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第27話「双子のGenocide」

[城西都市ウロ]


衛兵

「あいつらバケモノだぁぁぁ!!」


騎士

「お前ら逃げるな!!うぁぁぁ!!来るなぁぁぁ!!」


アルトゥール公爵の居る城館では、警備をしていた兵士達が泣き叫びながら逃げ惑っていた。

その床には、壊れた人形の様にバラバラになったに人の身体のパーツが所狭しと散乱している。

原因は、ゆっくりと歩みを進めるゴスロリ服の二人・・・双子の邪神ラズロットとリズロットである。


彼女らは、低空で進入した列車から飛び降り、この城館の正面にある広い庭に着地した。

当然こそ、ここを守る兵士達が果敢に二人に挑んでいったが、ラズロットは圧倒的な魔力でリズロットは驚異的な身体能力でそれらを蹂躙しながら突き進んだ結界、現在のこの参上に至る。


大柄な騎士

「死ねやバケモンがぁぁぁ!!」


甲冑に身を包んだ身の丈4メートル位の大男がリズロットにポールアクス(槍の様な柄の先に斧の刃が付いている騎士がよく使う武器)を力一杯降り下ろす。


ガキィィン・・・


しかし、リズロットの細く小さな人差し指が難なくそれを受け止める。

さらにリズロットは、反対側の小さな手でポールアクスの柄を掴みそれをグニャリとねじ曲げた。


それを見た大柄な騎士は、腰を抜かしヘタリ込む。

そして、それの前にラズロットはしゃがみ満面の笑みでこう告げる。


ラズロット

「人体模型と骨格標本どっちが好きですか?」


大柄な騎士は本能で危険を察知し、這いずる様にそこから逃げようとするが・・・


大柄な騎士

「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!」


身体を構成している皮膚、内蔵、筋肉・・・骨以外の全てが液状化し流れ落ち始める。


大柄な騎士

「あ″ぁぁぁ・・・」


大柄な騎士は流れ落ちていくそれを、必死でかき集める様にのたうち回りそして、骨だけになり崩れ落ちた。


それを確認した二人は再びゆっくりと歩き始める。


衛兵隊長

「これ以上進ませ・・・ごふぁっ」


衛兵達

「あべしぃぃ」



100人程の衛兵を率いた衛兵隊長が先頭に立ち、突撃をかけるが、同時に放たれた、ラズロットの魔力弾とリズロットの衝撃波に全員が吹き飛ばされバラバラの肉片になる。


・・・と、こんな調子で常に認識できるアルトゥール公爵の居る場所を目指してゆっくりと歩みをすすめている。



もはやこれは戦いながらと言うより、群がるハエを叩き落としながら進んでいると言った方が良い程の一方的な戦いだった。



[城館の地下通路]


城館から外に通じる地下通路には、数人の護衛に守られ、安全な場所に逃げる最中のアルトゥール公爵の姿があった。


アルトゥール公爵

「い・・・いったい、何が起こったと言うのだ?」


護衛1

「私にも訳が分かりません・・・」


護衛2

「襲撃してきた列車からバケモノの様な力を持った二人の子供が現れて・・・」


アルトゥール公爵

「たった二人で・・・」


衛兵達

「アルトゥール公殿!!ご無事でしたか!!」


地下通路の奥から、100人程の増援の兵達が現れた。


衛兵

「襲撃者は?」


アルトゥール公爵

「我々を追って来ている・・・」


衛兵

「我々がここで食い止めます。その間におにg・・・ぶべらっ!!」


お逃げ下さいと言おうとした衛兵の頭が吹き飛んだ。


ラズロット

「頭、没シュートなのです♪」


リズロット

「チャラッチャラッチャーン♪(世界不○議発見のあの曲)」


城館側の通路から、緊張感の欠如したセリフと共に、ラズロットとリズロットが姿を現した。


アルトゥール公爵

「き・・・貴様ら・・・何者だ?」


双子の放つプレッシャーに耐えつつ、絞り出す様な声で問いかけるアルトゥール公爵。


それに対し、


ラズロット

「シュバルツァークロイツの双子の邪神って知らないですか?」


リズロット

「とっても優しい守護神様で有名なのだ♪」


と、疫病神の間違いじゃないかと、突っ込みたくなる様な内容の答えを返す二人。


だが、そのふざけているとしか思えない返答で、アルトゥール公爵は二人の正体に気付いた。


暗黒武装鉄道結社シュバルツァークロイツで守護神として崇められている、邪神であるということに。


リズロット

「そろそろ飽きてきたからポアっちゃうから覚悟するのだ♪」


ラズロット

「ポアは古いのです・・・最高ですかぁ♪」


アルトゥール公爵

「なんの事だ?」


ラズロット

「むぅぅぅ、そこは″最高デース♪″って答えなきゃダメなのです!!」


????

