043 迷い
もうすぐ次の曲ができそうです。
エピソード031でクロエが聖歌?だと主張している曲がこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=Hfae3iR5vNU
放課後の授業はアリシア先生と二人でしている。
私の身体強化魔法が
どんな形になるのか分からないからだ。
とりあえず今のところは、普通の身体強化魔法を試しているのだけど、
結局オリジナルスペルとなったとき、みんなの属性魔法に悪影響があるかもしれない。
アリシア先生にも、授業やめた方がいいんじゃないかって、聞いてみた。
「先生も危険なんですよね?
私ひとりで自習して、先生は内容に立ち入らず、見守るだけにしてもらったらどうですか?」
「うーん、
私は本当は研究者志望でね。
衛士隊は仮の仕事だと思っているから、リスクがあっても取り組んでみたい気がするんだよね」
「でも、ご両親とか、ヴィクトールさんが反対するんじゃないですか?」
「そうだね。勝手にやっちゃダメだと思ってる」
「だから、今のところは普通の魔法だけだね~」
アリシア先生は、
ウィンド、ウィンドウォール、ウィンドシールド、ウィンド・リインフォースを順に披露してくれた。
私は、そのたびに発語してみるのだけど、ウィンドですら魔法が発現しないのに当然成功するわけがない。
トランスファーの通常発語では、一応白光現象があるのだけれど、これらの魔法ではそよ風ひとつ吹かないのだ。
涙が出ちゃうよ………
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ある日の二限目の授業。
いつものように、トランスファーのため、水コースの授業に行くと、ベルナールという男子生徒が苦情を申し立ててきた。
「待ってください、
バルディーニ先生、ミレーヌ先生に質問があります。
クロエさんのトランスファーは、出力にムラがあり、特定の生徒へのひいきとなっていると思います。
結果として成績に大きな差が出ています。
このまま行くと、就職の際に希望の職業に就きやすいものと、そうではないものが出てしまいます。
トランスファーは中止すべきではないでしょうか!」
これまで不満がたまっていたのか、
ずいぶん思い詰めた様子だ。
口調は冷静さを保とうとしているが、顔を赤くして手を震わせている。
ミレーヌ先生 「あ、でも、全体の成績は非常に高くて、パオロ先生も褒めていたじゃない?」
「問題はそういうことではありません!
全体の成績が高かろうと、低かろうと、成績順によい就職先が埋まってしまうことを問題視しているのです!
今のままでは、クロエさんと仲のよい人ほどよい就職先に決まってしまうのではありませんか!?」
「あ、あ、あ」
ミレーヌ先生はぐうの音も出ないようだ。
言われてみればベルナールの主張は一理ある。
でも、アリシア先生に指摘されたとおり、出力の調整はうまくできないんだよ!
みんながざわつき始めた。
どうしよう
……ベルナールの言っていること、
間違ってない気もするから。
「私は継続すべきだと思います」クララがしっかりとした声を上げた。
「なんでだ!」ベルナールは振り返る。
「クロエちゃんと親しい友人は、授業時間以外でもマナ譲渡を受けることができます。
といいますか、
ベルナールの指摘したとおり、クロエちゃんは意識してマナの出力をコントロールできないの。
だからね、知らず知らずのうちに友達にマナ譲渡をしているのよ。
だから、授業中のトランスファーをやめると、差がもっと広がってしまうと思うの」
「だからって、なんで僕が不利益を受けなきゃいけないんだ!」
ミレーヌ先生「ほかのみんなはトランスファーを続けた方がいいのかしら?」
みんなの意見は、概ね継続賛成だった。
何のかんの言って、マナ譲渡の結果魔法習得スピードが上がっていることを歓迎しているし、ベルナールほど上昇志向というか、いい職に就きたいと思っていないことが大きいようだった。
とはいえ、ベルナールの主張が間違っているとも言えない。
どうしよう
バル
「ふむ
ベルナールの指摘には論理的な面があるようだ」
ベルナールは、味方が現れたと思ってほっとしている。
「しかし、クララの指摘も事実を表している」
「ベルナールに問う。
