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チートなんてない!(連載)  作者: ayane_project


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052 スリープと鹿料理で年越し

「作者です!」「クロエです!」

「前回、女子寮のフロアマップを作りました。一年女子の寮生活楽しそうですね!」

「作者さん、私も寮に入りたいよ」

「でも、さちのこともほっとけないし。そもそもクロエが属性魔法を使えないのが原因だからなー」


「アンチマジック宣言」のアコギバージョンを作りました。聴いてね!

https://www.youtube.com/watch?v=Bt4YeVcIDTc

スリープは――順調に仕上がっている。


アリシア先生とミレーヌ先生に協力してもらっているため、一人の先生は観察役、もう一人の先生は被験者役になってもらう。


まず、トランスファーと同じく、通常の発語を試してみる。

『水よ、主神アルテミスに信仰を捧げる。マナの命ずるまま、しもべ・アリシアを眠らせ給え、スリープ』

ミレーヌ先生

「発現しないわね…………」


では、神さま要素を外した、オリジナルスペルを試す。

『水よ……マナ譲渡により眠れ、対象:アリシア先生、スリープ』

アリシア先生はうつらうつらした。

ミレーヌ先生

「発現はしてるけど、効果が弱いわね…………」

そこでトランスファーと同じやり方にする。

つまり、発語のあとで発動動作をつけるのだ。


スリープを発語し手を握る。

アリシア先生

「はぁー 気持ちいい…………」

とたんに、がっくり深い眠りについた。


ミレーヌ先生が小さなウォーターを発語してアリシア先生を起こす。

アリシア先生 「完全に意識を失ったわ」

ミレーヌ先生 「でも防御魔法としてはダメね。手を握らなければいけないなら、相手の攻撃の方が早いと思うし」


そこで、マナを譲渡するのではなく、マナを放出するようイメージを変えてみた。

『水よ……マナ放射!・対象アリシア先生、スリープ』

白い光が、一直線にアリシア先生へ吸い込まれた。


アリシア先生は、がっくりと眠った。

アリシア先生

「選手交代よミレーヌ! 眠ったり起きたりでふらふらしちゃう!」


次は属性宣言の省略だ。

『マナ放射!――対象ミレーヌ先生、スリープ』

白いビームがミレーヌ先生の胸に飛び込む!

ミレーヌ先生

「ああ!」

がっくり意識を失った。


アリシア先生がコールドウィンドをミレーヌ先生の顔に吹き付けて起こす。

私 「先生痛かったですか?」

ミレーヌ先生 「いいえ? 気持ちよかったわ」

アリシア先生 「見た目は白いビームで胸を打たれたみたいだったよ?」

見た目は心臓に悪いね…………


アリシア先生 「これを見たら、クロエちゃんて属性関係ないのね…………

もしかしたら全属性いけるんじゃないの?」

「いいえ、属性と言うよりマナ譲渡で直接相手の状態を変化させているだけですから。

火、水、風、土、どれも属性発現はできないです」

これは、かけらもできそうにないね。


じゃあ、最終形

『眠れ! スリープ』


いちおう成功したけど、マナ放射を発語しないと効果が弱いみたいだ。

イメージがまとまらないのかも…………



年末の押し迫ったお休みの日に、屋外での実験となった。


アリシア先生

「私やミレーヌを眠らせても、本番で相手を眠らせられるとは思えないわ。

敵対的だったり、回避行動をとる相手が必要ね」


「確かにそうですけど、そんな練習相手いるんですか?」

アリシア先生もミレーヌ先生もなぜかにこにこしている。

何だろう?

