046 魔素学概論
クロエ達が誕生日会で歌った歌がこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=LnJuAtDgCBo
クロエも13歳だね。
夕べはみんなで夜更かししたので朝寝坊。
この世界ではちょっと罪悪感あるけど。
起き出すのが遅かったので、昼食を遅めに食べて解散することになった。
鴨のコンフィの続きを作る。
5.翌朝、鴨肉を瓶から取り出して、水気をしっかりと切る。
6.温めた鴨の脂の中にニンニク、タイム、ローリエを加え、
低温で四時間ほど煮ていく。
アンヌ「テンパラチャー・ロウ、これくらいか?」
「テンパラチャー・ロウ」アンヌが重ねがけする。
コンロに薪は入れず、直接油を熱しているのだ。
おかあさんに「どうかな?」「温度はいい感じだと思うけど、アンヌちゃん維持できる?」
テンパラチャーは温度維持の魔法だ。定期的に重ねがけをすれば、一定の温度が維持される。
7.鉄鍋に鴨脂を少量加え、鴨肉を皮から焼いていく。脂を落としながら皮にしっかりと焼き色をつける。同じ鍋にジャガイモを乗せて一緒に焼く。
8.お皿にジャガイモ、コンフィにしたニンニク、鴨肉を盛りつける。タイム、ローリエなどを飾って鴨のコンフィの完成だ!
「うめー!!最近うまいもんばっか食べてるな!」 アンヌ
エリス「クロエは料理人になったらいい。クロエのお店に食べに行く」
マリィ「鳥肉って、こんなに柔らかいの?」
「このお料理は、長時間煮込むからね」
自分で作っておいてなんなんだけど、目覚めて以来初めての鳥料理だ。
昨日の魚料理も初めてだったけど。
おいしいな~
こんなに贅沢しちゃうと、孤児院のごはん食べられなくなりそうだよ。
クララ「クロエちゃんホントにおいしいよ。クロエちゃんにもお料理教わらないとね」
「私じゃなくて、さちが検索したレシピだよ」
ね!っと、さちを見ると、
「ちがう。これはクロエの前世知識だからクロエの力」
「さちと私の、二人の力だよ!」
さちの手を取って、ぶんぶん振ってみる。
「お肉がほろほろとほぐれて、でもハーブと鴨油の力で、とってもコクがあっておいしいわ」
「たぶんきちんと保存すれば1ヶ月は大丈夫のはず
ここではピュリファイがあるから、たぶんもっと保存がきくと思うんだけど」
「それでいっぱい作ったのね。じゃあ、クロエちゃんが次に来たとき、また頂きましょうね」
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王都から『魔素学概論』が届いた。
バルが2冊も渡してくれた。
活版印刷のない世界では、専門書2冊は大盤振る舞いだと思う。
魔素学に関しては、友達参加のOKが出ているため、3限後に使用許可が出ている空き教室でやることになった。
アリシア先生とのマンツーマンは時間を遅らせることになる。
アリシア先生
「人数分の教材がないため、輪番制で発表者が説明し、その後でみんなでディスカッションしましょう」
最初はクララと私が発表者になることにした。
クララと私で一冊ずつ本を手に取る。
序論 魔素学の目的
第1章 魔素の定義
第2章 魔素の分布
第3章 魔素の活用
第4章 魔素の社会的意義
目次はこうだった。
私「魔素学って何かってことだよね」
クララ「マナと魔素って違うのかしら?」
魔素とは、この世界において
あらゆる生命活動に働きかける
特殊な元素の総称らしい。
つまり、
マナも魔臓も含めて、
まだ正体が分かっていないものを
まとめて「魔素」と呼んでいる。
「境界門の外にいるマナ異常種のマナや魔臓と、
境界門内の生き物のマナや魔臓が同じものか、
分からないからみたい」クララ
「境界門って何度か聞いたけど、何?」
「そこを境に、魔物の世界になっていて、人間には危ない場所みたいよ」
「境界「門」と言うからには、そこを通じて魔物の世界と行き来できるようになってるの?」
「そうみたい
でも、実際には魔物は入ってこられないし、人が外に出ることは可能らしいんだけど、出ちゃいけないんだって」
「なんで」
「出て行ったきり、戻ってきた人がいないからみたい」
……それって、
帰ってこられなかったってこと?
「ヴィクトールおじさんは、魔物の侵入がないか、出て行く人がいないかを見張っているんだって」
「魔物の魔臓と私たちの魔臓ってどんな違いがあるんだろうね?」
「その部分は第1章の魔素の定義になるようね」
「なんだか怖いね………」
……私たちも、
同じものを使ってるのに。
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3日後に私たちは、マナと魔素の違いから、魔素全体を研究するのが魔素学だと言うことを発表した。
「………ということで、私たちが日常的に接しているマナというものが一種類のものであるのか、一種類のマナが色々と変質するのか、それともマナ自体が初めから何種類もあるかは未解決となっています。
このため、学問的にはマナ学ではなく魔素学となっています。
以上で、私たちの発表を終わります」
ぱちぱちと拍手が起こった。
ほえー クララはさすがに優等生だ。こんな時ほんとにかっこいい。発表者だけど私も拍手するよ。
アンヌ 「父ちゃんも境界門のことはあんまり話さないんだ~
でも、小さい頃、アタシがいたずらをしたときに、『悪い子は魔獣になって、ギラギラした色のマナを吐くようになっちまうぞ~』って脅かされたことがある」
「でも、それを聞いた母ちゃんに、父ちゃんはこっぴどく怒られてたぞ」
マリィ 「アリシア先生も魔獣って見たことがあるんですか?」
先生 「学問的には魔獣じゃなくて、マナ異常種ね。
同じ動物でも、魔素が違うから魔獣になってしまうーーつまりマナが異常だから変異するのじゃないかって考えが主流だからね」
先生は続ける
「でね、マナが異常化して形態が変化してしまうとしたら、人間にマナ異常が起きてしまったら危険じゃないかという推論を立てているの」
こわ!
