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チートなんてない!(連載)  作者: ayane_project


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29/57

029 こ、恋バナですか?

優等生のクララからこんな話を聞くなんて、衝撃的だよ!

エピソード018でクロエが歌っています。聴いてね!

https://www.youtube.com/watch?v=WN2IvDfrpPU

結局サチの件は、私とサチがいて、十分会話ができる場合にしか起こらない。

―――それは神殿の私の部屋だけなので、こちらも様子見ということになった。

「でも、ここにいる、みんなだけの時に話すようにしましょうね」おかあさん。


堅い話が終わったところで、

「火・水にめぼしい男子、いる?」マリィが爆弾をつっこんだぞ!

アンヌ「アタシは衛士志望だからな~

火魔法だとアンドレ、レオ、マティスあたりになるんだけど、みんなガキだよ。」

「あいつらか~ ちょっと結婚する未来は考えられないね」マリィ

「結婚? 話が飛躍してない?」私

クララ「そうでもないですよ。魔法院卒業まで3年。その後は職業を得て、結婚ですから」

「でも、これからどんな出会いがあるかわからないし、魔法を身につけたら、まずは結婚より就職じゃないの?」

アンヌ「いや、就職も大事だけど、結婚相手を決めるには魔法院にいる間が勝負だぞ」

おかあさん「そうね。就職してからよりも、魔法院にいる間の方がいいお相手を見つけやすいと思うわ」


みんなから色々教えてもらったことを前世と比較して考えてみた。

・そもそも、前世より平均寿命が短い。

・高齢での出産は難しい。前世のように医療技術が発達していないし、不妊治療など聞いたこともないだろう。

・結婚・出産は30歳以前に済んでいることが常識となる。

・となると、結婚・出産は、魔法院卒業から10年程度が大事な期間だ。


「最低二人、できれば三人産みたいところね。実際、リナが死んでしまったときは、本当に絶望したのよ……」

おかあさんは私を抱きしめる。


・推定人口5000人の都市で、ひとがじわじわ減少していく。行政つまり上からの施策というより、社会全体として子供を増やしたい、衰退したくないという無言の圧力があるのかも。

・その上、リナちゃんの例にもあるとおり、前世に比べここでは子供が遙かに死にやすい。

・合計特殊出生率を2.0以上にするためには、三人産んでも足りないのかもしれない。


マリィ「みんな就職してすぐ結婚しちゃうから、フリーの男子は魔法院で選ぶしかないじゃない。

その点、風クラスは不利よね」

確かに。クラスには農家のアーサーと、商家のルーカスだけだ。

「でも、ルーカスはいいと思う」エリス

「できれば同じ職業の家の子と結婚したいけどね」

クララ・マリィ・エリスは官吏の娘だ。

都会っ子?シティガール?モデルテでは洗練された女子という感じなのかも。

「官吏の家といえば、水にいるベルナールはそうじゃないか?」アンヌ

「う」マリィ、ちょっと嫌そうかも。

「……上のクラスの、官吏や商家の男子ってどうなの?」エリスがマリィに尋ねる。

「私の情報では、もうフリーはいないよ。

うん、もうルーカス狙いにしようかなー」

「クララはどうなの?」エリス

「……実はね、孤児院のネロくんなんかいいかな?って」

「ええーーー!!」と私が大声を上げると、

「やっぱりな!どうもネロに優しいとは思ってたよ」

「ちょっとちょっと待って!話について行けないんだけど!ネロって、まだ坊やだよね!」

クララ「考えてみて。同じ官吏の家、同じ流行病で両親を亡くしていて、孤児院で一緒に暮らしたのよ。ネロくんはとっても素直で優しい性格だし、瞑想の様子を見るとマナ量も多いわ。二歳年下だけど条件は最高だと思うの」

「ほほう、ネロか!」マリィ「なるほど~」

私「確かに、ネロくん、この間「クララおねえちゃん帰ってきて~」って言ってたけどさ~」

クララ「ほんと?」嬉しそうじゃん!

アンヌ「だけどさ、オフェリーは絶対ネロ狙いだぞ?」

クララは難しい顔をして、「二歳上と一歳下ってどっちが有利だと思う?」

優等生のクララからこんな話を聞くなんて、衝撃的だよ!


________________________________________


恋バナのあと、話題は魔法院での私の「やらかし」になった……


……

ここはマリィの独壇場だ。

「でね、アルテミス様の軍船足止めの場面をルーカスが描いたのよ!

ささっと描いた割にとっても上手でね!

次に私の番になったんだけど、絵自体はルーカスにはかなわないって思ったわ!

でも、神話の題材でね、眷属アウラ様の狩猟の場面を描いたの。

そしたら先生が、神話のことがよくわかってるって、そう評価してくれて。

二人とも一発合格だったのよ!」

「そこへクロエがね、ヘンテコ絵を出してきたの!」

アンヌ「あの矢印か~」

「バルディーニ先生が大きくため息をついてね!

