053 彼氏育成イベント?
「クロエです!
みなさん、中学生で結婚ってどう思いますか?
個人的には魔法より異世界感あるかもって思います!」
『アンチマジック宣言』アコギバージョンを作りました。聴いてね!
https://www.youtube.com/watch?v=Bt4YeVcIDTc
「こんにちは!」
アンヌがドアを開ける。
後ろにはヴィクトールさんがいた。
「ソフィさん、ご無沙汰している。
いつもアンヌやクララが世話になっている。
この通りだ」
頭を下げた。
ヴィクトールさんは、おかあさんの強いすすめで部屋に入った。
困り顔だ。
「いや、ソフィさん、この後市長に挨拶しなきゃならんのだ。
それに、市の幹部会があってな………」
そこにアリシア先生を見つけた。
「おいこら!アリシア!
そこで寛いでんじゃねえ!」
「うは!た、隊長!」
「まあ、ちょうどいい。
クロエのこと報告しろ」
………
………
………
「わかった」
「クロエはアリシアとの魔法授業、というか研究のようになっているが。
これを続けたいか?」
こく
「アリシア先生には大変お世話になっています。
もし可能なら、
―――アリシア先生との授業やマナ研究を継続させてもらえるなら、
魔法院の属性研究ができない私にとって、大変貴重なものとなります。
どうか、このまま続けさせてください」
頭を下げた。
「アリシアはどうだ?」
「はい!衛士隊の訓練よりこっちの方がいいです!」
ギロ!
ヴィクトールさんに睨まれた!
「お前には、したいかしたくないかを聞いているんじゃねえ!
市の治安維持者としての見解を聞いているんだ」
「は、はい!済みません!」
「まあいい、今のところ衛士隊では一般的なパトロールと訓練しかないからな。
境界門の警戒レベルは少し上げるかもしれんが………
おまえがクロエの側にいた方が、市内での治安維持に役立つだろう………」
「それに研究者志望のお前には、確かにクロエとの授業の方が面白いだろう」
「クララ、勉強は順調か?」
「はい、おじさん。
後期試験も頑張りたいです」
「それから………
もし両親の残したお金が足りるならですけど、魔法院を卒業したら魔法大学に進学したいです」
!!
クララ、決めたんだね。
「わかった。資金の心配はしなくていい。
ただ、お前は真面目だからな。
思い切り勉強できる環境を整える意味では、奨学金についてもパオロ先生に確認しておくことを勧める」
「ありがとうございます」
私の視線がヴィクトールさんとおかあさんとクララの間をぐるぐるさまよっているのを見たヴィクトールさんが、
「クロエも魔法大学に行きたいのか?」
「はい………
おかあさんが、私の成績表を見て、魔法院を出ても就職できないんじゃないかって心配してくれたんです」
おかあさん
「ええ、マナ基礎値以外が0点なの。
普通の就職先はないんじゃないかしら………」
「確かにそうだな」
「でも、マナだけは豊富なので、魔法大学で魔素学を修めれば、
この力をちゃんと形にできると思ったんです」
「わかった。ただ、そのことはバルディーニ助祭に相談しなきゃならんぞ?」
クララの保護者はヴィクトールさんだけど、私の保護者は神殿だもんね………
おかあさんはそれを聞いて、何か言いたそうに――でも、言葉を飲み込んでいた。
ヴィクトールさん 「ん? ソフィさん、何かあるのか?」
「いえ、今はまだいいわ………」
「マリィもエリスも婚約者が決まってよかったな!
といってもこれからだが………」
マリィ 「うまくいくよう頑張ります」
エリス 「もう、両家の親同士も挨拶してもらった。抜かりはない」
ヴィクトールさん 「うちもこれから大変だ………」
アンヌ 「父ちゃん、なんかテオに含むところでもあんのか?」
「い、いや、い、いい青年だと思うぞ!」
「みんな聞いてよ!父ちゃんたらいつも家にいないくせに、
昨日帰ってきたと思ったら、いきなりテオを呼びつけたんだよ!」
アンヌはプンプンだ!