「森に行くわよ!」


狩りに行くんだって…………

アリシア先生は衛士基地から馬を2頭連れてきた。

今日は3人とも狩人の格好だ。

二人は剣と弓も所持している。

私も狩猟服を買わされたよ…………


「こんな服買っても使い道ないんじゃ?」

アリシア先生

「魔法院ではないかもね。

でも、クロエちゃんは必要になるかもしれないよ?」


「そうかなあ…………」


南下する川に従い、馬で森まで遠出する。

私はアリシア先生の馬に乗せてもらっている。


モデルテ市より南は境界門しかないので、あまり開発されていない。

そこで狩猟実験するのだ。


ミレーヌ先生 「猪食べてみたい!」

アリシア先生 「持って帰れないからダメ!」

「じゃあ鹿は?」

「子鹿なら大丈夫かな?」

「うん、きっと、若い鹿のほうがクセがなくて美味しいよ!」

「食べるの?」

「「当たり前でしょ!」」

…………それで二人ともにこにこしてたのか…………


「実験失敗するかもしれませんよ?」

ミレーヌ先生

「いい、この実験は暴漢から身を守るため、

失敗が許されない魔法を発語する実験なのよ」

「はい…………」

「失敗したらごはんが食べられなくなると思えば、

似たような状況が作れるじゃない!」


…………

ほんとかなー

そう言えば、ミレーヌ先生ってば、ずっとハンバーグ食べたいって、だだをこねてたし。

アイスバインの時もすっごく美味しそうに食べてたよね…………


まあいいか。


アリシア先生 「お、あそこに山鳥がいるよ」

探知魔法を使っているみたい。

他の二人には見えないけど。

「ああ、山鳥!どんな味なのかしら!」

「ミレーヌ、黙ってて」

アリシア先生の先導で獲物に近づく。

アリシア先生は、探知魔法にくわえ、消音か気配を消す魔法を使ったようだ。


(クロエちゃん、ここが限界ね。

ここからスリープ発語できる?)

(はい

『マナ放射・眠れ! スリープ』

マナのビームが山鳥のそばを通り過ぎた!

山鳥は驚いて逃げて行った…………


それから何度か試したが、獲物に当てることが出来なかった…………

「クロエちゃん、ごはんがなくなっちゃう!」

ミレーヌ先生のプレッシャーがきついよ。

うーーん

マナの散水(拡散)するイメージで放射すればいいのかな?

「じゃあ、ちょっと工夫してみますね」


『マナの散水・眠れ! スプレイ・スリープ【SPRAY SLEEP】』


山鳥ゲットできたよ!

やったね!

ミレーヌ先生 「イェーイ!」

アリシア先生 「食材が欲しいだけで、新魔法ができちゃうとか、あり得ないわね」

「ただ、ビームより効果は弱いかな?」


「それでも暴漢相手には効果的か…………

あとは、この魔法の場合、味方への誤射に注意する訓練が必要ね」


その後、鳥をさらに2羽捕まえて、若鹿も捕まえた。

ミレーヌ先生はにっこにこだ。

「あー クロエちゃん、どんなお料理作ってくれるの?」


私が作る前提なの?


びっくりしていると、アリシア先生が

「私は隊長の命令で、仕事としてクロエの訓練をしているよね?」

「ああ…………」

そういえば。

「ミレーヌは、食事でつったんだよ」

「納得です」


最後に思いついたことを試させてもらった。


「森のみんな~ マナを分けてあげるから集まっておいで~」

そう言って、マナを薄くまわりに放射した。

噴水みたいなイメージだ


森の小動物や鳥が――

吸い寄せられるみたいに、私たちのまわりに集まってきた。


やっぱりか~

そんな気はしたんだよね。

なんか私のマナでみんな気持ちよくなってるから、動物たちも惹かれると思ったんだよ。


「スリープ放射の訓練じゃなきゃ、こうすれば動物は簡単に捕まえられるかも」


先生達はびっくりしてたよ。


挿絵(By みてみん)


________________________________________


12月の最終日

両先生とクララ、私、さちはおかあさんのうちに集まった。

大晦日~年始の年越しパーティーを開くのだ。


マリィ、エリス、アンヌは家族と過ごさねばならない。

「「「年始の午後には参加するから、お料理は残しておいて!」」」

そう強く言うと、彼女たちは家族の元に去って行った。


素材は十分にある。

これまでの、アイスバインやコンフィの反省から、先週の狩りのあと、解体・熟成をしておいたのだ。

というか、

スリープ練習から熟成・パーティーまでがミレーヌ先生の計画だったらしい…………


どこまで食いしん坊さんなの!




