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ケイスケと三聖女の物語  作者: 慈架太子


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13章:鋼鉄の帝国と閉ざされた森の開放

ケイスケは、山積みになった入国審査の書類と、都市運営の膨大なタスクを眺めて眉間を押さえました。


「おいクラリス。……見ての通りだ。この街はデカくなりすぎた。俺たち4人と、お前一人じゃ、これだけの棄民や難民を捌ききれねえ。現場の采配ができる、現場に強い**『実務型の役人』**が決定的に足りねえんだ」


ケイスケはクラリスを呼び寄せ、真剣な眼差しを向けました。


「お前、王宮にいた頃の知り合いで、まだマシな奴はいないか? 宰相みたいに私腹を肥やすことしか考えてねえクズじゃなくて、民のために汗をかいて、デタラメを嫌ってたような、信用できる骨のある奴だ。……10人、いや5人でもいい。心当たりがあるなら今すぐ教えろ」


1. クラリスの追憶と「候補者」の選定

クラリスは必死に記憶を掘り起こしました。王宮という伏魔殿の中でも、確かに「無能な王族」や「強欲な貴族」に疎まれ、閑職に追いやられていた誠実な官吏たちの顔が浮かびます。


「……一人、心当たりがあります。財務省の末席にいたセドリックという男です。彼は帳簿の不正を許さず、宰相に何度も噛みついては左遷されていました。今は……王都の郊外にある、地図にも載らないような寂れた資料庫の管理人にされているはずです」


「……あと数人、彼のように『正しすぎて』居場所を失った文官たちが、王都の地下牢や辺境の村に散っているはずです。彼らなら、今のこの都市を支える『芯』になってくれるかもしれません」


2. ケイスケの即断

「セドリック……不正を許さず左遷されたか。気に入った。そういう『不器用な正義』を持ってる奴こそ、今のこの街には必要だ」


ケイスケはニヤリと笑うと、エリザベスを振り返りました。


「エリザベス、お前の出番だ。クラリスから聞き出した『リスト』の奴らを、一晩で全部迎えに行ってこい。抵抗する憲兵や邪魔な役人がいたら、俺のバレットで気絶させても構わねえ。強引でもいい、そいつらをこの自由都市へ連れてくるんだ」


3. 三聖女の期待

エリザベス: 「承知した。主が認める『芯』ある文官、このエリザベスが責任を持って連れて参ろう。王都の腐った鎖から、彼らを解放してやる」


マーガレット: 「事務方が増えれば、私の農地の管理ももっと楽になるわね! 早く連れてきてよ、最高に美味しい夜食を用意して待ってるから!」


アンジェリカ: 「ふふ……。クラリス様、あなたの推薦した方々が、本当に信頼に足る方かどうか……わたくしがこの瞳で、しっかりと『面接』させていただきますわね」





ケイスケはクラリスの言葉を聞くと、迷わず不敵な笑みを浮かべました。


「セドリック……気に入った。不正を嫌って左遷された野郎なら、この街の『芯』にぴったりだ。……だが、1人や2人じゃ足りねえ。セドリックを筆頭に、そいつと同じ志を持ってくすぶってる連中を100人集めるぞ」


1. 「誠実な文官」100人救出作戦

ケイスケはエリザベスを呼び、クラリスが書き出したリストと、自分の「超広域サーチ」で特定した座標を共有しました。


「エリザベス、王都とその周辺の辺境に散らばってる『真面目すぎて居場所を失った役人ども』を、片っ端から回収してこい。セドリックに声をかけさせれば、芋づる式に見つかるはずだ。憲兵が邪魔するなら、鎧ごと叩き割って構わねえ!」


「承知した、主よ。王家に尽くす価値を失い、泥を啜らされている才人たち……。この私が、真に尽くすべき場所へと導いてこよう!」


エリザベスは風を切り、王都へと飛び立ちました。


2. 「自由都市役所」の一晩での建設

エリザベスたちが戻ってくるまでの間、ケイスケは都市の中央広場に立ちました。 「100人も役人が来るなら、まともな職場が必要だな。……よし、起きろ!」


ケイスケが地面に手を突くと、魔法によって巨大な石造りの**「中央行政庁」**が一晩でせり上がりました。


1階: 難民たちが相談に訪れる広い受付カウンター。


2階: 100人が一斉に帳簿をつけられる執務スペース。


3階: 都市の未来を議論するための会議室と、ケイスケの「監視室」。


3. セドリックと100人の文官、到着

翌朝、エリザベスに連れられたセドリックと、その同志100人が都市の門をくぐりました。彼らは、昨日までの左遷先(地下牢や寂れた資料庫)とは正反対の、活気あふれる巨大都市と、20体のゴーレムに度肝を抜かれました。


