「今日の午後4時から王様との謁見がありますから3時半に寮の玄関で集合してください」
さて、とうとうお約束の展開がやってきた。
イベントその一『王様との謁見』である。
異世界転生モノでよくある「この国を救ってくれ勇者」「分かりました、王様」みたいなやり取りだ。
「あってますか?」
「概ねそんな感じです、ちなみに宗人君は」
「引き受けるつもりです」
理由は先ほどの通りだ。
「本当ですか!ありがとうございます。こちらも歓迎しますよ」
田原さんに笑顔でいわれてしまった。まあ、同僚が増えるみたいなモノだし当然か。
そういえば、会話に入ってこないのが二人いるな。な?失礼、一人と一匹か。
「おっ、お前もやるのか、よろしくな」
「は?勇者?中二病?」
一つ目がウサギさん、二つ目が深愛さんだ。というか中二病ってひどいな、ここの人たちにとっては現実で真剣なのに。こういうこというとなんか逆に胡散臭くなるな。
と思っていると田原さんが気づいたように
「そういえば説明してませんでしたね、すみません、宗人君、説明をお願いしてもいいですか?」
と言ってきたので
「構いませんよ、ご飯食べながら話しておきます」
と返した。
「じゃ、状況を話すのでそろそろ。あ、ところで名前は」
「俺のことはレオって呼んでくれ」
「分かりましたレオさん。では部屋に行きましょう。宗人君、深愛さんもまた後ほど」
田原さんレオさんがが遠ざかっていった。
「で、勇者って何?」
「実はね…」
その後食堂までの道すがらと食事中説明を続けた。