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第29話「真の黒幕」

[Snow express]


ラズロット

「リバースなのです♪」


「ちょwまたかよ俺に何か怨みでもあるのかよ?」


リズロット

「運が悪いだけなのだ♪」


スノウ

「ここまで一人負けする人ははじめてです。」


ひなた

「おかげ君弱すぎだよぉ、えいドロー2!!」


フィロ

「何する!!でもドロー2あるから平気だぞ♪」


リコ

「うにゃぁぁぁ!!」


リアン

「ここにもボロ負けが居るな・・・とりあえずワイルドドロー4だな。」


「ふはははは!!バカめ!!その枚数でそれはチャレンジしてくれと・・・」


リアン

「残念だったな、出せるカードは無い、って事で4枚な♪」


「うぎゃぁぁぁ!!!」


京、ひなた、リコ、スノウ、リアン、フィロ、ラズロット、リズロットの8人は食堂車でUNOをかれこれ1時間近くやっている。

前話の緊迫した状態がどうしてこうなったのか・・・


-----------------------

[2時間前]


「うおぉぉぉぉ!!」


怒りに任せ、京の能力で強化された木刀が力任せにラズロットに降り下ろされた。


バキン・・・


しかし、木刀はラズロットに触れることなく、刀身が真っ二つになり弾け飛んだ。


ラズロット

「・・・何かしたですか?」


そして、何事も無かった様に、涼しい顔で首を傾げた。


「嘘だろ・・・」


京はその現実に唖然とした。

なぜなら、折れた木刀は京が能力を最大出力で強化されたていて、500mmの装甲板でさえも軽々切り裂く強度を持っていたからである。


そんな、絶対に折れる事の無い物が、意図も簡単にへし折られれば、唖然としてしまうだろう。


スノウ

「むー、車内での危険品の使用はご遠慮下さい!!」


唖然としている京の手から、木刀の残りを取り上げながら、スノウが危険品の使用に関しての注意をする。


「ちょ!!俺の武器!!」


リアン

「諦めろ、それにもう使えないだろう?」


我に返った京が、抗議の声をあげるが、リアンがそれを制止する。

当然京は抵抗するが、彼の能力は、木製で棒状の武器を持っていないと発動しないという厄介な制約があり、木刀を失った時点で能力が使用不能となっていた。

そして、木刀を取り上げられた京は、普通の人間と変わらないため、ヴァンパイアであるリアンの怪力の前に簡単に制圧されてしまった。


「ちくしょー!!離せ!!怪力女!!」


リアン

「やれやれ・・・で、どうするよコイツら?」


暴れる京を気にする事無く、リアンは京とひなたの今後の扱いをスノウに訪ねる。


スノウ

「そちらの方は、邪神様の許可があるので乗客扱いで問題ありませんが・・・」


スノウは先ず、京の方を見ながら、乗客扱いで規則上問題無い事をつげた。


しかし・・・


スノウ

「そちらの方は、明らかな無賃乗車扱い・・・残念ながら次の駅で鉄道警備兵(レールガード)への引き渡しとなります。」


ひなたの方を見て、スノウは残酷とも言える規則上の彼女の扱いを伝える。


それを聞いたひなたは、青ざめた顔でふるふると首を振り、涙目になりながらそれを拒否する意思を示したが・・・


スノウ

「申し訳ありません、こればかりは規則で定められた事項ですので、僕達の一存では変更できかねます。」


スノウは、首を横に振り、規則通りに処置する事しかできない事を告げた。


「待てよ!!ひなたはどうなるんだ!!」


リアン

「まぁ、重罪の無賃乗車をやらかしたんだ・・・ここならブリザッドの収容所送り(シベリア送り的なものと考えて下さい)だろうな・・・」


「何だよそれ!!ただの無賃乗車だろ!!」


リアン

「解ってねぇな・・・シュバルツァークロイツでは無賃乗車は死刑にされても文句が言えない重罪なんだぜ?」


「な・・・ふざけんじゃねぇ!!そんな事で人を殺すのかよ!!」


リアン

「この世界の人権と人命の価値はそんなもんだ、いい加減諦めろ。」


ひなたの扱いを納得できない京が猛抗議を続けるが、残念ながらそれをリアンとスノウは聞き入れるつもりは無いようだ。


そのとき・・・


ラズロット

「ラズ達が特例を認めれば解決しそうかもですね・・・」


リズロット

「ヴァルハイトの住人がうっかりやっちゃったなら、大目に見ても良いかもなのだ♪」


双子達の発言で話の流れが大きく変わった。


スノウ

「邪神様の特例許可なら問題ありませんね・・・でも宜しいのです?」


リズロット

「ちょっと可愛そうだから助けてあげるのだ♪」


ラズロット

「ラズ達は優しい邪神様なのです♪」


リアン

「だとよ・・・双子に感謝しろ・・・」


双子達の特例許可のお陰で、ひなたの収容所送りは無くなり、京とひなたは胸を撫で下ろした。



ラズロット

「あと、この列車の個室を使うと良いのです♪服のクリーニングもスノウがやってくれるのです♪」


リズロット

「料金は暗黒神殿局の交友費(立派な経費扱い)を使うから心配いらないのだ♪」


双子達は、二人にそれぞれ個室を用意させ、しばらく滞在させるつもりのようだ・・・

暗黒神殿局の予算を使って・・・

もちろん、何か狙いがあるのかと思いきや、実はただの思い付きだったりする。


邪神と戦う理由を削がれる形になるが、拒否する事ができなかったため、京とひなたは渋々双子達に従った。


その後、ひなたは案内された個室(2等個室)で浴衣に着替え、京は目を覚ましたリコに事情を説明していた所に、車内放送で食堂車に呼び出され、現在に至る・・・


何故UNOかというと


ラズロット

「旅先でのUNOは定番なのです♪」


との事らしい・・・


----------------------

[現在]