長い沈黙のあとにこう仰ったの、

『まず、これはそもそも絵ではない』」マリィは、バルのものまね付きで熱演する。

一同爆笑だ!

クララが涙を拭きながら、「アーサーの話がないけど?」

「アーサーはね~ よりによって、アルテミス様がのぞきにあってる場面を描いたのよ~

それもね、覗かれたことをお怒りになられていればまだしも、恥ずかしがって悲鳴を上げている絵を描いたのよ!」

クララ「それは、ちょっとアルテミス様を軽んじているというか」

「そう、ばかにしているよね。それで先生が『神話の意味がわかってない』って言ってね。

アーサーも不合格だったわ」


おかあさん「その絵をぜひ見たいわ~」

私「え~」

こうして甘えさせてもらうの。ほんとうに嬉しいな……

「いいから今度持ってきてね」

「はーい」

おかあさんには逆らえないよ。


「これには続きがあってね!

クロエとアーサーは書き直しになったんだけどね、

クロエだけがまた落第になったのよ!」


…………

アンヌ「あれはだめだ!」

エリス「誰でも怒る。前のよりひどい」

クララ「弁護できません」

マリィ「先生の冷たい視線にぞっとしたわ」

私「アルテミス様の怒りっぽいところが表現できたらなって…………」

「何言ってんの!」「だめ!」「クロエちゃん反省して!」

マリィ「これだとまたやらかすな…………」

おかあさん

「クロエちゃん、その絵も持ってきなさい」

ちーん


「デフォルメ」が通じなかったかぁ~


話題は尽きない。


挿絵(By みてみん)

________________________________________


マリィ

「ソフィさんは、クロエがトランスファーというマナ譲渡魔法を成功させた話は知ってますか?」

「ええ、教えてもらったわ」

「じゃあ、そのときに先生に頭をはたかれるほど叱られた話は?」

「まあ!そんなことがあったの?私はクロエちゃんから『トランスファー』という魔法を覚えたよとしか聞いてないわ」

私はあわあわして、「練習中にできなくて怒られてもしょうがないよね?ね?」

「いやー、クロエの場合は、なんだかマジックスペルを勝手に改造して、

しかもそれが発動しそうになったから怒られたんでしょ!」

「まあ!」

顔を青くして

「クロエ!危ないじゃない!」

こんこんと怒られた

「しかも、私に隠そうとしたのね!」

こんこん

こんこん

こんこん

「ふぅー クロエちゃん本当にわかった?」

強く、「うん!」

みんなの疑いの目が痛いよ…………


…………

「今は、2限の時に全クラスにマナ譲渡をしているんですよ!」

「まあ!いっぺんに40人も!」

「しかもマナ譲渡のあとにバルディーニ先生がマナ値を調べるんですが、全然減ってないんですよ!」

「まあ!」

「リナちゃんのおかげだよね~」

「そうかしら?リナのマナ値が高かったという記憶はないのだけど…………」

クララ「クロエちゃんに魔臓はなかったし、リナが普通の魔臓だったとしたら、組み合わせがよかったのかも」

おかあさん「高すぎてもなんだか心配ね…………

クロエちゃん、体調がおかしくなったら、すぐに先生やまわりの生徒にそう言うのよ?」

「はーい」

…………

…………

「それでね、クロエからマナをもらうと、気持ちよくなるの!」

マリィさんもういいです…………別の話題にしませんか?…………

クララ「私、昨日の授業中のマナ譲渡の時…………寝ちゃったんです」

エリス「手を握るんじゃなく、頭をなでた」

私「なんだか、クララちゃんの頭がなでたくなっちゃって……あと、別に手からじゃなくてもいいかもってね。

それで、クララを見てたらつい、頭をこう『なでなで~』って」

クララ「起きたとき恥ずかしかったんだから!」

マリィ「男子は気持ちよくならないんですよ。きっと指先しか触らないからだよね」

私「授業とは言え男子の手なんか握りたくないもん」

アンヌ「絶対相手が好きか嫌いかでマナの量変えてるだろ!」

私「そんなこと考えてないって。もらう方の気持ちじゃないの?」

クララ「両方かもしれません」

…………

おかあさん「私もクロエちゃんにマナ分けてもらいたいな、いい?」

「うん、

あ、でも試して見たいことがあるの」

「なに?」

「おかあさんの肩を揉んであげたいなって」

「まあ!いいわね!

やってみて?」


私はおかあさんの後ろに回り、両肩をもんだ。

「お客さん、肩がこってるね~

(ぐいぐい)

「お、この辺が特に。」

(もみもみ)

おかあさんは目を閉じて「いいわ~」

「ここはどうですか~」

(ぐいぐい)

「あぁ~」

そろそろいいかな?

肩を揉みながら、

『風よ……マナ譲渡を実行・対象おかあさん、トランスファー』

と発語した。


おかあさんはそのままぐっすり眠ってしまったよ。

おやすみなさい。


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