解決策として、クロエより出力の大きいトランスファーがあり、かつ、それによってどの生徒にも一定のマナの譲渡が行われれば、ベルナールの指摘は解消されると考えてよいのか?」
ベルナール、ちょっと考えて 「はい、授業の不公平さは解消されると思います」
「クララの指摘した点、クロエの友人が有利になるという部分は解消されないが?」
「僕の言いたいことは、授業でひいきがあるのはおかしいということで、個人でどのような属性魔法を習得しているかに口を出したわけではありません」
「そうか、では見よ。
………
『風よ、神ヘルメースに信仰を捧げる。ここにいるしもべ達に遍くマナ譲渡を許し給え、エリア・トランスファー・ハイ!』」
無機的な白光が水コースの部屋全体を満たした。
………
………
………
ミレーヌ先生を含め、みんな呆然としている。
「ミレーヌ先生、
クロエのトランスファーでもマナ上限まで回復していたはずだが、同様の効果があることを測定器で確認しておくように」
「はい!」
「もし、エリアトランスファーで回復しきれないものが現れた場合は、申し立てを行うこと。
クロエの発語練習を兼ねたマナ譲渡は、今後、私のエリアトランスファーで代用するものとする。
以上」
そう言って、バルは私を引き連れ水コースの教室を出て行った。
「バルディーニ先生」
「何だ」
「助けてくれてありがとうございます」
「当然のことだ」
私は深くお辞儀した。
バルのこと見直そう。
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昼休み
「…………ということがあったのよ!!」
クララが珍しく興奮している。
今日のクロエ・レポーターはクララさんです…………
マリィ「ベルナールめー、やっぱりあいつはダメだな」
一年に官僚系の子供は4人いて、それがマリィ・クララ・エリスにベルナールなんだそう。
「ベルナールは視野が狭い。あんな文句を言うより、クロエと仲良くなる方が得をする」
エリス…………やっぱりちゃっかりさんだ。でも嫌いじゃないよ!
マリィ「私はやっぱりクロードにするよ」
エリス「ルーカスが売れた今、クロードの人気は高い。水・土の女子は結構狙っている。マリィも頑張らないと危ない」
「まじ?」
「まじ」
「よし、お茶会企画しよう!」
そこから話が変わって、私の魔法特性について、アリシア先生とバルに聞いた話をみんなにした。
マリィ「それは…………やばいね」
アンヌ「ちょっとアタシらは関わるのが難しくなったぞ」
クララ「私はクロエちゃんと勉強してもいいかなって」
「いや、ダメだろ。クララが魔法を使えなくなったらまずいじゃん」
エリス「バルディーニ先生が言ってた。マナ研究までにしろって」
「私は両親がいないから、特に誰を困らせるわけじゃないし、クロエちゃんの魔法関連には大きな可能性があると思っているの」
「おい!」
それを聞いてアンヌが沸騰した!
アンヌ「困る人間がいないって、さみしいこと言うな!アタシが困るに決まってるだろ!」
…………
「ごめんね、アンヌちゃん。私が悪かったわ。
私が言いたかったのは、親の立場でっていう意味なのよ。
あ、保護者という意味ではヴィクトールおじさんに迷惑かけるけど」
私「クララちゃん、ちょっとだめだよ。
教師として関わりになってるアリシア先生でさえ、ご両親やヴィクトールさんに相談するって言ってるんだよ」
アンヌ「慎重なクララにしては、やけに踏み込んでくるな」
うん、
「クララちゃん、さっきの授業で少し感情的になってない?」
クララ はっとして
「…………ベルナールの態度に怒ってるのは確かね…………」
みんな、ちょっと頭を冷やそうよ…………
「読者の皆様、ソフィと申します。いつもクロエちゃんのお話をお読みいただき、ありがとうございます。クロエちゃんは、生みの親の記憶がありません。また魔法も使えません。リナとのご縁がある前は、魔臓もなくとても苦しんだと聞いています」
作者「でもわりと明るいよね!」
「作者さん、いい加減クロエちゃんをいじめるの、やめていただけませんか? 今だって、お友達と魔法の研究をしてはいけないだなんて!あなたには人の心がないのですか!」
作者 しょぼーん
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