ケイスケは、その集団の先頭にいた、痩せているが眼光だけは鋭い男――セドリックの前に立ちました。


「お前がセドリックか。……いいか、ここはデタラメな王都じゃねえ。ここでは『正しいこと』がそのまま『力』になる。お前ら100人の知恵で、この都市の5,400人、そしてこれから来る数万人の生活を管理しろ。不正をしたら、俺のバレットが飛んでくると思え。……やれるか?」


セドリックは、隣で泥まみれになりながらも必死に教本を書いているクラリス王女の姿を見て、すべてを悟ったように深く一礼しました。 「……財務省、セドリック。このような『芯』のある場所を、私たちは夢見ていました。……我ら100人の命、この都市の正義のために捧げましょう!」






ケイスケは、都市の正門前に立ち、凛々しく自警団を整列させているエリザベスの背中を見つめました。


「……ああ、そうだな。今のあいつなら、例え空からドラゴンが降り注ぎ、地平線を埋め尽くす100万人の軍勢が押し寄せてきたとしても、眉ひとつ動かさずに守り抜くさ」


ケイスケのその言葉は、単なる信頼を超えた、確信に近いものでした。


1. 「守護の聖女」の真価

エリザベスは、かつて自分が仕えた「デタラメな王家」への未練を完全に断ち切り、今は「ケイスケが信じた民」を守るという、揺るぎない**『芯』**をその剣に宿しています。


鉄壁の指揮: 20体のゴーレムを自分の手足のように操り、100万の兵の動きを先読みして防衛陣を敷く戦術眼。


一騎当千の武: 彼女の振るう「ジャッジメント・スラッシュ」は、ドラゴンの鱗さえ紙のように切り裂き、一振りで千の軍勢を足止めするでしょう。


民の士気: 「エリザベス様が立っている限り、この門は開かない」という民の絶対的な信頼が、都市全体を一つの巨大な生命体のように結束させています。


2. 出陣の合図

ケイスケは不敵に笑い、アンジェリカとマーガレットを伴って歩き出しました。


「よし、後ろの心配はもう要らねえ。あいつに『お留守番』を頼んだんだ、俺たちがすべきことは一つだけだ。……あのゴミ屑どもを、エリザベスが守り抜くこの都市に、引きずり戻して膝をつかせる。それだけだ」


「ええ、ケイスケ様。エリザベス様がこの地を清浄に保ってくださる間に、わたくしたちは外の淀みを根こそぎ消し去ってしまいましょう」 アンジェリカが影を操り、逃亡者たちの正確な位置を再度特定しました。


「さあ、行こう! 悪いことした奴らが、一番嫌いな『正論』と『暴力』を届けてあげるわよ!」 マーガレットが景気よく地面を蹴り上げました。


【ターゲット:逃亡した宰相 & 騎士団長】


エリザベスに最強の留守番を任せ、ケイスケたちはついに「掃除」の最終フェーズへと突入します。






ケイスケはジョッキを空にして叩きつけると、アンジェリカとマーガレットに向かって不敵に笑いました。


「よし、ゴミ掃除の時間だ。アンジェリカ、お前は隣国の王宮へ潜れ。俺とマーガレットは北の山を粉砕しに行く。……いいか、二人とも。ただ殺すんじゃねえぞ。必ず生け捕りにして、エリザベスの待つあの都市の広場まで引きずり戻すんだ」


