002 記憶の始まり
「おお・・・知らない天井だ・・・」
イメージソングをどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=nHjzGHlNB5I
「おお……知らない天井だ……」
彼女は目を開きそうつぶやいた。
「目が覚めた?だったら、さっさと起きてくれる?」
ベッドサイドには赤髪の女の子が立っている。
「赤毛の……もしかしてアンって名前?」
「何言ってるの?あたしはアンヌよ。」
「赤毛のアンヌ? ……っプッ」 何となくおかしくて笑ったら頭をはたかれた!
「失礼なやつね!」
「ごめん」(でも何がおかしかったんだろ?)
「もしかして、なんかの同盟に入ってたりする? 」(同盟ってなんだよ!)
またはたかれた!
「訳わかんないこと言うな!」 「それよりあんたの名前は?!」
?
「わたし?」
「そう!」
(わたしは……)「あれ?」
「何?」
「わたしは……」 (うーん……まったく名前が出てこないぞ?)
赤毛のアンヌは、いらだってこう言った。
「あんたは黒髪だから「クロ」ね!」
「クロ!朝の奉仕の時間だから、あたしについてきな!」
最初の記憶は教会の朝奉仕だ。
私たち孤児は、教会で朝清掃の奉仕を行う。
聖堂、まわりの廊下、礼拝堂、祭壇、聖書台などを雑巾でから拭きしたり、ほうきやモップでごみをまとめて捨てる。
シスターが厳しく見張っているので、手を抜けない。
手抜きが見つかると朝ご飯がもらえない。すると夜まで空腹でいなければならない。
朝食で隣にいる金髪の女の子に聞いてみる。
クララというそうだ。(「足が悪かったりする?」って聞いたら アンヌにはたかれた……)
「ねえ、あなたは孤児なの?」
「ええそうよ。あなたも孤児でしょ?」
「わからない……」
「じゃあ、お父さんとお母さんは?」
「わからない……」
「じゃあ孤児なんじゃない?」
なるほど。わたしは孤児か。
「早く食べな。」とアンヌ。
「はぁーい」(定番の黒パンだ。やっぱり石のように堅いのかな?)
みんなのまねしてスープに浸して食べてみる。
!まっず! 堅さはともかく、まずいじゃないの!
「すごい顔」 と、はす向かいの男の子。
ネロと言うそうだ。(「やっぱり犬が好きなの?」 とは聞かない。わたしはアンヌから頭を守ったのだ。)
返事はせずに栄養摂取に取り組む。
顔が渋くなるのは仕方ないじゃないか。
朝食後、シスターの説話?っぽいお話があった。
神様のお話だ。
「今日はアレース様のお話です。むかしむかし、……」
どうやらアレース様は火の神みたいだ。みんな一生懸命聞いている。
クララに聞いてみた。(クララに聞くのが無難ぽい。身体的危険がないし……)
こそっと話す。 「みんなアレース様が好きみたいだね。」
こそっと返してくれた。 「アレース様の加護が頂ければ火魔法が使えるからね。一番の人気なのよ。」
火魔法が人気かぁ。またまたド定番というか、何というか……
何となくだが、自分は転生したのかも?
当然、そんな疑念がわいてくるが、それにしてもありふれた設定じゃない?
説話の後は、(もう説話でいいや)瞑想の時間だ。
シスターが話す。
「さあ、みなさん、アレース様のことを敬い、自らの体内のマナを高めるのです。」
次は「マナ」かぁ……
みんな床に思い思いに座り、目を閉じた。
そこは座禅じゃないんだ……
でもびっくり! みんなのおなか、ぽわっと光ってるよ!
驚きの展開だ!
「そこの黒髪!目を閉じて瞑想しなさい!」
こゎ。
はいはいやりますよ。
定番だと丹田に意識を集中するんだよね……
ん? ひからないぞ?
「ぽゎっと来ない……」
シスター「それは信仰心が足りないのです。先ほどの説話でもしっかり集中していませんでしたね。」とギロリ。
目力が怖いです。
「クロ!次は食器洗いだよ!」と、アンヌ。
クロ? あぁ、クロはわたしか……でも「クロ」はないな。
よしちょっと考えてみよう。
あ+クロ、いクロ、うクロ……なんかヒットしないな……とクロまで来たとき、なぜかヤバ目の画像が頭に浮かんだ。
だめだ! 方向転換しよう。
クロ+あ、クロい、クロう、クロえ!「クロエ」って良くないかな? なんかタイムリープとかできそう!
「ちょっと! 何ぼんやりしているのよ!」
「決めた! わたしは「クロエ」よ!」
「はぁ? 何言ってんの?」
「わたしの名前はクロエに決まりました。よろしく。」 にっこり。
アンヌ 「……変なやつ」
ごめんよ。