「いや、俺の仕事柄、しょうがねえだろ!いつも家にいないんだから!」
「そういうときはこっちから相手のうちに挨拶に行かなきゃダメでしょ!」
「テオは魔法院の寮にいたじゃねえか。だったら家で会うしか方法がないだろ!」
なんか親子げんかが始まっちゃったよ………
おかあさんが「まあまあ」と場を収めてくれたよ………
「こういうときニナがいないと大変ねぇ」
「まったくだぜ」
「ニナの代わりにはなれないけど、私にできることがあったら手伝うわ」
「サンキュー、ソフィさん!」
「わりいな。そのときはよろしく頼む」
ヴィクトールさんはミレーヌ先生に
「アリシアをよろしく頼む」
と言うと、慌てて市庁舎に去って行った。
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昼は軽く食べて、夜早めのパーティー(2日目)をすることになった。
ミレーヌ先生が昨日の鹿フィレのステーキがいかに美味しかったか、
食べられなかった3人に語りまくった。
先生、ちょっと子供っぽいよ!
アンヌ 「やっぱり父ちゃんは、ほっとくべきだったか………」
エリス 「ぐぬぬ。キラキラ会メンバーよりごちそうを食べるなんて許されない」
「キラキラ会」 自分で言っちゃってるし!
私 「でも、今日は鹿もも肉のロースト作るから!
あと、昨日の鹿フィレとロースは、コロコロステーキにするから心配しないで!」
「クロエは魔素学研究者より料理研究家になるべき」
色々な話題が出たが、
エリスからかねてからの懸案が出た。
「彼氏の育成が必要」
アンヌが強く頷く
マリィ 「具体案があるの?」
「クロエのマナ譲渡を受ける機会を増やす必要がある。
クロエのマナ譲渡の質・量は、クロエとの関係性の強さで決まっている」
と私を見る。
「でもさ、私とルーカス・クロード・テオがスキンシップを深めるのはダメでしょ?」
「私的な婚約式を行う」
??
一同
エリスは顔を赤らめて
「たとえば、ルーカスと私がキラキラ会のメンバーに向かって、お互いの気持ちを述べ合う。
それをクロエに祝福してもらう」
「これまでの経験から見て、クロエのマナの質が高まる時は、
特別なイベントが発生し、クロエの感情が高まった場合であることは明らか」
エリスはさらに顔を赤らめて、
「であれば、愛の誓いを“儀式”として成立させ、その祝福役をクロエに任せれば、
マナの質が最高になる可能性がある」
「ぎやゃーーーーーーーーーーーー
は、恥ずかしすぎるーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
アンヌがトイレに行っちゃったよ。
「これなら、クロエは直接スキンシップが必要ない。
完璧なプラン」
しばらくすると、アンヌがトイレから復帰した。
「お、親も呼ぶつもり?」
「キラキラ会のメンバーで効果が不十分であれば」
アンヌは白目をむいた。
マリィ 「とりあえず、親抜きでしましょう!」
クララ 「アンヌちゃん、たぶん効果は確実よ?」
「アンヌが一番頑張るべき。なぜならテオが一番必要だから」
私は前世での一般的な結婚式の説明をした。
新郎入場
ゲストは全員立ち上がって新郎を迎える。新郎は入場してから祭壇の前に立つ。
↓
新婦入場
新婦が親御(普通は父親)と共に入場し、バージンロードを歩いて新郎のところに進む。
↓
賛美歌斉唱
ゲストは起立したまま、聖歌隊と共に全員で賛美歌を歌う。
↓
聖典朗読
司祭が聖書の中から婚姻にふさわしい教えを朗読する。その後新郎新婦のために神に祈りをささげる。
↓
誓いの言葉