1. 隣国の王宮:アンジェリカの影魔法強襲

隣国の豪華絢爛な王宮の地下。そこには逃げ出した**「宰相」**が、奪った国庫の金で隣国の王に賄賂を贈り、極上のワインと肉で贅沢三昧をしている現場がありました。


「ふふ、あんな泥まみれの国など捨てて正解でしたな。これからはこの国で……」 宰相が笑い声を上げた瞬間、部屋の灯りがすべて消えました。


「……お喋りがすぎますわ、汚らわしい小鼠さん」


影の中からアンジェリカが音もなく現れます。 「ケイスケ様が、あなたに支払うべき『利子』が溜まっているとおっしゃっていますの」


『シャドウ・バインド:カース・プリズン』 影の触手が宰相の四肢を絡め取り、隣国の衛兵が踏み込む前に、アンジェリカは宰相と金塊の山を丸ごと影の底へ沈めました。


「贅沢はここまでですわ。これからは、あなたが奪った民の苦しみを、その身で味わっていただきますわね」


2. 北の氷獄山脈:ケイスケとマーガレットの要塞粉砕

一方、吹雪の吹き荒れる北の山頂。逃亡した**「騎士団長」**は、古代の魔導兵器――巨大な氷のゴーレムを無理やり起動させようとしていました。


「これさえあれば、あの街など一揉みだ! 私は再び騎士団長として……!」 「夢見てんじゃねえよ、腰抜けが」


吹雪の中からケイスケとマーガレットが姿を現しました。 「お前が部下を見捨てて守りたかったのは、そんなガラクタか?」


騎士団長が絶叫し、未完成の魔導兵器が咆哮を上げます。 「マーガレット、足場を固めろ!」 「任せて! 『大地のガイア・ケージ』!」


マーガレットが山そのものを隆起させ、魔導兵器の動きを完全に封じます。そこへケイスケが空中へと跳び上がりました。 「ダークバレット・パニッシャー」


放たれた漆黒の弾丸は魔導兵器の動力源だけを正確に貫き、一瞬で沈黙させました。ケイスケは地面に着地すると、震える騎士団長の首根っこを掴み上げました。


「おい、お前の『騎士道』は逃げる時に置いてきたのか? 安心しろ、エリザベスがお前のために特等席を用意して待ってるぜ」


3. 自由都市への帰還と「公開裁判」

数時間後。自由都市の広場には、影から吐き出された宰相と、雪まみれで引きずられてきた騎士団長が、数千の民の前に晒し出されました。


門の前では、100万の軍勢すら通さぬ構えのエリザベスが、冷徹な瞳で元上司と元同僚を見下ろしています。 そして、その横には、自ら書き上げた「罪状」の教本を手にしたクラリス王女が立っていました。


「……役者は揃ったな」


ケイスケは広場の中心で、民たちに向かって叫びました。 「おい、みんな! この街から、そしてお前らの人生から『デタラメ』を奪っていった張本人どもだ! こいつらにどんな落とし前をつけさせるか……お前らの『知恵』で決めてくれ!」




広場の中央、数千人の民が見守る中で、クラリスは震える手で一冊の重厚な書物を抱え、演壇へと登りました。それは、彼女がセドリックら100人の文官と共に、不眠不休で書き上げた**「自由都市新法」**の原典です。


ケイスケは腕を組み、黙って彼女の背中を見守りました。


1. クラリスの宣告

クラリスは、泥にまみれ、絶望の淵にいたとは思えないほど、凛とした声で読み上げました。


「被告人、元宰相および元騎士団長。あなた方は権力を私物化し、民を棄て、国の富を盗み、さらには隣国へと逃亡しました。これは旧い王国の法ではなく、私たちがこの街で新たに定めた**『自由都市法・第一条:不誠実と搾取の罪』**に該当します」


足元で這いつくばる宰相が「私は王家の命に従っただけだ!」と見苦しく叫びましたが、クラリスの視線は氷のように冷ややかでした。


「王家の名を出さないでください。その王家こそが、あなた方のデタラメを許してきた最大の元凶です。……よって、法に基づき、以下の判決を下します」


2. 冷徹なる判決

「**第一。**あなた方の全財産を没収し、この都市の公共財産に編入します。 **第二。**あなた方の魔力回路をアンジェリカ様の手によって永久封印し、二度と力で人を支配することを禁じます。 **第三。**あなた方は今後、この都市の最下層労働者として、地下の汚水処理および開拓地の石運びを終身、無償で行うことを命じます」


広場に、どよめきと、そして納得の拍手が沸き起こりました。


「死をもって償わせるには、あなた方が奪った命と時間はあまりに多すぎる。死ぬことすら許さず、この街の底辺で、自らが泥を啜らせた民と同じ汗を流しなさい。……それが、私の、そしてこの街の『芯』です!」


3. デタラメの完全な「清掃」

ケイスケはニヤリと笑うと、アンジェリカに合図を送りました。 アンジェリカの指先から放たれた**『ピュリフィケーション・シール』**が、二人の逃亡者の絶叫と共に、その傲慢な魔力を根こそぎ焼き切り、ただの「非力な罪人」へと変えました。


