042 クロエの魔法は?
もうすぐ次の曲を作れそうです。
エピソード031でクロエが聖歌?だと主張している曲がこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=Hfae3iR5vNU
「クロエちゃん、
今度は、普通の発語でトランスファーをお願いできる?」
こく
『風よ、神ヘルメースに信仰を捧げる。しもべ・アリシアへのマナ譲渡を許し給え、トランスファー』
そしてアリシアさんの手に触れる。
以前と同じく、私の手は白く光るがマナ譲渡はできていない。
「なるほど~
クロエちゃんが信仰宣言しても、マナが神様に届かないのね。
かわりにオリジナル魔法だと、神様を経由しないで相手に直接マナを渡すから発動する…………
バルディーニ先生は何か言ってた?」
「『ふむ。未発動か』って、それだけ……」
「おかしいわね~ これくらいバルディーニ先生ならわかりそうなものだけど」
あいつは秘密主義なんだよ!
「神様が嫌い?」
ふるふる
違うの
いままで疑問に思ってたこと、聞いてみようかな?
「私の悩み、聞いてくれますか?」
「うん、いいよ」
「先生は、私が前世の記憶らしきものを持っているって、ご存じですか?」
「へ~ すごいね!」
「信じてくれるんですか?」
自分でも信じられないのに。
異世界転生なんて荒唐無稽だよね!
「うーん、研究者としては、こういう場合保留にしておくのが正しいアプローチかな~」
なるほど
「その前世の記憶では、神様の存在がですね、心から信じている人もいましたけど、大半の人は物語の中の存在と考えていて、本当に実在すると考えられていなかったんです」
「なるほど~」
「それから!」
もういいや、みんなしゃべっちゃおう!
「物質の基本となる元素の考え方が違っていて、火・水・土・風が元素だって信じられないんです!」
「ほうほう」
「もうひとつ!
前世では、『熱力学の法則』というものが共通の考えとなっていて!
すごく簡単に言うと、マナの大きさ以上に、大きな力は出ないっていう考えなんです。
つまり、発現する魔法の効果が大きすぎて信じられないんです!」
……
……
「うーん、まとめると、
神様がいるって信じられない、属性元素が信じられない、魔法の効果が信じられない
そういうことなのね?」
こく
「うーん、こまったな~
信じる力が魔法の力だからな~
こうなったら、二人で魔法を作っていこうか?」
こくこく
できればその方向がうれしいです!
「お願いします!
あ、でも、オリジナルスペルは、試す前にバルディーニ先生に確認しないと、すっごく怒られちゃう」
アリシア先生、ぶるぶる震えてるよ。
わかるよ~ よっぽど怖かったんだね。
「でも、クロエちゃん、マナは信じられるの?」
こく
「わりと信じています。
毎日測定器で観測しているのと、
以前バルディーニ先生から
肺胞からマナを吸収しているって説明を受けたので」
「酸素みたいな役割なのかなってなんとなく思っています」
「酸素ってなに?」
「四大元素の代わりに、前世で信じられてきた元素の一つです」
前世では、水素や炭素、窒素といった
「原子」というものが物質の基本だと考えられていたこと。
原子が組み合わさると分子になり、
同じ分子でも
気体・液体・固体に状態が変わること。
だから水の元素・風の元素があり得ないと考えてしまうことなど、しゃべってしまった。
アリシア先生は、
「わ、わかったわ。また、ゆっくり勉強させてね」
ごめんなさい。
何言ってるかわからないよね……
「それでマナの研究書を勉強したいって言ってたのね~
じゃあ、クロエちゃんの疑問を調べながら、オリジナル魔法が作れないかを考えてみましょうか」
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翌日、アリシア先生と一緒にバルのところにお願いに行った。
「…………このような考察から、オリジナル魔法を研究したいと思っています」
アリシア先生はそう結んだ。
……
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長考のあと、バルはこう言った。
「そうだな
まず、クロエが自発的に魔素学を研究することは問題ない。
また、事前にマジックスペル案を私に示し、危険性をチェックした後であれば、オリジナルスペルを研究することも認める。」
ほっ 一安心だよ。
「しかし、周囲のものが魔素学を共同研究するまでは認めるが、オリジナルスペルの研究に関しては、保護者と魔法院責任者、即ちステファノ司祭およびパオロ副校長の承諾書を取得することを条件とする」
「承諾書には、アプリオリ基盤の研究を申請すること、その結果について、一切の責任を負うことを要件とする」
アプリオリ基盤?
アリシア先生を見る。
先生も知らないようだ。
「ふむ
学術的にはアプリオリ基盤が正確な表現だが、
魔法大学等では、一般的に『信仰基盤』とも呼ばれる」
?
さっぱり分からないな?
アリシア先生を見ると、真っ青になって呆然としていた。
「そうか……………信仰基盤!」
なんなの??
「クロエのために補足しよう。
属性魔法は、神への信仰心とその御業を信ずることによって存立している。
従って、信仰の正当性や御業の成立構造自体を研究するために、批判的な着眼点でアプローチした場合、自らの属性魔法を成立させている基盤が崩れる危険がある。」
「この論理は理解できるか?」
こく
確かに
「従って、この研究の行き着く先は、己の属性魔法を捨て去ることにつながる」
「魔法を使えなくなり、またその結果社会的地位を喪失するということだ」
!!!
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神殿に帰ってから。
アリシア先生は神殿の第2客室を自室として与えられた。
私の警護のために、夜一緒の部屋に寝てもらっている。
こちらの方が広いので、私とさちはお泊まりにお邪魔している。
「私のために狭い思いをさせて申し訳ありません」
と謝る。
さちも事情は分からないが一緒にぺこりとしている。
「いいのよ~
衛士宿舎よりこっちの方が待遇いいし、神殿図書室もあるし、魔法院もそばだから言うことないわね~」
「衛士宿舎は、新米は二人部屋なんだよ~
もうずっとこっちでいいかも」
「でも、昼間の話には参ったねー
信仰基盤か~ なるほどね~」
「わたしのやろうとしてたことって、実際危ないんでしょうか?」
「実際のところは分からないわね。でも、魔法大学では、信仰基盤を研究して魔法が使えなくなった人がいるって噂はあったね~
『信仰基盤に近づくな~』って感じ」
「入学直後だったんですけど、ウィンドが発語できなくて、スペルをいじろうとしたことがあったんです」
「ほー でもクロエちゃんの立場からしたら、スペルを工夫しようと考えても、おかしくはないかな?」
「そのとき、とっても怒られたんです。
今までは発現現象が危ないぞって意味だと思っていたんですけど、魔法が使えなくなるぞって意味だったのかも?」
「両方のリスクがあったんじゃないかな~」
そうか~ あながちバルのこと悪く言えないかも。
「きょうは、難しい話はもうやめようか!
それで明日からは、とりあえず普通の身体強化魔法ができないか、試してみよう!」
「はい!」
アリシア先生、明るい人でよかった。
あと、見捨てないでくれて、ほっとしたよ。
それにしても、私ってこの世界にとって邪魔者なのかな。
「読者のみんな、アンヌだよ! いつもクロエが迷惑かけてて悪いね!」しゅた!
作者「クロエがぼけじゃなくて、つっこみやりたいってさ~」
「むり! あいつは天性のぼけ役だよ!」
「クロエがつっこみでサチがぼけの予定だったんだけどな~」
「最近じゃみんなでクロエにつっこんでるけどね!」
アンヌの切れのよいつっこみをもっと!という方、リアクション(ブックマーク・評価)をお願いします(・_・)(._.)