UNOを続けている最中、列車は出発し、現在は王都を目指して走っている。


ひなた

「ねぇねぇ、この列車ってキハ8500なのに、なんで寝台車がついてるの?」


スノウ

「シュバルツァークロイツが購入時に車輌の改造等を行ったためです。」


ひなた

「あとねあとね、1輌だけ変なの居るけどあれは何?」


スノウ

「事故を起こした別の世界のキハ8500の部品と廃棄予定だったオハネフ25の部品を組み合わせて製造れたキハネフ25という開放寝台車輌です。」


ひなた

「他にも何か改造してるの?」


スノウ

「ヘッドライトがディッチライト(アメリカの車輌に搭載されている左右に点滅する警告用ライト)として使用できるのと、可変ミュージックホーン、警告用ベル、その他色々です。」


そんな中、鉄道マニアのひなたは、眼を輝かせながら、この列車についての質問をスノウに繰り返している。

実は彼女は、名鉄から会津鉄道に移籍したキハ8500に会いに、何度か会津鉄道に足を運んだ猛者である。

ちなみに、キハ8500の廃車が発表された日は、泣きわめいて大変だったらしい・・・(京の証言)


スノウ

「あ・・・」


突然、何かに気付いた様にスノウが立ち上がった。


リアン

「どうした?」


スノウ

「今、本社からの指令が届いたみたいです。」


どうやら、スノウのTCAI中央制御装置(サーバー)にシュバルツァークロイツ本社からの指令が届いたらしい。

今更だが、スノウのTCAI中央制御装置は、G-LINK-V15(重力派通信によるネットワークシステム)により各列車や施設と結ばれ、リアルタイムで情報をやり取りしている。


リアン

「指令内容は?」


スノウ

「運行指令です。えーと・・・Snow expressは、現在地にて待機、第6列車総隊所属の戦闘列車から物資の補給を受けた後、王都まで運行して第3列車総隊と第6列車総隊の混成列車隊に合流しろって言ってます。」


リアン

「おいおい・・・復古主義者(第3列車総隊)に加えて、鉄賊野郎(第6列車総隊)まで出てきたのか?」


指令の内容を聞いたリアンがげんなりしている。

理由は、第6列車総隊の本質にある。

彼等は、様々な経緯を経てシュバルツァークロイツが召し抱える事となった、ブルーブレーンスと呼ばれる海洋世界が密集した地域で暴れまわっていた元海賊達である。

そして彼等は、シュバルツァークロイツの勢力圏内全域の通称破壊を担当している。

要は、シュバルツァークロイツ以外の亜空間シップ(亜空間を航行し世界間を異動する船)等に対する海賊行為・・・いや列車を使用しているから鉄賊行為を繰り返し、シュバルツァークロイツ以外の物流網の破壊を行っているのである。

という事は、彼等はウェストハイト各地の通商連合の施設を襲撃し物資を略奪している事になる。

そして、これから受け取る補給物資の中身は間違いなく、邪神達がご所望しているアレと考えて良い・・・


リアン

「完全に踊らされたなこりゃ・・・」


つまり、こういう事である。

ダーク元帥は、ウェストハイトを反乱へと誘導し武力介入に至る謀略を実行に移した。

フォマー駅長は、武力介入を阻止する為に知恵を絞り、邪神達を介入させた。

一見、相反する二人の行動だが、結果として、通商連合の中核に居た貴族達を排除した。

更に今回の第6列車総隊の介入で、通商連合そのものが壊滅するだろう・・・


そう、この一連の動きは、ウェストハイトの抵抗勢力を極限された破壊で排除したい誰かの意思が働いている。

その誰かとは、この一連の事象を自在にコントロールする事ができる人物・・・となると・・・


リアン

「あのチビ総帥め・・・」


スノウ

「????」


少し考え込んだ末のリアンの呟きに、スノウは首を傾げた・・・






程なくして、補給物資を積んだ第6列車総隊所属の戦闘列車が現れた。

ドクロ旗を掲げ、でかでかとドクロのマークが描かれたその車体は、海賊船の列車版と言って良いものであった。

側面は被弾の衝撃を受け流す傾斜がつけられ、無数の小窓からは発射口が顔を覗かせている。

上面には旋回式の魚雷発射菅を思わせる武器が並び、この車輌の異様なシルエットを更に強調している。


この列車の名前は、"ブラックゴースト"・・・


第6列車総隊の旗列車(フラッグトレイン)を勤める重空間潜航戦闘列車(重戦闘列車に空間飛翔魚雷発射装置と空間潜航装置を装備した列車)で、第6列車総隊司令官のリック=ブラウン元帥が搭乗している。


リアン

「おいおい、司令官がパシリかよ・・・信じらんれぇ・・・」


呆れ顔のリアンをよそに、物資の積み込み作業が始められた。

もちろん中身は、リアンの予想通り第6列車総隊が通商連合の集積所から略奪したカルーアだった・・・


ラズロット

「カルーアなのです♪」


リズロット

「わーい♪わーい♪」



…To be continued



そういえば、最近UNOって見ませんね。

幻想入りしてしまったのでしょうか・・・

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