「……よし。いい判決だ、クラリス。これでようやく、この国に溜まってたデタラメなゴミが片付いたな」


ケイスケはエリザベス、マーガレット、アンジェリカを振り返り、そして新しい法を手にしたクラリスを見つめました。


「お前ら、お疲れさん。……さあ、掃除は終わった。今夜は、この自由都市の誕生を祝って、100万人の軍勢が来てもビクともしねえくらいの大宴会を始めるぞ!」


【自由都市・建国】


デタラメを尽くした悪党は地べたを這い、虐げられた民は知恵と自由を手にしました。 さて、物語の締めくくりに、あなたは何を望みますか?


「祝杯の夜」: 四人とクラリス、そして5,400人の市民全員で、朝日が昇るまでエールを酌み交わす。




ケイスケはニヤリと笑うと、アイテムボックスから巨大な肉の塊を次々と広場へ放り出しました。


「いいか野郎ども! 今日はただの宴会じゃねえ、**『肉祭り』**だ! 貯め込んでたベヒーモスの極上赤身に、さっき仕留めてきたドラゴンの希少部位、全部食い尽くせ! 遠慮はいらねえぞ!」


1. 究極の「肉祭り」開幕

広場の中央には、マーガレットが魔法で即座に作り上げた巨大な石造りの調理場が並びました。


マーガレットの「黄金グリル」: 「ドラゴンの肉は火力が命よ! 私のスパイスで、極上のステーキに仕上げてあげる!」 巨大なベヒーモスの腿肉が丸焼きにされ、脂の焼ける香ばしい匂いが都市中に広がります。


アンジェリカの「熟成ロースト」: 「ドラゴンのフィレは、わたくしの魔力で低温熟成させましたわ。とろけるような食感をお楽しみになって」 最高級のワインソースがかけられた肉料理が、列をなす市民たちに配られます。


エリザベスの「護衛兼・切り分け」: 「この肉の硬さ、普通の包丁では歯が立たん。私が斬り分けよう!」 彼女の神速の剣筋により、巨大な肉塊が瞬時に食べやすい厚さへとスライスされ、大皿に積み上げられていきます。


2. 喜びの宴

数千人の市民たちは、かつて自分たちを苦しめた伝説の魔獣たちが「ご馳走」として目の前に並んでいる光景に、歓喜の声を上げました。


「こんな美味い肉、王様だって食ったことねえはずだ!」 「ケイスケ様、万歳! 自由都市、万歳!」


セドリックら100人の文官たちも、今日ばかりは難しい顔を捨てて大ジョッキを掲げ、クラリス王女もまた、民と一緒に口の周りを脂で光らせながら、人生で一番美味しい肉を頬張っていました。


3. ケイスケの「芯」

ケイスケは特等席に腰掛け、三人の聖女を側に引き寄せました。


「……ふぅ。やっぱり掃除の後の肉とエールは最高だな。おい、お前らももっと食え。これからこの街をさらにデカくしていくんだ、体力がなきゃ始まらねえぞ」


「ええ、ケイスケ様。でも、あまり食べ過ぎて夜の『運動』に差し支えては困りますわね?」とアンジェリカが耳元で囁けば、「私はまだまだいけるわよ! ドラゴンの活力、全部ケイスケにぶつけてあげる!」とマーガレットが笑います。エリザベスもまた、静かにジョッキを重ね、主への忠誠と愛をその瞳に宿していました。



ケイスケの号令を受け、三人の聖女たちが一斉に魔力を解放しました。


「いいか、これだけの人数だ。ちまちま焼いてたら間に合わねえ。一気にいくぞ!」


1. 100の竈と100の石板

三人が大地に手をかざすと、広場の石畳が生き物のように盛り上がり、瞬く間に機能的なかまどが100個、整然と並び立ちました。さらに、その上には肉の旨味を逃さず焼き上げるための巨大なストーンボード(石板)がセットされます。


