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チートなんてない!(連載)  作者: ayane_project


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31/57

031 サチの力

「この世界を見たら、メンデレーエフさんも怒ると思うよ」

風魔法の社会科見学が終わると、素早く動くものが現れた。

マリィである。

テオドールさんのイケメンぶりにいたく感動した彼女は、早速行動した。

まず、彼女はテオドールさんの個人情報の入手に努めた。

情報提供者はルーカスである。


その日の下校時にはルーカスを捕まえて、

「テオドールさんって、もう結婚されてるのかしら?」

ルーカス「来年の春だね」にこ

「あら、まだ夏なのに?随分先なのね?」キラ

ルーカス「お相手が魔法院の三年生だからね」にこにこ

「どなたか聞いてもいいかしら?」

ルーカス「もう婚約しているから言ってもいいかな?3年・水コースのシャルロットさんだよ」

「そうなのね!」


彼女はすかさず方向転換した!

「ところで、ルーカスにはそういうお相手はいないの?」

マリィ……あなたすごいよ!勇者だよ!

ルーカス「うん、素敵な女性を探しているんだ。」にこにこにこ

「まあ!」

「それでね――」

そこでルーカスはマリィを隅っこに引っ張っていくと

「実はね、(こしょこしょこしょ)」

「まあ!それはね(こしょこしょこしょ)」

「そう?じゃあさ、わるいんだけど(こしょこしょこしょ)」

「わかったわ。だけど(こしょこしょこしょ)」

「そうだね。じゃあこんなのはどう?(こしょこしょこしょ)」

「いいわ!(こしょこしょこしょ)」

気になるだろーーー!


「じゃあね!ルーカス」

そこへ、エリスの追及が始まった。

「さっさと白状すべき」

「今度私たち5人と男子でお茶会やらないかってお誘いよ」

じーっ、エリスは疑いの眼だ。

「ふーん、相手は誰なの?」

「それはこれから聞いてみるって。だから希望があったら教えてって話だったの」

「そう、なら」

私たちはこれはという男子を選定し始めた。


世間の狭い私は、男子はルーカスとアーサーしか知らない。あとは皆指チョン(マナ譲渡)の関係だし。

みんなにお任せだ。


________________________________________


サチとの夜の言葉遊びは毎晩続いている。


サチにとっての学びの場であると共に、

私にとっても学びの場である。


例えば、

「サチ、『検索して』『周期表』」

【周期表とは、物質を構成する基本単位である元素を、周期律を利用して並べた表である。元素を原子番号の順に並べたときーーー

周期表はーーードミトリ・メンデレーエフによって提案されたーーー現在では各元素のふるまいを説明する表となっているーーー

周期表は「化学のバイブル」とも呼ばれーーーそして、化学だけでなく物理学、生物学、化学工学を中心にーーー

多くの法則を示す表として用いられる。】


サチが検索すると、どうしても言葉が奔流のように流れ出てしまうようだ。

それでは、私にもサチにも聞き取りがついて行けない速さとなってしまう。

それで、二人で同じ言葉を何度も検索してはメモを取っていくのだ。


「サチ、今回の検索でわかったことをまとめるよ。

いち、 周期表は「メンデレーエフ」さんという人が考えた。

に、  周期表は原子の大きさ順に並んでいる。

さん、 錬金術師をはじめ、たくさんの人の知恵を集めたものである。

よん、 周期表は完成度が高く、「化学のバイブル」とも呼ばれる。

ご、  周期表には118個の元素があるが、そこに「火」「水」「土」「風」という元素はない。」


「どう?」

「わかった。

周期表、は、完成度、が、高い」

「「火」「水」「土」「風」という元素、は、ない」


「この世界を見たら、メンデレーエフさんも怒ると思うよ」

「この世界は、メンデレーエフ、 に、 ごめんなさい、 と、 言う」

「そうだね~」


挿絵(By みてみん)


基本的に私が頼む『ワード』を検索してもらっていたのだが、

ある日、自分からこんなことを言ってきた。

「知りたい言葉が、ある。

検索したい」

「なに?」

「マイクという、月行政府のAI」

私は何気なしに応えた。

「うん!いいよ。『検索して』『マイクという月行政府のAI』」

ところが検索がヒットしない。

これは初めてのことだった。

私とサチは、少しずつ言葉を変えて、やり直した。

やがて次の単語がヒットした。

【月行政府の思考計算機とは、マーク4号L型を指す。月世界を維持する仕事を一台でこなすために大量にハードウェアを増設されていくうちに、知性を得た。この名前はシャーロック・ホームズの兄、マイクロフトにちなんだものである。】


「さち、マイクって、この思考計算機のこと?」

こく

「マイク、は、ジョーク、が、わかるAI」


???