「どっちもネタ古過ぎだな。」


昔流行った某宗教団体のネタでふざけている双子達に、若い少年の声でダメ出しが入った。

そして、声のした方を見ると、学生服に身を包んだ、黒髪の少年が立っていた。

立っている少年は、双子の邪神を倒すためにヴァルハイトの管理者が送り込んだ、京であった。


「やっと見つけたぞ邪神!!思ってたよりチビだな・・・」


リズロット

「いきなりチビとは失礼なのだ!!」


ラズロット

「ふざけた事抜かすと、机の横を通るときに必ず足の小指をぶつける呪いかけるですよ。」


「何だよその、微妙かつ地味な呪いは・・・てか、お前らがヴァルハイトの管理者が言ってた双子の邪神なんだよな?」


ラズロットとリズロットのイメージが自分自身の描いていた邪神のイメージとあまりにもかけ離れていたため、思わず確認してしまう京・・・


しかし双子達は・・・


ラズロット

「まずはそっちが名乗れこのおバカちんなのです!」


リズロット

「バーカバーカ♪」


と、完全に馬鹿にした態度でいる。


「このクソチビ・・・まぁいい、俺は御影(みかげ) (きょう)、邪神を倒すためにヴァルハイトからやって来た。」


双子達のふざけた態度に、一瞬ブチキレそうになったが、小さな子供相手に大人気ないと思い何とか冷静に対応する。


「名乗ったぞ!!」


ラズロット

「名乗ったですね・・・でもラズは名乗るとは一言も言ってないのです♪」


「思いっきり名乗ってるだろうが!!」


ラズロット

「うるさいのです!!細かい事気にしたら負けなのです!!」


何時もの調子で、自分を名前で呼んで名前をうっかり明かしてしまったラズロット・・・

そこを京にツッコまれ、真っ赤になって苦し紛れにごまかすが、全然ごまかせてない・・・


「とは言っても、名前が分かっただけじゃどうしようもないがな・・・まぁ、管理者と同じ気配だから間違いないだろう・・・というわけで大人しく俺にブッ倒されろ。」


京はそう言うと、背負っていた木刀を持ち、それに自分の力を込める。

力が込められた木刀は青白い光を帯び、京はそれを確認し上段に構える。


ラズロット

「ちょっと待つのです♪」


リズロット

「おかたずけが終わって無いのだ♪」


ラズロットとリズロットはそう言うと、お互いの手を取り、今まで聞いたことの無い言語の呪文をとなえる。


そして、


リズロット

「ひとつになりて、万物の法則を破壊せん・・・」


ラズロット

「ひとつになりて、万物の法則を創造せん・・・」


二人がそれぞれの言葉を言った瞬間、漆黒の闇の塊がうまれ、一気にウロの街全てを飲み込んだ。

しばらくすると、その漆黒の闇から光が生まれ、一気に弾け今度は光に包まれた。

そして、光が収まった時、そこには城塞都市ウロの姿が消えてしまっていた。

当然、アルトゥール公爵はじめ、ウロに展開していた諸公軍の姿も無い。


「一体何が・・・?」


目の前の状況に理解が追い付かない京は、唖然としている。


ラズロット

「この街一帯の、存在情報を改変して無に還しただけなのですが・・・」


リズロット

「お前もついでに無に還した筈なのに、存在情報が残っているのだ・・・」


ラズロット

「神の情報改変を受け付けない存在・・・それなら神を倒せるかもですね・・・」


リズロット

「でも、神を超える戦闘能力が大前提だからまず無理無理だと思うのだ♪」


さらっと、物騒な事を言う双子達・・・

どうやら、京達は神が行える世界の構成情報への干渉を受け付けない力を持っているようだ。

ヴァルハイトの第1世界管理者はそれに目を付け、双子の邪神を殺す手段として研究しているようだ。

ただ、それは彼等が双子の邪神を超える力を持つのが大前提で、事実上不可能に近い。

それに、例えそうなり双子の邪神を倒せたとしても、彼等は神を超越した存在となり、管理者達の制御の利かない非常に危険な存在という毒にしかならない。


ラズロット

「ヴァルハイトの管理者達はもっと想像力を持つべきだと思うです・・・」


リズロット

「力を持つのが弱っちい相手の言いなりにならない事ぐらい、少し考えれば解る事なのだ・・・」


当然ながら、ラズロットとリズロットはその危険性にも、実現性の無さにも気付いているが、


ラズロット

「丁度良い暇潰しだから、放置なのです♪」


リズロット

「それは名案なのだ♪」


丁度良い暇潰しとして、その事を管理者達に伝えず、放置することにしたようだ。


そんななか、上空で待機していたSnow expressがループ線の様な軌道を描きながら降下してきていた。


ラズロット

「そろそろティータイムにするのです♪」


それを見た、ラズロットは唐突にティータイム宣言をする。


「ちょっと待てよお前等、どんだけマイペースなんだよ!!」


二人の余りのマイペースぶりに、声を粗げる京だったが、リズロットは全くそれを気にせず、


リズロット

「ティータイムは生理現象だから仕方ないのだ・・・しばらく待つのだ♪」


・・・と、ティータイムは生理現象だから仕方ないと言い放ち、降りてきたSnow expressに手を振った。


Snow expressは、それに応えるようにミュージックホーンを奏でる。


「この音色・・・」


その音色は、京が通学の時に良く聞いている音色であった。

そう、名鉄の特急列車が駅のホームに侵入するときに奏でるお決まりのフレーズ・・・


「俺の地元の列車?!一体どうなってるんだ・・・」


その光景に困惑する京を余所に、Snow expressはミュージックホーンをたっぷり4コーラス奏で、最後にブルーライナー用のミュージックホーン(しなやかな風)を1コーラス奏で双子達が居るすぐ上に停車した。




…To be continued




やはり、この物語の中心には、キハ8500系気動車があるべきだ!!

・・・という事で、京とひなたは名古屋近郊在住での通学で名鉄電車を利用しているという設定です。


後、ひなたの設定で、軽い鉄道ファンを付けようか迷ってます。

もしも、鉄道ファンだったら、キハ8500系気動車のフル編成+1の夜行仕様であるSnow expressを見た瞬間、狂喜乱舞しそうな気がします。


それにしても、キャラクター達が勝手に動いて言うことを聞いてくれません・・・何とか邪神達と京を戦わせたいのですが・・・

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