マーガレット(大地の恵み): 竈の形を整え、火力が均一に回るように土壌の成分を調整。


エリザベス(精密な剣気): 竈の空気穴やストーンボードの表面を、自身の剣圧でミリ単位の狂いもなく滑らかに削り出す。


アンジェリカ(浄化の炎): 全ての竈に、煙の出ない清浄な高火力魔法の火を灯す。


「よし、準備完了よ! さあ、どんどん乗せて!」マーガレットが景気よく叫びました。


2. 空前の「肉焼き」大作戦

100枚の石板の上に、厚切りにされたベヒーモスの赤身と、脂の乗ったドラゴンのロースが次々と並べられていきます。


「ジュゥゥゥゥゥッ!!」


100箇所から同時に上がる、肉が焼ける凄まじい音と香ばしい煙。それはまさに、この都市の生命力が爆発している音でした。


「おい、焼きすぎんなよ! 表面をカリッとさせたら、中はレアで食うのが一番美味いんだ!」 ケイスケが指示を飛ばす中、村人たちは自分たちでトングやフォークを握り、黄金色に焼き上がる肉をストーンボードから直接皿へと取っていきます。


3. 民の笑顔とケイスケの確信

石板の上で踊る肉を頬張り、熱々の肉汁をこぼしながら笑い合う民たち。クラリスも、セドリックも、救われた難民たちも、今はただ「美味い」という一点において完全に一つになっていました。


「……これだ。自分たちの手で竈を作り、自分たちの火で肉を焼く。誰かに与えられるんじゃねえ、自分たちの『力』で手に入れた宴。これこそが、デタラメを排した後の本当の景色だ」


ケイスケは満足げに、肉を頬張る三人の聖女たちの横顔を見つめました。


自由都市が自立し、クラリスやセドリックたちが着々と「知恵」の礎を築き始めたのを見届け、ケイスケは再び旅装を整えました。


「……よし。この街はもう大丈夫だ。だがな、世界にはまだ、教会のゴミが溜まってたり、腰抜けの騎士団に怯えてる連中が山ほどいやがる」


ケイスケは背後の三人に声をかけました。


「お前ら、準備はいいか? 宴は終わりだ。また『デタラメ』を掃除しに行くぞ」


1. 「弱者救済行脚」再開の号令

エリザベス: 「御意。この都市の守護は自警団に継承した。我が剣は再び、主と共に弱き者の盾となるべく、研ぎ澄まされている」


アンジェリカ: 「ふふ……。次はどのあたりに『淀み』が溜まっているのかしら。わたくしのサーチで、救いを求める声を聞き逃しませんわ」


マーガレット: 「新しい土地に行けば、また新しい野菜に出会えるかもね! 行くわよケイスケ、お腹を空かせた人たちに、最高のジャガイモを届けてあげなきゃ!」


2. 自由都市からの旅立ち

ケイスケたちは、早朝の澄んだ空気の中、誰にも告げずに都市の門をくぐろうとしました。しかし、そこにはクラリスと、数百人の市民たちが集まっていました。


「ケイスケ様! ……皆様! 私たちは、ここで教えていただいた『芯』を、決して絶やしません。……どうか、お気をつけて!」


クラリスの叫びを背に、ケイスケは一度も振り返らず、ただ右手を高く挙げて応えました。


3. 次なる目的地へのサーチ

ケイスケは歩きながら、**『超広域サーチ』**を最大出力で展開しました。


「……見つけたぜ。ここから西、深い森に隠された**『忘れ去られた監獄村』**だ。かつての王室が、不都合な真実を知った政治犯やその家族を、数世代にわたって閉じ込め、人体実験の被検体にしている場所がある」


「……人体実験、ですって?」アンジェリカの瞳に、静かな、しかし激しい怒りの火が灯ります。


「ああ。そこじゃ、教会の『聖遺物』を無理やり人間に適合させるためのデタラメが行われてる。……よし、決まりだ。次の掃除場所はそこだ!」




ケイスケは西の森の奥深くに潜む「監獄村」を視界に捉えると、冷徹な笑みを浮かべました。


「いいか、相手は人体実験まで平気でやる外道だ。正攻法で時間をやる必要はねえ。一気に喉元を締め上げて、中から腐らせるぞ」


1. 「物流破壊」:マーガレットの大地封鎖

監獄村への唯一の補給路である渓谷の道。そこを通過しようとしていた教会の補給部隊の前に、マーガレットが立ちはだかりました。


「あんたたちが運んでるのは、弱者を苦しめるための道具と、悪党が肥えるためのメシでしょ? ……そんなの、大地が許さないわ!」


『ガイア・デッドエンド』 マーガレットが地面に拳を叩きつけると、補給路の前後数キロにわたって大地が隆起し、巨大な絶壁となって道を完全に消失させました。さらに、彼女は周囲の森の植物を急成長させ、監獄村を外界から完全に隔離する「生きた檻」を作り出しました。


