021 邂逅
エピソード018でクロエが歌っている歌はこちら↓。聴いてね!
https://www.youtube.com/watch?v=WN2IvDfrpPU
魔法院の開始まであと少しとなった。
朝から、アンヌがクララのチェックを受けていて、部屋がうるさい。
「アンヌちゃん、入学のときに着る服一式は別にまとめてある?」
「うん」
「きれいな方のローブを着てくんだよ?」
「うん…」
「制帽はくせがつかないよう、初日に着る衣服の上に置いてね?」
「はいはい」
「筆記具はすぐ取り出せるところにしまうのよ?」
「……ちょっと、うるさくない?」
「できてないから言ってるの!」
「クララはいつからアタシの母ちゃんになったんだよ~!」
にこにこ
それを見ている私はにこにこだ。
とっても調子が良い。
アンヌは私を見ると、「えらい変わり様だな!」
うん
にこにこ
「お母さんって偉大ですね~」と、クララ
うん、そう思う
「私もソフィさんに倣って、将来は良いお母さんになりたいなって思いました~」ふわっとクララが笑う。
おかあさんっていいよね!
「はぁー、その結果クララがアタシの世話を焼きたがるのか~」
でも、少しわかるな。
前世と違い、トランクがあるわけでも、通学鞄があるわけでもない。
アンヌとクララはここで2年間暮らした私物があるうえ、先日の学用品の買い物もある。
一枚布に、あれこれ詰めるとだいぶかさばるし。
荷物が少ないとは言え、お引っ越しは大変だ。
クララ
「クロエちゃんは本当に私物が少ないですね。それに隣に移るだけですし、すぐ終わりますね。」
「うん。簡単だよ」
そのときだった。
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——扉が開いた。
三人同時に、動きを止める。
シスターと、続いて神殿騎士が一人入ってきた。
白銀の胸当て。動かない視線。
その後ろに——
女の子が立っていた。
私たちより、少しだけ小さい。
年は……ネロくらいだろうか。
前世で言えば小学校4年生くらいの見かけだ。
シスターが言う
「孤児院に一人入所者があります。
あなたのお名前を言いなさい」
少女 「……」
「名前を言いなさい」
「……」
私 「あの!」
「何ですか、クロエ」
「私みたいに名前が思い出せないのかも!」
シスターは少女に向かい 「あなた、名前が思い出せないの?」
「……」
「ふぅ……」
シスターはため息をついて
「では、クロエ。
この子の名前を決め、孤児院の説明をしておきなさい……
クロエ、いいですか。アンヌとクララはここから出て行くのですよ。
これからはあなたが子供たちを世話しなければいけません。
よく、心得ておきなさい」
「ハイ!」
私は神殿における直属上司となったシスターにしっかり返事をしておいた。
大人が去った後
「シロでいいね!」と、アンヌ
「アンヌぅ~ 今だから言うけどさ、私、けっこういやだったんだからね!
クロってなによ! 犬っころみたいじゃないの~」
「そ、そう? わかりやすくていいと思うけどな~」
「アンヌちゃん、子供を生んだら、私に相談してからお名前決めましょうね!」クララはお母さんモードを継続中だ。
私はその子に
「あなたのこと、何でもいいから教えて欲しいな。」
と言って、その子の言葉を待った。
「……」
視線が私に向けられた。
まるで、何かを探すように。
私を、じっと見ている。
「わ、た、し、わ……」
うんうん
「わたし、は、……さ、ち……」
「わたしは、……さーarch、op**a*d、***、??」
?
「『さち』って呼んでもいい?」
少女は
「あなたが、わたしに、さーち、と言う?」
うん
「いい」
こんな経緯で彼女は「サチ」となった。
私たちは、こうして出会った。
——まだ、何も知らないまま。
このお話を読んで頂いた方へ
youtubeで公開している曲の世界観を言葉にしたくて「チートなんてない!」を書き始めました。読み専をやめて初めてわかったんですが、ブクマとか評価って、とっても大切だったんです!他の作者様の気持ちが初めてわかりました。それで、皆様にもブクマや評価をお願いしてもよろしいでしょうか?身勝手だと思うのですがよろしくお願いします。(・_・)(._.)