おかあさんと相談して鹿肉の下処理をする。

「私も鹿肉の調理はしたことないけど、クロエちゃん大丈夫?」

「うん、さちの力で調べてきたよ」


1.臭みの原因である「血」を徹底的に抜く。

鹿肉のブロックをウォーターで洗い、表面の汚れや血の塊を落とす。

コールドウォーターの容器に肉を沈め、30分に一度くらいコールドウォーターをかけ直す。水がだんだん赤く濁らなくなってきたらOK。

2.肉の表面の水分を、丁寧に拭き取る。

3.また二重油紙で、肉を傷めないように注意し、ピュリファイをかけた上で、パーティー前日まで熟成させる。

「今回は準備がバッチリだから!」


4.ロースとフィレはステーキにする。

5.パーティー前日に、ペーパーで表面の水分をしっかり拭き取る。

6.スライスした玉ねぎ、セロリ、ニンニク、そしてローズマリーやローリエを入れ、鹿肉に赤ワインを肉が浸るくらい注ぎ一晩寝かせる。

7.肉の表面に浅く切り込みを入れ、筋を切る。

8.塩コショウは焼く直前に振り、オリーブオイルで焼く。

おかあさん

「アンヌちゃん達には悪いけど、今晩はいる人だけで食べちゃいましょう」


山鳥は前回同様コンフィにしたよ。

さあ

大晦日のパーティーだ!


________________________________________


アリシア先生 「やっと私もごちそうにありつけたよ!」

ミレーヌ先生 「この鹿肉のフィレのステーキ、美味しーーー!」

おかあさん 「ほんとね。全然臭みがないし、とてもあっさりしているわ」

クララ 「鹿肉って初めて食べたけど、おいしいのね」

さち もぐもぐ

私 「火入れが成功してよかった~~」

おかあさん 「山鳥のコンフィも前回よりうまくできたわね!」

ミレーヌ先生 「ああ、これがエリスちゃんに自慢されて悔しい思いをしたコンフィ…………

美味しいよーーー」


先生ってアンヌより食いしんぼじゃないの?


それから私のスリープの話になった。

………

………

………

おかあさん 「ひと安心でいいのかしら………」

アリシア先生 「バルディーニ先生独自の監視体制があるそうですし、

私も隊長から警護の指示を受けています。

これで、クロエ自身に身を守る術があれば、基本的に警護の漏れはないのでは。

そう思っています」


おかあさん 「そう、 ね」

ミレーヌ先生 「今年の一年生の授業内容や実力は、魔法院関係者しか知らないから。

今は大丈夫ね」

クララが反応した 「将来的には危険があるのですか?」

「三年生になると、卒業後の就職先を見据えた実習が始まるでしょ?」

「そうすると、一年生の実力が嫌でも知れ渡っちゃうのね………」


おかあさん 「その原因がクロエちゃんだと知られると、

各職場でクロエちゃんの奪い合いになると言うことですか?」

クララ 「でも、それは就職活動の一環ですよね?」

アリシア先生 「よからぬことを考えるヤツらが出るかもしれないということか………」

おかあさんは黙ってしまった。


大晦日の日に暗い話はしたくない

「おかあさん、まだ2年も先の話だよ!

私、今回のことで自信ができたし、来年はもっと頑張るよ!

来月には一緒にリナちゃんのお墓参りにも行こうよ!」

クララ 「そうですよ、今年一年、クロエちゃんのおかげで、とっても楽しかったんですよ」


私とクララはお茶会の罰ゲームでの話や、水コースの女子達の話をして大いに盛り上がったのだった。

おかあさん、心配しないでね。


私、来年はもっと頑張るから。


――だから、心配しないで。


クロエ「ミレーヌ先生はこれまででどのお料理が気に入りましたか?」

「アイスバインと、鹿フィレのステーキと、山鳥のコンフィしか食べてないんじゃ評価できないわ」

「つまり、もっと食べさせなさいと?」

「あ、でも今日の鹿フィレは自分で狩りをしたし、その意味じゃ最高だったわ!」

「…………捕まえたの私ですけどね…………」

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