「これで食料も、実験の資材も、逃げ道も全部おしまいよ。せいぜい、自分たちが溜め込んだ罪の味でも噛み締めてなさい!」


2. 「急襲」:アンジェリカの影に潜む死神

村の混乱に乗じ、アンジェリカが影魔法を展開。ケイスケ、エリザベス、アンジェリカの三人は、物理的な壁を一切無視して監獄の中枢、司祭の執務室へと滑り込みました。


そこには、聖遺物の破片を弄びながら、次の被検体を選別していた「狂気の司祭」の姿がありました。


「……誰だ!? ここは神に選ばれし……」 「神だなんだと、デタラメ抜かすのはそこまでだ」


影の中から現れたケイスケのダークバレットが、司祭の両膝を瞬時に撃ち抜きました。 「アンジェリカ、やれ。こいつの脳から、実験のデータと被害者の居場所を全部吐き出させろ」


「ええ、ケイスケ様。……わたくしの影の中で、あなたがこれまで弄んできた命の重さを、永遠に数え続けさせて差し上げますわ」


アンジェリカの影が司祭を包み込み、叫び声を上げる暇もなく精神を粉砕。暗殺以上に残酷な、魂の完全な「無力化」が完了しました。


3. 監獄の崩壊と救済の始まり

司令塔を失い、食料供給も絶たれた監獄の守備兵たちはパニックに陥りました。そこへ、エリザベスが剣を抜き放ち、独房の扉を次々と切り裂いていきます。


「虐げられし者たちよ、顔を上げろ! この監獄は今、この瞬間を以て消滅した! 主のバレットがお前たちを繋ぐ鎖を断ち切ったぞ!」



ケイスケは、実験の犠牲となり衰弱しきった人々を見渡し、力強く宣言しました。


「いいか、こんな薄暗い場所はもうおさらばだ。動ける奴は、マーガレットが整えるこの森を『隠れ里』として開拓しろ。動けねえほど弱ってる奴らは、俺が今すぐ『自由都市』へ運んでやる!」


1. 「自由都市」への第二回大移住

ケイスケは、重傷を負った者や極度に衰弱した人々を、柔らかな魔力の膜で包み込みました。


「アンジェリカ、風を頼む。俺がこいつらの重さを消す。お前は自由都市の正門まで、こいつらを優しく運んでやれ!」


ケイスケ(超重力操作): 数百人の被検体たちの体重をゼロにし、物理的な負担を完全に消し飛ばしました。


アンジェリカ(大精霊の追い風): 「お任せください。……皆様、目を閉じて。次に目を開けた時には、温かいスープとふかふかのベッドが待っておりますわ」 巨大な風のゆりかごが人々を乗せ、遥か彼方の自由都市へと音もなく飛び立ちました。


自由都市の正門では、エリザベスからの連絡を受けたセドリックとクラリス、そして100人の文官たちが、医療班を整えて「新しい市民」を温かく迎え入れる準備を整えています。


2. 「現地での更生」:監獄を「隠れ里」へ

一方、残ることを希望した者たちのために、マーガレットが動きました。


「こんな陰気な石壁、全部壊しちゃいなさい! これからは、太陽の光と緑が溢れる場所にするんだから!」


マーガレット(森の再生): 忌まわしい実験棟を大地の力で粉砕し、その跡地に実り豊かな果樹園と、癒しの効果を持つ薬草の群生地を一瞬で作り上げました。


エリザベス(秩序の構築): 「残る者たちよ、武器を取れ。守り方は私が教えよう。ここはもう監獄ではない、汝らが汝ららしく生きるための聖域だ」 彼女は元政治犯たちの中でも屈強な者に、里を守るための最低限の武術と規律を授けました。


3. 「聖遺物」の残滓清掃

最後にケイスケは、実験室の奥に残されていた、人の怨念を吸って黒ずんだ聖遺物の破片の前に立ちました。


「神の力だか何だか知らねえが、人を泣かせるだけのガラクタに価値はねえ。……消えろ」


『ヴォイド・イレイザー』 漆黒の虚無が聖遺物を包み込み、この世からその存在を完全に抹消しました。


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