「マナの異常が伝染病みたいなものだとしたら、境界門から出て行った人が誰も帰ってこなかった理由にも説明がつくのね。
つまり、その人のマナが異常になってしまって、人ではない「何ものか」に形態変化してしまったからじゃないのかってこと」
「衛士隊が境界門を守るのも、マナ異常種が境界内に入り込んできて、異常なマナを移されたら大変ってことなの」
クララ 「ヴィクトールおじさんが、『悪い子は魔獣になって、ギラギラした色のマナを吐くようになっちまうぞ~』って言ったそうですが」
先生 「あくまでも伝聞だけどね。マナ異常種の魔臓って蛍光色に変色していて、マナも毒々しい色彩らしいのよ。
といっても、私は見たことがないし、隊長も見たことがないと思うわ」
げえー なんか放射能汚染みたい。
私は有名な怪獣映画を思い出した。
先生 「次はアンヌとマリィでやる?」
マリィ 「分かりました」
アンヌ 「とほほ。クララの後は荷が重いよ」
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魔素学の共同研究の後は、先生、アンヌ、私で孤児院の中庭へ行き、体術の練習だ。
シスターに、共同研究と体術の練習で神殿の「夕べの祈り」の事前準備が手伝えないかもって話したら、なんかこれもOKだった。
いいのかな?
でも、私も身を守る方法が必要だし、こっちが優先だ。
アンヌがいる日は木剣で素振りや打ち合いみたいなことをやっている。
なんだろう? こう、合気術みたいなものの方がいいんじゃないかな?
アンヌに聞いたら 「剣がなければ殴り合いだろ?クロエには無理じゃないか?」
先生に聞いても、柔道や合気道、レスリングのような体系化された体術はないらしい………
アンヌ 「クロエの体はマナがいつもいっぱいなんだろ? だったら、病気だけじゃなく、けがに強いんじゃないのか?」
「えー わざと怪我するの?」
「ナイフとかピンの先で、ちょっと指先を切ってみるとか」
想像してみる
~~~
「だめ! 絶対むり!」
先生 「アンヌちゃん、無理そうよ?
でも、クロエちゃん、なにかで確かめられないかな?」
「じゃあ~ しっぺなら」
しっぺの説明をする
「こんなんで、効果が分かるかな?」
とりあえずやってみる
ぺち!
赤くはならないけど、痛いのはいたいよ!
先生 「これじゃあ分からないね~」
とりあえず、保留になった。
さちの検索が進歩して、動画の視聴ができるようになったら、合気道も学習できるのにな~
さすがに無理か~
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※魔法院の登場人物が増えてきたので、魔法院一年生名簿を掲載しますね(本文で登場した人物は●をつけます)
火コース担任 ●ガスパール(男性)
男子 ●アンドレ(衛士家系) ●レオ(衛士家系) ●マティス(衛士家系) サミュエル(その他家系) ●アルフォンス(その他家系) デニス(その他家系) ジェフリー(その他家系) ジャン(その他家系)
女子 ●アンヌ(衛士家系) ルイ-ズ(その他家系)
計10名
風コース担任 ●バルディーニ(男性)
男子 ●アーサー(その他家系) ●ルーカス(商人家系)
女子 ●クロエ(その他家系) ●マリィ(官吏家系)
計4名
水コース担任 ●ミレーヌ(女性)
男子 テオ(その他家系) ●ベルナール(官吏家系)
女子 ●クララ(官吏家系) エマ(その他家系) マノン(その他家系) ポーリン(その他家系) ジュリア(その他家系) エミリー(その他家系) ●エリス(官吏家系) ディアンヌ(その他家系) エルザ(その他家系)
計11名
土コース担任 ●シャンタル(女性)
男子 ●エミール(衛士家系) マエル(その他家系) ●クロード(商人家系) ガストン(その他家系) ジャック(その他家系) モーリス(その他家系) アルバン(その他家系)
女子 ●ノエミ(商人家系) ●ジャンヌ(商人家系) ルシィ(その他家系) リザ(その他家系) ヤスミン(その他家系) ロラ(その他家系)
計13名
合計38名(男子19名、女子19名)
作者「今日はエリスです」
「よろしく」
作者「エリスはちゃっかりさんだよね!」
「そんなことない」
作者「でも、一年№1の呼び声高いルーカスは捕まえたし、クロエのグループ入ってマナも増え、アイスでルーカスの家からも褒められてさ、お父さんは市の重鎮だし」
「私は常にWin-Winをめざしている。ぶい!」
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