004 魔王の健康診断(笑)
(当たるな……当たるな……)
イメージソングをどうぞ。同じ曲ですが。
ほら、主題歌って半クールは続けるよね?
https://www.youtube.com/watch?v=nHjzGHlNB5I
「こちらは、王都教区からお越しになった
バルディーニ助祭様です……」
厳しいシスターがビクビクしている。
助祭って、下っ端だよね?
まぁ、確かに怖い顔してるけど。
「バルディーニ助祭様は、(ごくっ)
王都でマナの研究をしておられまして……」
「マナの体内器官の機能評価だ。」
ぶすっとつぶやく。
(ごくっ)
「そ、そうでした!マナの体内器官でした!」
「それで。
これから、お前たちの診察を行う。」
シスター、完全に怯えてる!
やっぱり魔王みたく、やべー奴なのでは?
バルディーニは色々な器具を取り出すと机に並べ、
おもむろに私たちを指さした。
「おい、そこの赤毛。」
「は、はい!」
犠牲者①(アンヌ)
「この椅子に座れ。」
「は、はい!」
椅子に座った犠牲者に。
心臓付近、左腕、右脇腹、背中の左下あたりへ
次々と器具が取り付けられていく。
「息を大きく吸え」
「ハ、ハイ!」
「計測の邪魔になる。
もう喋るな。黙って指示に従え。」
すぅー
「そこで息を止めろ」
うぐっ
(おぉ……息止めてる……
でもあんな、ふぐみたく、膨らまなくてもいいのに。
顔、真っ赤になって……)
「息をゆっくり吐け」
ふぃー
「そこでまた止めろ」
ぴた。
アンヌとバルディーニを見ながら、私は思った。
(魔王様、健康診断始めちゃったよ……)
健康診断っぽいものは続いていく……
さっき、魔王様から睨まれた私は、
英文和訳の宿題をやってこなかった劣等生のように、
(当たるな……当たるな……)
と隅で縮こまっていたのだがーー
無情にも、声がかかった。
「おい、黒毛。次はお前だ。」
(てめーも黒髪だろ!えっらそうに!)
……とは思ったが、心とは裏腹にビクビクしながら椅子に座る。
「息を大きく吸え」
すぅー
「そこで息を止めろ」
ビタ!
「息をゆっくり吐け」
ふぃー
「そこでまた止めろ」
ぴた。
「……む」
嫌な沈黙。
「マナ値の上昇がないな。
肺胞がマナを取り込めていないのか……」
えっ
「魔臓にもマナの蓄積が見られないな……」
ええっ
バルディーニ(もうバルでいいや)はシスターに向き直る。
「こいつは、いつここに来た?」
「は、はい!
数日前に、神殿騎士に連れられてきました!」
「そのときの様子は?」
「深い眠りについており、
目覚めたのはつい昨日です!」
「孤児院に来るまでの来歴は?」
「……不明です」
(へぇ、
自分の来歴、初めて知ったよ)
「そうか……マナ障害者か……」
えっ。
「今後も、定期的にこの検査を行う。
承知しておけ」
そう言って、魔王改めバルは帰って行った。
……なんなんだよ。