結婚式の中で最も大切な場面。司祭の問い掛けに、新郎→新婦の順で答えて結婚の誓約をする。
↓
指輪交換
二人の結婚誓約の証として指輪を交換する。新郎から新婦へ、その後新婦から新郎へ相手の指に指輪をはめる。
↓
ベールアップ&ウエディングキス
新郎が新婦のベールを挙げてウエディングキスをする。
↓
結婚宣言
新郎新婦が手を重ねてその上から司祭が手を置きます。その後、神とゲストの前で新郎新婦が夫婦になったことを宣言する。
↓
結婚証明書に署名
新郎新婦が署名した後、司祭が結婚証明書にサインをする。
↓
結婚成立の報告
司祭が結婚の成立を報告し、閉式を伝える。
↓
新郎新婦退場
ゲストに見送られながら新郎新婦が退場する。
↓
挙式後セレモニー
挙式後にフラワーシャワーやブーケトスなどのセレモニーを行う。
「とまあ……ざっとこんな感じかな」
「結婚式と婚約式の違いはあるけれど、ここでの結婚式とかぶらないなら参考にできるかも」
その上で、変更箇所を挙げてみる。
1.まず参加者だね。ゲストとして誰を呼ぶか。
2.次に親は参加しないようにするってことだよね。
3.賛美歌と聖歌隊をどうするか。
クララ「聖歌隊って何」
「神を賛美する聖歌をね、歌ってくれる合唱団がいたんだよ」
これも難しいかな?
4.聖典朗読だけど、私的にやるので司祭の立場に私を入れるんでしょ?
聖典朗読の代わりに、私がもっともらしいことを話せばいいんだよね。
5.結婚を誓う言葉があればなんだけど、ありそう?
クララ「決まった言葉はないよね?」
ミレーヌ先生「でも言って欲しい言葉はあるわよ!そうね私なら
『ミレーヌには一生美味しいごはんを食べさせてあげるよ』かな?」
「はいはい」
6.指輪って高い?
アリシア先生 「知り合いの土魔法師に頼めば安くできるわよ~」
「じゃあ、あったほうがいいよね」
アンヌ うっとり
「そうね………」
7.ベールアップ&ウエディングキス
「これは無理」
アンヌは真っ赤、マリィは難しい顔だ。
私 「でも、してくれたら、最高のマナが出せる気がする」
エリス 「問題は男子側。
頷かせるのはとっても難しい」
8.結婚宣言:ほら、ここで「輪になってトランスファー」をかければいいんだよね?
エリス 「そう、これなら確実に効果が出る」
9.結婚証明書のところはどうすればいい?まだ、結婚するわけじゃないでしょ?
エリス 「二人の署名の下にキラキラ会の署名を入れたらいい」
みんな考え込んじゃったな。
「そもそもここでの結婚式ってどんな感じなの?」
ミレーヌ先生 「そうね~ 両家の親族が集まってパーティーかな~
クロエちゃんが話してくれた、指輪、キス、証明書はないから、結婚パーティーとはダブらないかも」
アリシア先生 「結婚の証明はないけど、出生の届けは必要ね。将来の納税者の把握のためだけど」
ミレーヌ先生 「そもそも人前でキスの習慣はあんまりないかな~
でも、逆に、式だからって理由でやっちゃう方がうまくいくかもしれないよ~」
最後にウェディングドレスの話をした。
みんな、前のめりになったよ!
――一気に空気が変わったかも。
おかあさんも、「それはクロエちゃんにも着てもらわなきゃいけないわ!」
今日はテオ君です!
「いやー、僕なんて端役も端役ですよ。こんなとこに出ちゃダメです」
「でも、君身長180cmあるんでしょ!それだけで勝ち組だってば!」
「はあ」
「それに主要キャラ捕まえちゃったし!」
「はあ」
テオ君にもっとしっかりしてもらいたい方は、リアクション(ブックマーク・評価)をお願いします(・_・)(._.)




