016 『魔法選別の儀』
「な、なんだか大変だー!」
第1クール後半の主題歌はこれでいこうと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=e2zGdYU4L8k
「これより『魔法選別の儀』を始める」
「アンヌよ、こちらに参れ」
司祭様がアンヌに呼びかける。
「ハイ!」
聖堂の奥には司祭様が立ち、その前には祭壇が据えられている。壇上には聖典らしきもの……
司祭様のいる場所は聖堂の床から三段ほど高くなっており、背後には石像が並んでいる。
朝の光が石像の上の窓から差し込んでいる。
たしか後陣とか言うんだっけ?
私は前世知識に照らし合わせながら眺めていた。
聖堂の構造は、前世知識とあまり変わらないようだ。
(だけど、こっちの方がずっとシンプルだね。
教会らしさを醸し出すような様々な装飾、例えばバラ窓もステンドグラスもない。
後陣が半ドーム状になっているところは似ているけど、天井画もないし……
特に違和感のある点は……十字架や聖人の像ではなく、オリュンポスの神々に似た石像が祀られていることかな。
宗教そのものが違うから当たり前だけど。
教会ですべき儀式を想定したら、自然とこんな建造物になっちゃうのかも……
観光客のように、そんなことをぼんやり考えていると……
脇に立つバルディーニ助祭が、
「階段の手前で跪き、祈りの姿勢をとりなさい」と指示をした。
「はい」
司祭は言う。
「アンヌよ。
そなたはこれまで毎朝の瞑想を行い、四柱の神々への祈りを捧げてきた」
「そなたに問う。
火を司り戦いの最中勝利を得るには如何すべきか。」
「火の主神アレース様への信仰を捧げます」
「そなたに問う。
水を司り海と川の荒れる様を治めるには如何すべきか。」
「水の主神ポセイドーン様への信仰を捧げます」
「そなたに問う。
土を司り豊穣の恵みを手にするには如何すべきか。」
「土の主神デーメーテール様への信仰を捧げます」
「そなたに問う。
風を司り清浄の気をあまねく広めるには如何すべきか。」
「風の主神アルテミス様への信仰を捧げます」
(アルテミスって狩猟の神さまじゃなかったっけ?)
司祭
「よろしい。
アンヌよ改めてこの場で瞑想を行い、
そなたの信仰を四柱の神々に示しなさい」
「はい」
アンヌは祈りの姿勢のまま瞑想を始める。
すると!
アンヌの下腹部から白い光が広がると、その光が赤く輝きだし、大きな火柱となって現れた!
うを!!!
火柱は幻影のようなものなのか、
実際の熱量はなく、天井をすり抜けてやがて消えていった……
みな、呆然としている……
「よ、よろしい! アンヌは主神アレース様より火の属性魔法を授けられた!」
司祭様が慌てているよ。
この場には司祭様とバルディーニ助祭のほか、シスターと神殿騎士2名、それに魔法院の教師1名しかいない。
平静なのはバルだけだ……
アンヌ自身もびっくりしているよ!
バルは言う。「アンヌは席に戻りなさい」
……
……
……
「んん!司祭殿…………
司祭殿!続きを……」
「う、うむ、
ク、クララよ、こちらに参れ」
司祭様の動揺が激しいなぁ。
…………定型句が繰り返されたあと、
司祭は、
「よろしい。
クララよ改めてこの場で瞑想を行い、
そなたの信仰を四柱の神々に示しなさい」
「はい」
クララが瞑想を始めると!
今度はさらに目映い白い光が広がり、渦を巻きだした!
やがて!
大きな水の柱が何本も立ち上がり!
さらに、その周囲を強風が吹き荒れ!
足下から土塊が盛り上がり始めた!
今度は司祭どころかバルまで驚愕だ!
「と、トリプルスペルだぞ!」神殿騎士が叫ぶ!
魔法院の教師は真っ赤になって震えている!
クララはなぜか微笑んでいる…………?
な、なんだか大変だー!




