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チートなんてない!(連載)  作者: ayane_project


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16/18

016 『魔法選別の儀』

「な、なんだか大変だー!」

第1クール後半の主題歌はこれでいこうと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=e2zGdYU4L8k

「これより『魔法選別の儀』を始める」

「アンヌよ、こちらに参れ」

司祭様がアンヌに呼びかける。

「ハイ!」


聖堂の奥には司祭様が立ち、その前には祭壇が据えられている。壇上には聖典らしきもの……

司祭様のいる場所は聖堂の床から三段ほど高くなっており、背後には石像が並んでいる。

朝の光が石像の上の窓から差し込んでいる。


たしか後陣とか言うんだっけ?

私は前世知識に照らし合わせながら眺めていた。


聖堂の構造は、前世知識とあまり変わらないようだ。

(だけど、こっちの方がずっとシンプルだね。

教会らしさを醸し出すような様々な装飾、例えばバラ窓もステンドグラスもない。

後陣が半ドーム状になっているところは似ているけど、天井画もないし……


特に違和感のある点は……十字架や聖人の像ではなく、オリュンポスの神々に似た石像が祀られていることかな。

宗教そのものが違うから当たり前だけど。


教会ですべき儀式を想定したら、自然とこんな建造物になっちゃうのかも……


観光客のように、そんなことをぼんやり考えていると……

脇に立つバルディーニ助祭が、

「階段の手前で跪き、祈りの姿勢をとりなさい」と指示をした。

「はい」


司祭は言う。

「アンヌよ。

そなたはこれまで毎朝の瞑想を行い、四柱の神々への祈りを捧げてきた」


「そなたに問う。

火を司り戦いの最中勝利を得るには如何すべきか。」

「火の主神アレース様への信仰を捧げます」


「そなたに問う。

水を司り海と川の荒れる様を治めるには如何すべきか。」

「水の主神ポセイドーン様への信仰を捧げます」


「そなたに問う。

土を司り豊穣の恵みを手にするには如何すべきか。」

「土の主神デーメーテール様への信仰を捧げます」


「そなたに問う。

風を司り清浄の気をあまねく広めるには如何すべきか。」

「風の主神アルテミス様への信仰を捧げます」


(アルテミスって狩猟の神さまじゃなかったっけ?)



司祭

「よろしい。

アンヌよ改めてこの場で瞑想を行い、

そなたの信仰を四柱の神々に示しなさい」


「はい」

アンヌは祈りの姿勢のまま瞑想を始める。

すると!

アンヌの下腹部から白い光が広がると、その光が赤く輝きだし、大きな火柱となって現れた!

うを!!!

火柱は幻影のようなものなのか、

実際の熱量はなく、天井をすり抜けてやがて消えていった……


挿絵(By みてみん)


みな、呆然としている……

「よ、よろしい! アンヌは主神アレース様より火の属性魔法を授けられた!」

司祭様が慌てているよ。

この場には司祭様とバルディーニ助祭のほか、シスターと神殿騎士2名、それに魔法院の教師1名しかいない。

平静なのはバルだけだ……

アンヌ自身もびっくりしているよ!


バルは言う。「アンヌは席に戻りなさい」

……

……

……

「んん!司祭殿…………

司祭殿!続きを……」

「う、うむ、

ク、クララよ、こちらに参れ」

司祭様の動揺が激しいなぁ。


…………定型句が繰り返されたあと、

司祭は、

「よろしい。

クララよ改めてこの場で瞑想を行い、

そなたの信仰を四柱の神々に示しなさい」


「はい」

クララが瞑想を始めると!

今度はさらに目映い白い光が広がり、渦を巻きだした!

やがて!

大きな水の柱が何本も立ち上がり!

さらに、その周囲を強風が吹き荒れ!

足下から土塊が盛り上がり始めた!


挿絵(By みてみん)


今度は司祭どころかバルまで驚愕だ!

「と、トリプルスペルだぞ!」神殿騎士が叫ぶ!

魔法院の教師は真っ赤になって震えている!

クララはなぜか微笑んでいる…………?


な、なんだか大変だー!


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