久しぶりにつっこんでもいいかな?

①この知識、絶対私が前世で持っていた知識ではない気がする。私には月行政府なるものが存在していたという知識はない(はず)

②しかし、シャーロックホームズにちなんだ名前という検索結果からすると、明らかに前世世界の知識ではあるはずだ。

③つまり、サチは私の知らない前世知識を検索したことになる。


「サチ、教えて。マイクの知識は私が知らない私の前世知識だと思うの。

どうやって検索したかわかる?」


サチは長いこと考えていたが、ようやく考えがまとまったのか、私のペンとノートを貸してくれと身振りでしめした。

サチは大きな円を描き、その中に小さな円を描いた。

小さな円に「クロエ」

大きな円に「知識」


そして言った。

「クロエを『検索する』と、「知識」のところから反応がある」

よく理解できないな。

よし、こいつはいったん横に置いとこう。


「サチは、マイクのジョークが気になるの?」

こく

「クララの家で、みんなが、たくさん笑っていた」

「私は、なんで笑うのか、わからなかった」

「それで、自分で、『検索』しようとした」

「しかし、うまくできなかった」

「それで、クロエに、たのんだ」


「サチはジョークのつぼ、つまりなぜ面白いかを知りたいの?」

ふるふる

違うのかな?

「私も、みんなと――笑いたい」


私はサチをぎゅーっと抱きしめた。

「うん、これから、ジョークの研究をしようね」


________________________________________


一限は、属性別の神さまに関する講義


私の理解では、属性神に関するエピソードを知ることで、マナ量の向上と属性魔法への変換効率を上げることだと思っている。ルーカスとマリィは(最近随分二人でこそこそ話しているが)、二人とも初回授業の時からその意図を正確に理解していた。

この授業は、これまでは神話の朗読をするといった、比較的画一的な授業内容だったらしい。


バルは、マナ量向上や魔法発動に、それでは十分には役立たないのではと言う仮説に基づき、より体験的な授業を独自に取り上げているのだと思う。


いってみればアクティブラーニングだね。


絵画、朗読、詩作などやってきたが、今回は自作の詩に旋律をつけて、歌として披露しろというオーダーが来た。


いや、無理ゲーだろ!


ところが、ルーカスもマリィも、これぞ聖なる調べというような、グレゴリオ聖歌のような歌唱を披露した。


アーサーはともかく、いっつも私はネタ要員じゃないんだぞ!

みよ私の美声を


勝利のため 如何すべきか

火を司る神よ

迷いを焼き尽くし 恐れを勇気へ変え給え


海と川の鎮めに 如何すべきか

水を司る神よ

憎しみを静めて 渇いた命を満たし給え


火を司る神よ 勝利へ導き給え

水を司る神よ 怒りを鎮め給え


土を司る神よ 豊穣を与え給え

風を司る神よ 穢れを祓い給え


我らは問う

我らは従う


四柱のみなのもと

この世界は保たれる


「そこまで!」

え、まだ2番があるのに!


「歌詩はまだよい。前回までの授業に基づくものであった」

バルは頭を振ると、

「しかしその歌唱は一体何だ?

拍の頭で歌い出さず、躓くように歌い出したかと思えば、

旋律の途中で声がひっくり返る。

旋律の終わり方も明らかにおかしい」


「この曲は何という題名をつけていたのだ、言ってみなさい」

「『四柱へのクレド(信仰宣言)』です」


「これではクレドとは言えまい。歌唱練習をし、再度披露するように」


……

……

……

だって!J-POPしか歌えないんだよ!


新曲できました!今回のエピソードでクロエが歌っています。

でも!曲は悪くないけど、J-POPは神殿向きじゃありません!

作者もバルに一票!

https://www.youtube.com/watch?v=Hfae3iR5vNU

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